「名家の娘ソヒ」各話の背景となった日韓近代史の出来事を解説-ドラマ予告動画公開中
ドラマ第1話のオープニングは、1945年(昭和20年)8月15日正午、玉音放送(天皇の肉声)から始まる…「名家の娘ソヒ(原題:土地)」は、チェ・ソヒという一人の女性が、波乱万丈の人生を描いた物語で、時代背景は1894年~1945年までの約50年間を描く。YouTubeのSpoCinemartAsiaチャンネルでドラマの予告動画が視聴できる。
ソヒは親戚に土地を奪われその土地を取り返すために波乱の人生を送るが、その時代背景となるのが、東学農民運動から終戦まで。オープニングに向かって物語は始まる。1945年、第1話のソヒは、果たして奪われた土地を取り戻しているのだろうか?
韓国ドラマは一過性のブームとしてではなく、一つのドラマジャンルとして日本にもしっかり根付いており、なかでも歴史ドラマの人気が高い。「名家の娘ソヒ」は、これまで日本であまり見られなかった韓国の近代史を描いている。近代史といえば、日清、日露、世界大戦などを通して、日本による朝鮮の支配がされている時期になるが、劇中、戦争の場面が登場したり、日韓併合条約調印式の場面が描かれるわけではない。あくまでもドラマのメインは、原題のタイトルでもある“土地を取り戻すこと”で、その背景に近代史を間借りしているのだ。ということで、ドラマは日韓の近代史を知らなくても楽しめるが、全52話がそれぞれどんな出来事を背景にして描かれたのかを知ると、ドラマは2倍楽しめる。
各話のあらすじは【「名家の娘ソヒ」を2倍楽しむ】の(2)でしているので、参考にどうぞ。
※以下の情報は、DVD-BOXに封入されているブックレットの内容を一部参考にしている。ブックレットには、詳しい日韓近代史年表をはじめ、相関図や当時の衣装や豆知識など、ドラマ視聴に役立つ情報がぎっしり書かれている。
第1話-ソヒ5歳:1894年、東学農民運動(甲午農民運動)
19世紀に入った朝鮮は暴政が続き、これに乗じて外国勢力が侵攻し社会は不安に包まれ、各地で民乱がおきる。特に半島南部では、私腹を肥やす役人も増え人々の生活は悲惨を極めた。そんな時、登場したのが“東学”。教祖は崔済愚(チェ・ジェウ)で、「暴政や日本や西洋の外国勢力の侵攻から人々の暮らしを守るという世直し信仰。1894年、東学党の指導者・全奉準(チョン・ボンジュン)が、全羅南道で約1000名の農民を引き連れ武装蜂起。これを鎮圧するため閔氏政権が清国に援軍を要請し、日本も清国をけん制するため朝鮮へ出兵。これがきっかけとなり日清戦争が起きる。
第3話-ソヒ6歳:1895年、乙未事件(日本軍守備隊、明成皇后・閔妃殺害)
東学農民運動は鎮圧されるが、日清戦争に勝利した日本軍の朝鮮侵略が始まり、朝鮮の開化派の親日姿勢が強まる。これに反発する勢力がロシアに近づく。明成皇后・閔妃派もロシアに近づき反日姿勢をとったため、明成皇后・閔妃を虐殺。これが乙未事件で、これにより反日感情がますます高まる。
第4話-ソヒ8歳:1897年、国名を大韓帝国とする(以下、韓国と表記)
この前年、明成皇后・閔妃暗殺事件で不安を感じた第26代王・高宗を、ロシア公使館に避難させ、日清戦争で負けた清国がロシアに朝鮮での権利を譲ったことで親露政権が誕生。翌年、高宗はロシア公使館を出て国名を大韓帝国とする。
第19話-ソヒ18歳:1907年、高宗退位
韓国統監府が設置され日本による韓国支配が強まる。初代日本統監は伊藤博文。高宗は、オランダバンクーバーで開催される「万国平和会議」に密使を送り、韓国の主権を主張するが失敗。日本は、反日意識の高い高宗を退け、皇太子の純宗を即位させる。
第26話-ソヒ21歳:1910年、日韓併合条約調印
親日派の李完用が総理に就任。朝鮮総督府設置、寺内正毅が総督に就任。この二人によって日韓併合条約が調印され、519年続いた朝鮮王朝は幕を閉じる。日本の支配が強まる中、韓国政府は抵抗できず、農民たちによる義兵活動が起こる。義兵団は太白山や智異山などに潜伏し、各地でゲリラ戦を展開。また、土地調査事業が始まる。所有者を確定し、税の徴収制度を整備。
第36話-ソヒ31歳:1920年、朝鮮総督府の文化政治
前年に起きた3.1独立運動などで、武力で持って制する「武断政治」では韓国を支配できないと判断した日本は、韓国人の官吏登用や言論・出版の自由や、集会の自由を部分的に許し、民族の文化や慣習を尊重する「文化政治」路線に変更。朝鮮日報や東亜日報といった韓国語新聞の発行も可能となる。
第41話-ソヒ34歳:1923年、関東大震災
190万人が被災、10万5千人余が死亡あるいは行方不明になったとされる大震災。未曽有の惨劇に流言飛語が飛び交う中、韓国人が「井戸に毒を入れた」「放火して回った」などのデマが広まり、ドラマのように「十五円五十銭」などを言わせ、訛りがあると不逞鮮人として暴行、殺害されたりもした。
第43話-ソヒ40歳:1929年、光州学生抗日運動
朝鮮王朝最後の皇帝だった純宗が1926年に死去し、再び独立運動の機運が高まる。1929年全羅南道光州の学生が主導する反日デモが全国に拡散する。
第51話-ソヒ54歳:1943年、総督府、徴兵制公布
兵力を確保するために学徒出陣が行われると、韓国人の学生たちも軍入隊が強制され、これまで韓国人は志願制だったのが徴兵制度に切り変わる。
第52話-ソヒ55歳、第1話に戻る:1945年、朝鮮解放
広島、長崎に原爆投下、日本ポツダム宣言受諾、終戦の詔勅放送。
「名家の娘ソヒ」は、26日より月~金の毎日12時からBS日テレで放送。ナビコンでは、この放送にあわせてドラマ全話のあらすじや見どころ、キャストの魅力を紹介していくのでお楽しみに。
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⇒ 【「名家の娘ソヒ」を2倍楽しむ】
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BS日テレ「名家の娘ソヒ」番組サイト
エスピーオー「名家の娘ソヒ(原題:土地)」予告篇
■作品紹介
・制作:SBS、2004-2005
・話数:全52話
・監督:イ・ジョンハン
・出演:キム・ヒョンジュ, ユ・ジュンサン, キム・ミスク, シン・セギョン
■DVD紹介
・DVD-BOX1~5(各5枚組)
・各15,960円
・封入特典:ブックレット
・発売・販売元:エスピーオー