【訃報】「家族ゲーム」「失楽園」「武士の家計簿」の森田芳光監督が逝く…遺作となった「僕達特急 A列車で行こう」「未来の想い出」他動画で偲ぶ

2011年12月22日00時54分映画
(C)光和インターナショナル/藤子・F・不二雄プロ

「家族ゲーム」「失楽園」「模倣犯」「武士の家計簿」など数々のヒット作を世に送り出した映画監督の森田芳光氏が20日夜、急逝肝不全で死去した。61歳。今月13日から都内の病院に入院していた。アイドル主演映画の娯楽色の強いものから文芸作品の実写化やヒューマンドラマまで幅広い作品を手掛けた森田監督の突然の訃報に芸能界やファンなどをはじめ大きな衝撃が走った。

GyaO!では、12月31日まで、一度死んで過去に戻ったふたりの女性が、未来の記憶を使って生き直すという優しいファンタジー「未来の想い出 ―ラストクリスマス―」が無料配信されている。これは、藤子・F・不二雄の原作を、森田芳光監督がが映画化したもので、工藤静香と清水美砂が主演を務めた。テーマ曲であるワム!の「Last Christmas」や、シンディ・ローパー、大沢誉志幸など、80年代を象徴するBGMも懐かしい作品だ。他にもGyaO!ストアでは伊東美咲主演「海猫」や「阿修羅のごとく」「それから」作品が視聴できる。

幅広い層に支持される森田監督をその他の作品でも偲びたい。
松山ケンイチ・瑛太の主演で2012年公開予定であった最新作「僕達特急A列車で行こう」が遺作となってしまった。鉄道好きの男2人の友情と不器用な恋を描いた作品は、人気俳優のW主演とあって公開前から大きな注目を集めていた。更に今年の映画賞レースでは堺雅人が2010年の作品「武士の家計簿」で主演男優賞を受賞するなどで再び脚光を浴びている最中のことだった。森田氏の出世作となったのは1983年の松田優作主演「家族ゲーム」だ。家族全員が横一列に並んでとる食事風景のシーンなどが特に有名で、日常に潜む闇を見事に描いたブラックコメディーとして大ヒットとなった。以降も沢田研二主演「ときめきに死す」(1984)、「薬師丸ひろ子主演「メイン・テーマ」(1984)、とんねるず主演「そろばんずく」(1986)などとタレント主演の娯楽作を手掛ける一方で夏目漱石原作の「それから」を松田優作主演で映画化するなど幅広い活躍で一時代を築いた。
そして数年のブランクを経て90年代後半からも渡辺淳一原作の「失楽園」(1997)、宮部みゆき原作「模倣犯」(2002)、黒沢映画のリメイク「椿三十郎「(2007)といった話題作を次々と手掛けた。折りしも堺雅人が「第36回放置映画賞」で上述の「武士の家計簿」などの作品で主演男優賞を受賞しており、授賞式では堺が目頭を熱くして追悼コメントを寄せていた。

最新作「僕達特急 A列車で行こう」には、子どもの頃から鉄道が好きだったという監督のコメントが寄せられている。今の時代を「趣味の世代」と評して、森田監督が得意とするカラッとしたコメディを織り交ぜた鉄道映画は、ポップでハートフルなものに仕上がっている。公開日は未定だが、今回の訃報で早く劇場公開をと望む声も大きく上がっている。映画公式サイトトップページではトレーラー動画も視聴出来る。
また、GyaO!では、藤子・F・不二雄の原作を映画化した「未来の想い出 ―ラストクリスマス―」が無料配信されており、あまりにも多くの作品を送り出した監督の訃報だけに、人々が思い出す作品もまた幾時代にもわたってそれぞれのようである。
森田芳光さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

僕達特急 A列車で行こう
未来の想い出 ―ラストクリスマス―
森田芳光作品-GyaO! GyaO!ストア

森田芳光監督の作品紹介