森山未來主演で丸谷才一『笹まくら』初映像化 “徴兵忌避”を描くNHK特集ドラマ、川栄李奈・青木柚・堀田真由が集結
森山未來主演で、作家・丸谷才一の名作小説『笹まくら』が初めて映像化されることが発表された。NHK特集ドラマ「笹まくら」は2026年夏にBSP4K・BSで放送予定。戦時下の“徴兵忌避”という重いテーマを軸に、戦後20年を経ても消えない“同調圧力”や、人が自由に生きることの難しさを描く骨太な人間ドラマとなる。
演出を手掛けるのは映画『バカ塗りの娘』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した鶴岡慧子。脚本は劇作家の秋之桜子が担当する。
物語の主人公は、戦時中に召集令状を黙殺し、“徴兵忌避”という国家への反逆行為に踏み切った浜田庄吉。終戦後は過去を封印し、大学職員として平穏な生活を送っていたが、ある出来事をきっかけに封じ込めていた記憶と再び向き合うことになる。
森山未來が演じる“徴兵忌避者”・浜田庄吉
【森山未來コメント】
「国家というものの目的は、戦争以外にない」
太平洋戦争の最中、その国家と戦争に抗うように徴兵を忌避(兵役逃れ)した人間は英雄などではなく、盗みや殺人よりも重大な犯罪者でした。非国民のレッテルを貼られながらも命を賭して国家権力から逃げ回った人、そして、命を賭して国家権力に従わざるを得なかった人。いずれの形で戦争を生き延びたとしても、そこには本当の意味での自由や平穏などなく、国家権力に振り回された挙句に心身に残った傷跡が虚しく疼きつづけたのではないかと想像させられます。
作中で吐き出される冒頭の台詞は、長い戦後、あるいは戦前かもしれない2026年の夏に、どのように響くのでしょうか。
川栄李奈、平穏を願う妻・陽子役で出演
【川栄李奈コメント】
浜⽥庄吉の妻、陽子を演じさせていただきます。
命や心を犠牲にしながら葛藤し生きた庄吉を支える、明るく一生懸命な陽子ですが、物語が進むにつれ抱えているものが明らかになります。森山未來さんとは本格的にお芝居をさせていただくのが初めてで、非常に嬉しく思います。現場での自然体で丁寧な姿を近くで勉強させてもらいながら、キャストスタッフのみなさんとより良い作品を作っていけたらと思います。どの時代にも共通する、自由とは何なのか、どう生きるのが正解なのか。この問いを一緒に考えていただけたら嬉しいです。
青木柚が若き日の浜田を熱演
【青木柚コメント】
浜田庄吉役を演じます、青木柚です。徴兵忌避をした青年は、自分が想像してもしきれないほどの重力を感じながら日々を送っていたのではないかと感じています。
令和を生きる自分ですが、決して他人事ではなく、今を重ねながら脚本、原作を読み進めました。自分が同じ時代、環境に置かれた時に、“選択する”という事を選べるのだろうか。そんな事を延々と頭と心で考えています。自分にとっても、さまざまな事を見つめ直す撮影期間になると思いますし、浜田が生きた時代からしか感じ取れない夏の空気を大事に汲み取りたいです。
森山未來さんと、浜田という一人の人生を、瞬間の連続を生きていければなと思っております。
堀田真由、逃避行を支える恋人・阿貴子役
【堀田真由さん コメント】
結城阿貴子役を演じます。浜田と行動を共にする、逞しい女性です。
生きることと死ぬことが常に隣り合わせにあるその時、人は何を選び、何を守るのか。当時を生きていない私たちだからこそ、その時間と今を繋ぐ意味を深く考える作品だと感じます。
戦後 81 年が経つ今、戦争の悲劇や理不尽さを風化させないことはもちろん、今も世界で起こっている争いに目を向けながら、登場人物たちの生き方や選択をしっかり胸に刻み演じたいと思っています。鶴岡監督のもと再びお芝居ができること、とても嬉しく思います。心を込めて、この作品の世界を丁寧に紡いでいきます。
“戦後”ではなく“今”を問うドラマに
『笹まくら』は、“徴兵忌避者”という視点から戦争と国家、そして社会の同調圧力を描く異色作。ウクライナ、ガザ、イランなど、世界情勢が緊張感を増す今だからこそ、より切実に響くテーマを内包している。
「人は本当に自由になれるのか――」
戦時中の選択と、戦後に訪れる新たな圧力。ひとりの男の人生を通して、“自由”の意味を問い直す作品になりそうだ。
特集ドラマ「笹まくら」
【放送予定】 2026年夏 BSP4K・BS
【 原作 】 丸谷才一
【 脚本 】 秋之桜子
【 出演 】 森山未來 川栄李奈 / 青木柚 堀田真由 ほか
【 演出 】 鶴岡慧子
【プロデューサー】 藤村恵子(テレビマンユニオン)
【制作統括】 田中直人(テレビマンユニオン) 樋口俊一(NHK)