NHK大河ドラマ 国盗り物語

エンタテインメント ドラマ 歴史・時代劇
番組情報
この『国盗り物語』が大河ドラマの11作目となる。昭和48年(1973)に放送されたものだ。
原作は司馬遼太郎の『国盗り物語』だが、この作品以外にも『新史太閤記』や『尻啖え孫市』『功名が辻』『梟の城』なども加味し、それらをベースにして、大野靖子が壮大な叙事詩に織り上げた。いくつもの作品の主人公が多数登場人物として配されていることから、司馬作品特有の群像劇に仕上がったともいえる。

国盗り物語前半は斎藤道三(平幹二朗)が油売りから身を起こして美濃国を手中に収めるまで。後半はその道三の娘、濃姫(松坂慶子)が嫁いだ織田信長(高橋英樹)が天下統一へと邁進するものの、家臣であった明智光秀(近藤正臣)に討たれるまでが描かれる。
ここに、後の豊臣秀吉(火野正平)、鉄砲衆の雑賀孫市(林隆三)なども加わり、それぞれの国盗りの野望と挫折のドラマがダイナミックに展開していくのだ。
上りつめていきながらも、いつかは下の者に討たれる下剋上。その戦国時代の冷酷さが、複雑な人間模様とともに迫ってくる。

高橋英樹や近藤正臣、火野正平などの主要な俳優陣はみな20代から30代前半であり、前年の『新・平家物語』がベテラン中心の配役だったため、この作品の若さが目立ったようだ。また、こうして、いくつかの司馬作品を編み上げて鳥瞰的なドラマを作る手法は、後の『花神』でも試みられている。

全51回の平均視聴率は22.4パーセント、最高視聴率は29.9パーセントであった。
36年前のドラマであるが、現存しているのは総集編の前後編のみで、本編のほうはいまのところ全く残っていないようだ。



斎藤道三の居城であった稲葉山城。道三の孫、龍興を倒した織田信長が手に入れて、名を岐阜城に改める。後に安土城に移るまでは、ここが信長の拠点ともなったのだ。
後に関ヶ原合戦の際、信長の孫は西軍に味方したため東軍に攻め入られ、城は潰され、天守閣などは移されてしまう。
昭和31年にかつての城が鉄筋コンクリート製で復元される。現在も、岐阜市のシンボルとして、そびえたっている。
  • 音楽:林光/原作:司馬リョウ太郎遼(しんにょうへんの点が二つ)/脚本:大野靖子
  • 平幹二朗、高橋英樹、近藤正臣、池内淳子、三田佳子、松坂慶子、火野正平
  • 年月日 ~ 年月日

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