『パッチギ!』 井筒和幸監督が60年代の京都を舞台に、日本と在日朝鮮の高校生たちを描く青春ドラマ。

エンタテインメント 邦画 青春
番組情報
流行歌というのは不思議な力をもっている、旋律や歌詞によって、一気に過去の記憶へと誘ってくれるのだ。
だから、映画のテーマに流行歌を使うことは諸刃の剣となる。うまくマッチすれば相乗効果が期待できるし、外すと歌に「力負け」してまう。井筒和幸監督の『のど自慢』はそのあたりの成否際々にあったが、この『パッチギ!』はかなり上手くいった作品だろう。もちろん、歌は「イムジン河」である。

舞台は1968年の京都。町では、府立高校の生徒と朝鮮高校の生徒とが連日のように衝突を繰り返していた。
府立高校の軟弱な生徒、松山康介が、朝鮮高校との親善サッカー試合の申し込みに行くよう命じられる。そのとき、音楽室で吹奏楽部の練習に出会い、フルート担当のキョンジャ(沢尻エリカ)に見とれてしまうのだった。このとき演奏していたのが「イムジン河」。
康介は、ギターを手にして、この歌を口ずさむようになるのだった……。

乱闘シーンがリアルであり、ツボでは見事に泣かせてくれる。そのすべてに「イムジン河」が絡んでくる。
それだけでなく、フォークルの「悲しくてやりきれない」があり、最後は「あの素晴らしい愛をもう一度」で括られる。あの時代を知る人にはこたえられないだろうし、若い世代にも妙な哀愁を感じさせるようである。
  • 監督: 井筒和幸
  • 塩谷瞬/高岡蒼佑/沢尻エリカ/楊原京子
  • 年月日 ~ 年月日

(c)2004「パッチギ!」製作委員会