四季シリーズ・音楽(イメージ曲)

特集 韓ドラここが知りたい 四季シリーズ
まずは前回触れたイメージ曲について。ユン監督はドラマの主題曲やエンディング曲、挿入曲とは別に、イメージ曲というものを作品ごとに設定している。(と韓ドラおすすめ隊は勝手に決めつけている)
イメージ曲には、世界中で親しまれている洋楽を選んでいる。それも、とても特徴のある曲想だ。(※それぞれの曲名をクリックすると音楽が試聴できるので、お試しを。対応するタイトル名の「試聴」アイコンをクリック。「有料」があるので要注意)

【秋の童話】は「Romance」。これは映画「禁じられた遊び」の中で使われた曲。この曲を聴くと曲名より映画のタイトル「禁じられた遊び」というフレーズがイメージされ、兄妹の叶わぬ恋が際立つ。運命にもてあそばれるウンソとジュンソのせつないシーンになると流れるこの曲。ギターの音色がピアノとはまたちがう“愛しさとせつなさ~♪”が胸に迫る。

【冬のソナタ】は「白い恋人たち」。ユジンが放送室で踊る場面で使われたABBAの「ダンシング・クイーン」をあげる人もいるかもしれないが、ここはドラマの本筋を見定めて、フランシス・レイの「白い恋人たち」に任せてもらおう。この曲の中のチュンサン(ミニョンがお好きな方はミニョンで)&ユジン♪もう、何も説明は要らないだろう。いや、それではおすすめ隊の役目が果たせない。兄妹(姉弟?)、交通事故、記憶喪失…これだけ韓ドラの王道を極めていながら、都会的でどこかさわやかなドラマになっているのは、この曲のおかげかも。

【夏の香り】はシューベルトの「セレナーデ」。シューベルトといえばこの曲!というくらい有名な曲。♪イタリア語のsere(夕方、晩)から来た言葉で、一般的に、夜、恋人の窓辺で歌われる愛の歌をさすことが多い。ミヌがセレナーデするのはウネ?ヘウォン?まあ、どちらにせよ、この曲に“せつなさの貴公子”とも言われる彼のウルウル涙目でどれだけの女性の心を射止めたのだろう。

【春のワルツ】は「いとしのクレメンタイン」。西部劇のお好きな方はすぐに思いつくだろう。あの『荒野の決闘(原題:My Darling Clementine)』の主題歌だ。元々は川でおぼれた娘を悼むというとても哀しい歌詞があり、ユン監督はこの哀愁のあるメロディーをチェハがウニョンを思う気持ちに寄り添わせたのだろう・・・・・が、これは明らかに失敗した。日本では西堀栄三郎氏の作詞「雪山讃歌」があまりにも定着してしまっている。これでは、チェハの陰鬱な心が表現できない。元気がありすぎるのだ!日本通でならした流石のユン監督もこれは失敗した。もっとも、監督自身それに気が付き、日本版ではイメージ曲を韓国のオリジナル曲に変えたのは有名な話。

初めに、イメージ曲を世界で親しまれている“洋楽”と説明したが、もし、これを韓国の曲にしていたらどうだろう。韓国の音楽が素晴らしいことは良く知っているが、所詮音楽は聴いた本人の感性が物を言う。初めて聴く音楽では、各人、各国のとらえ方が大きく違ってくる。

ドラマ作りに完璧を目指すユン監督は、これを嫌ったのではないだろうか。世界的に有名な曲を選ぶことで、視聴者に作り手がもとめる共通のイメージを植えつけたのだ。「勝手な想像をしないでよ~」ってな具合に。これは監督の読みがみごとに的中(春…をのぞいて)!これらのイメージ曲を聴くだけで万国に向けて、共通のプロモーションができるというわけだ。何せ“音楽は国境を越えた言葉”だから。

やりますね、ユン監督♪初めから韓国だけで治まる気はありませんでしたね。

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秋の童話:ソン・スンホン、ソン・ヘギョ、ウォンビン
冬のソナタ:ペ・ヨンジュン(ヨン様)、チェ・ジウ(ジウ姫)
夏の香り:ソン・スンホン、ソン・イェジン
春のワルツ:ソ・ドヨン、ハン・ヒョジュ
監督:ユン・ソクホ