JAXA、「こうのとり」1号機のミッションを振り返り、2号機の役割やミッションを紹介するビデオを公開

2011年01月13日21時30分暮らしと文化
HTV技術実証機/H-IIBロケット試験機打上げ
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第120号」を公開、「こうのとり」1号機(HTV技術実証機)のミッションを振り返り、打上げが迫る宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)の役割やミッションについて紹介する。
国際宇宙ステーション計画(ISS)は、15か国が協力する国際プロジェクトで、日本も日本初の有人実験施設となる「きぼう」日本実験棟で参加している。
ISSでは、2009年から6人の宇宙飛行士による常時滞在が始まっているが、長期滞在となるため、宇宙飛行士の食糧や衣類、各種実験装置などを補給しなければならない。
これまでは、アメリカのスペースシャトルとロシアのソユーズやプログレス補給船が輸送を受け持っていたが、ESA(ヨーロッパ)がATVを打ち上げ、日本もこうのとりでISSへの補給を担う。
こうのとりは、H-IIBロケットにより打ち上げられる無人の軌道間輸送機で、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を地上約400km上空の軌道上にあるISSに送り届け、補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やす。
こうのとりは、直径約4m、全長10m弱で、機体は大別して3つの部分から成り立っている。
最後部には、軌道変換用のメインエンジン、姿勢制御用のRCSスラスタと、それらに推進薬を供給する燃料/酸化剤タンク、高圧気蓄器等が搭載される「推進モジュール」がある。
中部には、誘導制御系・電力供給系・通信データ処理系の各電子機器が搭載される「電気モジュール」、先頭には、補給物資を格納する「補給キャリア」がある。
2009年9月11日には、HTV技術実証機を打ち上げ 、軌道上技術実証、ISSへの結合、物資補給など、計画どおりにすべてのミッションを完遂した。
HTV2ミッションでは、H-IIBロケット2号機の打上げ、HTVによるISSへの補給物資の輸送を実施。ISSで不要となった物資を搭載し、HTV2の機体とともに廃棄する。
HTV2ミッションでは、勾配炉ラックと多目的実験ラック(Multi-purpose Small Payload Rack: MSPR)が補給キャリア与圧部に搭載される。
JAXAの実験ラックがこうのとりでISSに運ばれるのは今回が初めてのことになり、飲料水コンテナも今回初めて搭載される。
ビデオでは、こうした情報に加え、関係者のコメントを聞くことができる。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第120号」