「100日の嘘」第8話に名前が出た“ユン・ボンギル”とは?上海の爆弾事件と「気送管」を知る歴史の豆知識

02時38分ドラマ
尹奉吉と1930年代の上海・京城をイメージしたAI生成イラスト
※実際の記録写真やドラマの場面写真ではありません。

11月1日にtvNで放送、Netflixにて配信されたキム・ユジョン×パク・ジニョン主演の「100日の嘘」第8話で、朝鮮総督府を騒然とさせたのが、上海から届いた「ユン・ボンギルによる爆弾事件」の知らせだ。この人物のモデルとなった実在の独立運動家「尹奉吉」と作戦の舞台となった「気送管」を知ると、1930年代を背景にした諜報劇がさらに興味深く見えてくる。(※第8話の内容に触れています。)


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「100日の嘘」は、1930年代の京城を舞台に、身分を偽って朝鮮総督府に潜入したスリのイ・ガギョン(キム・ユジョン)と、秘密を抱えたエリート通訳官・佐藤英雄の運命を描く諜報ロマンス。互いへの警戒と惹かれる気持ちの間で揺れる二人の関係が、緊迫した物語を彩っている。⇒navicon特集【「100日の嘘」を2倍楽しむ】

第8話では、総督府の「気送管開通記念式」を狙う爆弾作戦が迫る中、上海で事件が起きたとの知らせが届く。高官たちは騒然となり、総督府は厳戒態勢に。救国団が命がけの作戦を進める物語に、実際の歴史が重なる場面となった。

ここで名前が出た尹奉吉(ユン・ボンギル)は、1908年、現在の韓国・忠清南道礼山に生まれた独立運動家だ。若い頃は農村で読み書きを教えるなど、教育や地域の振興に取り組んだ。その後、日本の植民地支配からの独立を目指して中国へ渡り、上海で金九(キム・グ)が率いる「韓人愛国団」に加わった。

歴史に名を残したのは、1932年4月29日の出来事。上海の虹口公園で開かれていた、天皇誕生日の天長節と上海事変の戦勝を祝う式典で、日本側の要人に向けて爆弾を投げた。この事件で白川義則大将らが死亡し、重光葵公使らが重傷を負った。日本では「上海天長節爆弾事件」などの名称で知られている。

尹奉吉は現場で逮捕され、日本へ移送された後、同年12月19日に金沢で処刑された。わずか24歳だった。韓国では独立のために命をささげた人物として顕彰され、1962年には建国勲章の最高位である大韓民国章を追贈されている。韓国の記事や教科書などで目にする「尹奉吉義士」の「義士」は、大義のために行動した人物をたたえる呼称で、「医師」とは異なる。

もう一つ、第8話の豆知識として注目したいのが「気送管」だ。書類や小物を入れた専用の筒を、空気の圧力差によって管の中で移動させる搬送設備で、エアシューターとも呼ばれる。19世紀後半〜20世紀半ば、電子メールがない時代、建物内で書類や伝票などを素早くやり取りする手段として使われた。

劇中では、この設備の開通を祝う式典が、救国団の狙う機会となる。建物内の情報伝達を支える仕組みを、命がけの作戦に結びつけた設定も、時代背景を諜報劇に生かす工夫といえる。ただし、ドラマに登場する式典や作戦そのものを、実際にあった出来事と混同しないようにしたい。

尹奉吉による上海での爆弾事件は史実であり、その知らせを受けた総督府内の動きや救国団の作戦は、劇中の展開として描かれている。歴史上の事件を物語に織り込むことで、主人公たちが活動する京城の外にも、独立を目指す人々の動きが広がっていたことを感じさせる。

上海から届く知らせと、総督府内をつなぐ気送管。遠く離れた場所の出来事と、目の前の建物の仕組みが、一つの作戦をめぐって交わる第8話。尹奉吉という青年の生涯と当時の技術を知ると、主人公たちを取り巻く緊迫した状況が、より鮮明に見えてくる。

この回の詳しいあらすじと見どころは【「100日の嘘」を2倍楽しむ】で紹介する。

◇「100일의 거짓말」HP

◇100日の嘘 | オフィシャル予告編 | Netflix

kandoratop【作品詳細】【「100日の嘘」を2倍楽しむ】