愛と情熱のリーサルウェポン「覆雨翻雲」全40回
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秦夢瑶[シン・ムヨウ]が誘拐され、範良極[ハン・リョウキョク]らを驚かせる。[ホウ・ハン]が覆雨剣（ふくうけん）を手に入れるためであると思った彼は、直ちに慈航静齋（じこうせいさい）に向かう。案の定、覆雨剣は盗まれていた。範良極はすぐさま上京し、燕王[エンオウ]に対策を相談する。宰相府に誘拐された秦夢瑶は、風行烈[フウ・コウレツ]に、死んでも覆雨剣の秘伝は教えないと言いふらす。秦夢瑶に断られて、どうしようもなくなった風行烈は、覆雨剣の愛情物語にかこつけて秦夢瑶を惑わす。秦夢瑶は思惑にかかり、風行烈はついに剣の武術を解明する。里赤媚[リ・セキビ]は秦夢瑶を殺し、災いの元を断つよう提議するが、風行烈に阻止される。秦夢瑶が誘拐された事実を知った燕王は皆を集め、対策を相談する。結果、韓柏[カン・ハク]にこの任務を任せることになる。調査の末、韓柏は宰相府に誘拐されていることを突き止め、救出に成功、胡維庸[コ・イヨウ]の正体をばらす。正体がばれてしまった胡維庸は自殺に追い込まれる。胡維庸の自殺により、間接的に親密な関係にあった[インブン]に疑惑の目が向けられる。[インブン]は風行烈に朱元璋[シュ・ゲンショウ]の古希の祝典を狙い、朱元璋を暗殺するよう持ちかける。祭典当日、風行烈は祝典に現われるが、厳重な警護に拒まれ、立ち去るしかなかった。朱元璋は宴の後、[インブン]を庶民に降格させる。
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風行烈[フウ・コウレツ]が逃走した後、祝宴を続行した朱元璋[シュ・ゲンショウ]だったが、毒を盛られ、遺勅を残す間もなく命を落としてしまう。こうして[インブン]は正統な皇太孫として、誰はばかることなく次の皇帝として即位することができた。実は、すべてが風行烈の陰謀だった。そのため、[インブン]は即位したものの、風行烈に臣従するはめに陥ってしまう。[インブン]の即位に不満を持つ人々は相談の上、燕王は浪翻雲[ロウ・ホンウン]と秦夢瑤[シン・ムヨウ]とともに領地北京に帰り、南北呼応して兵を起す準備をすることにした。韓柏[カン・ハク]は朝臣たちと協力し、[インブン]に朱元璋の死の原因を徹底的に調査するよう迫り、承諾の返事を引き出すことに成功する。退出後、怒りのあまり韓柏を除こうとする[インブン]を止めたのは風行烈だった。彼は[インブン]に最大の敵は燕王だと示唆、王を宮中に留めて監視するよう命令する。[インブン]に命じられた楞[ロウ]統領は、領地に向かって出発しようとしていた燕王を宮中に連れ込むが、燕王は酔ったフリをして皇宮から抜け出した。皇宮を抜け出したものの、燕王の一行は途中魔師宮（ましきゅう）の一味に襲撃される。韓柏らの働きで燕王はその場を逃れたが、この時、風行烈が現れ、浪翻雲と激しい闘いになる。その時、里赤媚[リ・セキビ]が燕王に襲いかかり、燕王をかばった浪翻雲は致命的な一撃を受け・・・。
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浪翻雲[ロウ・ホンウン]が死に、韓柏[カン・ハク]は1日中翻雲刀を手に悲しみに暮れていた。突然、韓柏は刀の光が曇っているのを見て、皆と相談する。秦夢瑤[シン・ムヨウ]が「剣心通明」で調べると、翻雲刀の魂は主人の死と共に消えようとしていた。韓柏はショックを受け、翻雲刀の光を取り戻すと誓い、日夜練習に励む。韓柏は練習に明け暮れ、朝廷に顔を出さなくなった。[インブン]はそれを理由に、風行烈[フウ・コウレツ]を大都督に任命し、全ての兵馬の指揮権を与えようとした。風行烈は燕王の元へ行き、すぐに兵の指揮権を渡せと迫る。しかし燕王はこれを拒絶。燕王は風行烈の良心の無さを責め、朝廷に宣戦を布告する。風行烈は仕方なく城へ戻った［インブン］は即座に韓柏に命じ、軍を率いて燕王を撃てと命じるが、韓柏はこれを拒絶。風行烈が韓柏の軍隊を引き継ごうとした時、韓柏は部下の軍隊を率いて辞職した。そこへ、浪翻雲死去の知らせを受けた怒蛟幇の人たちが韓柏の元へ来て、全員で韓柏を新しい怒蛟幇の幇主に推す。秦夢瑤は最後まで風行烈を説得しようと努力し、彼と一生共に暮らすという条件まで出すしかし風行烈の心は動かせず、2人は別れる前の最後のデートに静かな1日を過ごす。2人が別れたあと、風行烈は漢人の代わりに蒙古人を軍に入れ、軽い訓練の後、燕王を撃つべく兵を出すと決めたのだった。
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風行烈[フウ・コウレツ]の指揮軍に攻撃された燕王[えんおう]は、直ちに守戦に立ち向かうが、両軍は数え切れぬ死傷者を出す。生き地獄を目の当りにした2人は、何とも言えない気持ちに。2人の様子を見た秦夢瑶[シン・ムヨウ]は両方に話し合いを勧め、和平共存を望んだ。しかし、燕王と風行烈は互いに引き下がらず、続けて交戦することを決める。風行烈は突然燕王軍を撃ち破り、大勝の凱旋を果たす。吉報を受けた[インブン]は大喜びし、風行烈を出迎える。しかし、風行烈は燕王がこつ然と城を捨て、主力部隊と行方不明になったことに疑問を抱く。だが[インブン]は逆に厄介には至らぬと見ていたため、風行烈は仕方なく警備を緩める。もともと、燕王は自分の領地を殺戮戦場にしたくなかったのである。大勝負にかけた燕王は部下と一緒にひそかに都に戻り、韓柏[カン・ハク]の将軍府で奇襲をかける計画を立てていた。決戦前夜、韓柏は自分の記憶と翻雲[ロウ・ホンウン]の修業を受けた時の教えを頼りに、ついに「情ある故に、刀を極められる」という翻雲刀（ほんうんとう）法の最高境地に目覚め、翻雲刀は再び光を放つことになる。燕王が軍を率い皇宮を攻めたため、再び戦場は殺戮の場と化す。見かねた秦夢瑶[シン・ムヨウ]は戦場の風行烈の元へ向かい、手を引くよう勧める。しかし、風行烈はもはや自分1人の力では事態を収拾できなくなったと述べる。そこで、秦夢瑶は武林のやり方で韓柏と対戦し、国の勝敗を決めることを思いつく。
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燕王[エンオウ]の皇宮攻撃に八大門派も加わった。しかし、蒙古軍の激しい抵抗にあい、戦況は膠着状態に陥る。軍人墓地での決闘を約束した風行烈[フウ・コウレツ]と韓柏[カン・ハク]。肉親同様の義兄弟が命をかけて闘う皮肉を人々は嘆いた。そして遂に、2人が同時に突き出した剣が、互いを刺し・・・[インブン]の軍は蒙古軍の支援を失い、葉素冬[ヨウ・ソトウ]に城門を開けられて敗北する。殿上で捕らわれた[インブン]助かりたい一心で、あの日、朱元璋[シュ・ゲンショウ]を毒殺したのが自分であったことを白状した。彼の告白を聞いた燕王は、朱元璋が子孫のための退路にと用意し、玉座の下にしまっておいた僧衣を取り出し、[インブン]に剃髪して僧になり過去を反省せよと命じる。こうして天下は定まった。燕王は即位すると仁政を行い、モンゴル人に心を配って漢蒙の共存国家を実現しようと努力する。こうした中、虚夜月[キョ・ヤゲツ]は3人の恋の行方をゆっくりと考えるため、また1年の猶予を申し出るのだった。天下が落ち着くのを目にして秦夢瑤[シン・ムヨウ]は心から安堵した。彼女は範良極[ハン・リョウキョク]に慈航浄斎（じこうじょうざい）の庵主の職を辞め、風行烈の行方は無理に追わず、自然に任せると告げる。何年かの後、秦夢瑤はモンゴルの草原で美しい場所を見つけ、風行烈との再会を果たすのだった。
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［ホウ・ハン]の「死亡」を祝い、燕王は群雄を招いて宴会を催した。この席でも雲清［ウンセイ]の範良極［ハン・リョウキョク]に対する態度は冷たい。思い余った範良極は韓柏［カン・ハク]にもう一度、英雄が美女を救う芝居を打つよう頼む。虚夜月［キョ・ヤゲツ]の提案によって被害者を探しに出かけた歓楽街で、3人は偶然［インブン]と出会う。韓柏の好色につけこみ、篭絡しようとした［インブン］だったが、怒った虚夜月は席を蹴って立ち去った。範良極に愛し合っていることを見抜かれ、韓柏と虚夜月の2人は眠れぬ夜を過していた。その夜、ついに我慢しきれなくなった韓柏が思いを打ち明けようと虚夜月の部屋を訪れたところ、運悪く虚若無［キョ・ジャクウ]に見つかってしまう。韓柏が娘によからぬ行為に及ぼうとしていると思い込んだ虚若無は韓柏たちを将軍府から追い出すことに。追い出された韓柏と範良極の2人はたまたま泊まった旅館で秦夢瑤［シン・ムヨウ]と出会い、彼女の内功の助けを得て赤尊信［セキソンシン]の好色を抑えることができたのだった。その間にも虚若無は次の手を打っていた。韓柏に屋敷を賜るよう皇帝に願う一方、燕王には虚夜月を連れて外に遊びに出るよう勧め、こうして韓柏と虚夜月の間を引き離そうとしたのだ。だがある夜、互いを思いながらさまよい出た2人は森の中で出会い、ついに恋人同士となる。［ホウ・ハン]の死を聞いた浪翻雲［ロウ・ホンウン]は、まだ傷の癒えぬ身を押して都に上ってきた。彼は［ホウ・ハン]の死を疑い、何か陰謀があるのではないかと語って、風行烈［フウ・コウレツ]をヒヤリとさせる。その［ホウ・ハン]は丞相の屋敷にかくまわれていた。風行烈から浪翻雲の話を聞いた［ホウ・ハン]は朱元璋［シュ・ゲンショウ]の猜疑心を利用して浪翻雲を除こうと思いつく。
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浪翻雲［ロウ・ホンウン]と［ホウ・ハン]の戦いは相打ちに終わった。漢族とモンゴル族を代表する2人はこの戦いを通して互いを認め合ったが、2人の立場の違いをどうすることもできず、右と左に分かれる。一方、皇宮に戻った朱元璋［シュ・ゲンショウ]は、言静［ゲンセイ]庵主に［ホウ・ハン]が傷を受けた今、八大門派を率いて魔師宮（ましきゅう）を殲滅（せんめつ）せよと命じる。庵主もやむなくこの命に応じるのだった。韓柏［カン・ハク]と市場に出かけた範良極［ハン・リョウキョク]はまたもやいかがわしい本を買う。そこへ秦夢瑤［シン・ムヨウ]と雲静［ウンセイ]がやって来た。秦夢瑤は範良極と雲静の仲を取り持とうと、一緒に食事をしようと持ちかける。昼食の席で範良極は一心に雲静の気を引こうと努力するが、もとより雲静は彼に良い感情を持っていない。そんな彼女の前で、範良極はうかつにもいかがわしい本を落としてしまい、怒った雲静はその場を立ち去ってしまった。範良極は雲静の心をつかもうと韓柏らに魔師宮の人間に扮装させ、彼女を救う英雄になろうとする。計画通り雲静を救った覆面の範良極は、なぜか自分の正体を隠したまま、謎の言葉を残して立ち去った。範良極は彼女がこのなぞの言葉を解き明かしてくれると思っていたが、雲静には何が何だかさっぱりわからないのだった。ついに言静庵主たちが魔師宮の門徒を取り囲んだ。混乱の中、韓柏の一撃にあって［ホウ・ハン］は谷底に落ち、冰雲［キン・ヒョウウン]も［ホウ・ハン］への愛に殉じた。この勝利の後、朱元璋は論功行賞を行い、韓柏を「伏魔大将軍」に任じる。だがこうした出来事のすべては、魔師宮の勢力を裏に隠し、その間に［ホウ・ハン］の傷を癒させようとする風行烈の策謀であった。
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風行烈[フウ・コウレツ]は楞嚴[リョウ・ゲン]を買収して、フビライの遺骨と蘇魯錠（そろじょう）を奪回しモンゴルの大砂漠に持ち帰る。すぐに任務を達成したこと及びモンゴル国家の再建を宣言し各族長を掌握する。その様子を見届けた[ホウ・ハン]は洞庭湖上で予定される浪翻雲との戦いにそなえて魔功の修練に専念する。朱元璋［シュ・ゲンショウ］に折檻を受けた韓柏［カン・ハク］は気性の激しい朱元璋を非難し、勅旨に逆らって参内を拒否する。しかし虚若無[キョ・ジャクウ]の説得で、韓柏はついに朱元璋と面会することを承知する。朱元璋は折檻したことを詫び、侍医による傷の治療も申し出たが、韓柏の功力が深く傷はすっかり完治していた。朱元璋は韓柏の武功が優れていることに驚嘆し、武林の事績にさらに興味を持つ。韓柏は世を渡り歩いて得た見聞のすべてを朱元璋に伝えた。浪翻雲[ロウ・ホンウン]と[ホウ・ハン]の一戦に朱元璋は大いに興味を持ち、韓柏を伴いひそかに洞庭湖へ観戦しに行くことにする。ついに対決の日を迎える。谷姿仙の協力の下、翻雲刀が情義の剣と悟った浪翻雲は[ホウ・ハン]の無情の剣と対等に渡り合える剣を手にする。怒蛟ほう（どこうほう）の門徒は決闘場を封鎖し部外者の進入を防ぐ。秦夢瑤[シン・ムヨウ]ら八派連合は秘密に入京し、決闘は複雑化する。
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韓柏[カン・ハク]はフビライの遺骨のことで、朱元璋[シュ・ゲンショウ]を非難する。しかし、朱元璋は一国の君主としてやむを得なかったと言いながら、遺骨の保管場所を漏らす。韓柏は朱元璋に黙って参拝しようとするが、突然大勢の衛兵に囲まれる。すべては朱元璋の罠だった。韓柏が行った訳を説明しても、朱元璋はこん棒打ち100回の罰を与える。風行烈[フウ・コウレツ]は、[ホウ・ハン]及び魔師宮（ましきゅう）の名で棺桶と貼り札を朱元璋に送り、フビライの遺骨を返すよう脅す。朱元璋は直ちに各大臣を出頭させる。蒙古人に対して高圧的な手段を執るよう各大臣が上申する中、唯一燕王が遺骨を帰還させることを提案したため、どうしたものか朱は決めかねていた。朱元璋は、秦夢瑶[シン・ムヨウ]を宮廷に呼び付け相談する。彼女はこの機会に懐柔政策をとるよう勧めるが、しかし、朱元璋は[ホウ・ハン]が別の陰謀を持っているのではと疑い、蒙古人の復活を阻止するためなら殺生戒も惜しまぬと明言する。しかも、万が一朱元璋が祭典会で遺骨と聖なる遺物を焼き払うことを決めた場合、八派に連絡して手伝うよう求める。魔師宮の精鋭隊は遺骨を奪い返すため、祭典会に現れた。朱元璋は彼らを1人残さず塔におびき寄せ、すでに仕掛けてあった爆薬で塔を爆破する。遺骨もガレキの中で焼き払われてしまったかのように見えた。しかし遺骨は、以前から[ホウ・ハン]に買収されている楞嚴[リョウ・ゲン]の手伝いで、楽々と風行烈の手に渡ったのであった。
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[革斤]冰雲[キン・ヒョウウン]はついに抑えていた気持ちに勝てず、風行烈[フウ・コウレツ]の献身的な気持ちを拒否する。[革斤]冰雲は風行烈に対して、[ホウ・ハン]の刺殺を狙っていた自分がついには彼を愛するようになった心の内を告白した。[革斤]冰雲の気持ちを聞いた風行烈は、[ホウ・ハン]を強く思う気持ちを知り自ら結婚を解消する。こうして2人は良き友となるのであった。[革斤]冰雲との関係を解消した風行烈は、虫の知らせで秦夢瑤[シン・ムヨウ]に危機が迫っていると感じ、彼女の救出に向かう。予想通り[ホウ・ハン]は秦夢瑤の殺害を企んでおり、危機一髪のところを風行烈に阻まれる。秦夢瑤は落ち着きを取り戻すも、なぜ命を狙われるのか分からずにいた。風行烈は[ホウ・ハン]と自分の関係に疑いを抱かせぬよう彼女にもっともな理由を説いて聞かせ、[ホウ・ハン]には今後秦夢瑤に危害を加えるなと警告する。だがいずれは民族か愛を選択せねばならぬと[ホウ・ハン]に指摘され、風行烈は言葉を失うのであった。韓柏[カン・ハク]は相変わらず皇帝朱元璋[シュ・ゲンショウ]のもとに通っていた。おりしも雑技団が都で興行するため、韓柏は朱元璋に見物を勧めた。だが演目を見物していた朱元璋は自分を侮辱する内容の童謡を耳にする。怒った朱元璋は皇宮に引き返すが、これはすべて風行烈の詭計であった。
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