JAXA、星出彰彦宇宙飛行士のISS船外活動などをダイジェストビデオで紹介

2012年09月06日16時40分暮らしと文化
船外活動を行う星出宇宙飛行士((C)JAXA/NASA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第174号」を公開、星出彰彦宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)で行った船外活動や、今後予定されている小型衛星放出ミッションなどについてダイジェストビデオで紹介する。

星出宇宙飛行士は、日本時間9月6日午前2時34分、サニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士とともに6時間28分に及ぶ船外活動(US EVA19)を行った。
両宇宙飛行士は、S0(エスゼロ)トラス上で電力切替装置#1(Main Bus Switching Unit #1: MBSU#1)のボルトとボルトを受ける支柱の目視点検を行った後、船外活動用工具を使って付着していた微細な金属粉の清掃とグリースによる潤滑を行った。
その後、MBSU#1を取り付け位置に戻し、2か所のボルトの締結を実施。ボルトは、正常に締結され、MBSU#1の起動が確認されたため、取り付け作業は完了した。
その完了後、8月30日のUS EVA18で時間がなかったため見送られていたISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)のカメラ・照明装置(Camera Light Pan/Tilt Assembly: CLPA)の交換作業が行われた。
星出宇宙飛行士は、MBSU#1の取り付け作業中に乗っていたSSRMSから降り、CLPAの交換作業を行う場所に移動。ISS船内からSSRMSを操作するジョセフ・アカバ宇宙飛行士が作業に適した位置にSSRMSを動かすのを待って、ウィリアムズ宇宙飛行士とともに故障したCLPAの交換作業を実施した。
同作業完了後、星出、ウィリアムズ両宇宙飛行士は、足場として使用していた関節付きポータブル・フット・レストレイント(Articulating Portable Foot Restraint: APFR)の回収や船外活動用工具の片付けなどを行い、ISS船内に戻って船外活動を終了した。

小型衛星放出ミッションは、ISSの各モジュールの中で唯一、エアロックとロボットアームを合わせ持つきぼう日本実験棟の機能を活用し、きぼうから小型衛星を放出するミッション。
小型衛星放出の技術実証とミッションの運用手順の確立を目的とした小型衛星放出技術実証ミッションは、9月10日午後10時頃から開始される予定だったが、ISS運用における船外活動の追加により計画が見直しとなり、新たな実施日程については現在調整中となっている。

「こうのとり」3号機(HTV3)に搭載される再突入データ収集装置「i-Ball」は、HTVが破壊されて放り出された後、降下しながらHTVが破壊される様子を撮影するためのカプセル後方カメラ。
i-Ballには2台のカメラが搭載されており、ハッチが高温で破壊される様子の撮影と、降下しながらHTVが破壊される様子の撮影に世界で初めて挑む。i-Ballを起動するためのスイッチ操作は、星出宇宙飛行士が行う予定だ。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第174号」