【蒼穹の昴】北京に今も残るドラマ登場人物の邸宅を動画で紹介[コラム]

2010年12月19日02時39分ドラマ

ドラマの人間関係の模様もいよいよ面白くなってまいりました。思えば日本のテレビでこれぞ清朝!というのを見るのは(自分的には)映画「ラストエンペラー」以来ではないでしょうか。最近は物語と同時にセットや小道具にも目が行ってしまいます。目にも鮮やかな王朝文化が毎週見られるのですから、まさに眼福であります。

[蒼穹の昴ファンにお勧めしたい北京の穴場観光スポット]
このコラムを書き始めてから、北京に滞在していた時の事をよく思い出しています。15年ほど前に約1年北京に在住していたことがあったのですが、数多く魅力ある史跡が多い北京の中でも私がよく足を運んだ場所のひとつに「恭王府」があります。ドラマでは西太后の義弟である恭親王として登場している、あの人がまさにこの邸宅の主でした。恭親王の邸宅が恭王府として一般開放されており、その中にある劇場で京劇を見ることも出来ました。当時外国人観光客が京劇を見るとなると、前門にある外国人向けの劇場で見るのが一般的でした。演目も西遊記などわかりやすいものを中心に上演していましたが、それにいささか物足りなさを感じていた私が知ったのが恭王府での京劇でした。前門のホテル内の劇場と比べ、ここは建物からして当時そのままでした。上演前は早めに訪れて園内を散策し、舞台裏をちょっと覗くと役者たちが熱心にメイクをしている。鏡越しに目が合うと「日本人かい?」と気さくに声を掛け、ステージ前なのに気軽に写真に応じてくれるなど良い思い出がいっぱいの場所でした。清朝貴族の風情を味わうのにはまさに最適です。
そんな場所が今ではどうなっているのだろうと検索してみたところ、なんと恭王府を紹介した動画を発見しました!ナビコンといえば何といっても動画ですから、早速こちらで紹介しようと思い立ちました。

清の皇族の邸宅・恭王府

こちらは中国で作られた日本向けのサイトで、観光関連情報を中心に政治経済、エンタメなどの情報を発信しています。こちらで紹介されている観光関連の動画のなかに恭王府があったのですから、感激至極でありました。中国のサーバーですので若干動画が重いという難点がありますが、そこはご容赦を。
動画の冒頭10秒ほどで映る「恭王府」の看板は、ラストエンペラーの皇弟・溥傑によるものです。独特の書体なので一目でわかりますし、これを見て当時「溥傑先生の書だ~!」と感激したのも思い出しました。恭王府に程近い護国寺という街に溥傑先生は晩年お住まいで、この周辺には産院や食堂など、ごく普通の街並みの看板に溥傑先生の書を見る事が出来ます。更には京劇ファンにはお馴染みの梅蘭芳記念館も程近く、中国映画を代表する監督・陳凱歌もこの地で青春を過ごしています。北京観光の定番は故宮、天安門、万里の長城、瑠璃廠文化街などですが、更に余裕があったらこの恭王府とその周辺をお勧めします。
毎回書籍なども合わせて紹介していますが、この流れで何を紹介しよう…と考えて結局思いつくのは「地球の歩き方」でした。現在は北京・天津版として出ているので、より詳細に観光スポットが記されています。何といっても先輩旅行者のコメント集が秀逸。北京という街自体が明・清の王都ですから、その観光スポットには自然と清朝由来のものが多く含まれます。北京への旅行を考えるのでしたら、これに現地で「北京生活地図冊」(中国地図出版社)を購入するとより便利かと思います。北京の街の建物の所在がかなり詳細に記されており、現地に在住の人にも評判の高い地図です。観光スポットだけが見どころではない北京の街だからこその大活躍の一冊です。

※お詫びと訂正のお知らせ※
6回目を迎えそろそろ折り返し地点となりましたNHKドラマ「蒼穹の昴」のコラムですが、この程読者の方からご指摘を受けました。コラム第3回において「原作の春児は代々浄心の施術をする専門家に依頼して宦官となります」と書いてしまいましたがこれは誤りでして、原作でも春児は自ら浄心しております。この点のご指摘を受けてこの一文を削除させていただきました。こうして声を上げてくださる方がいらっしゃったから幸いだったものの、他にもおかしいとお思いの方もいらっしゃったと思います。誠に申し訳ありませんでした。
どうしてこのような事態になったかというと、ひとえに私の思い込みという点にあります。原作については刊行当時に一読して涙を流すほど感動し、それからもう一、二度読み返した後は10年以上の月日が経っておりました。今回ドラマ化されるに当たって大喜びした私ですが、あらすじ詳細は忘却の彼方に埋れておりまして、それを幸いとまっさらな気持ちでドラマを見ようと思ったのです。ドラマを見ながら何度も書棚の原作に手が伸びようとするのをぐっと堪えておりましたが、それが災いしたようです。おそらく、私の中で春児が宦官施術の専門家を訪問する場面がかなり強烈に残っていたせいでこんな勘違いをしてしまったと思われます。今後は不用意に原作の話を出さないように注意します。とりあえずはこのまま原作を読み直さずにドラマ視聴に専念します。今後は更に細心の注意を払って執筆しますので、今しばらくのお付き合いをよろしくお願いいたします。これからも気軽にご感想・ご意見をいただけますと幸いです。



ドラマ「蒼穹の昴」は毎週日曜日よる11時から放送です。予告および関連動画は、ドラマ公式サイトにて視聴出来ます。

NHKドラマ 蒼穹の昴

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