戦争の終わりは悲劇の始まりだった…松山ケンイチ主演25日TBS終戦69年ドラマ「遠い約束」あらすじと予告動画
1945年8月15日、満州に取り残された人たちや子供たちの壮絶な運命…満州難民収容所の孤児たちの切ない命…原作者・増田昭一氏の実体験に基づいて描かれた終戦後の満州を舞台にした物語。主演は松山ケンイチ、二階堂ふみ、加藤清史郎ほか…TBS25日(月)夜9時より「遠い約束」を放送、予告動画は番組公式サイトで公開。
今年で終戦69年目、今夏も太平洋戦争を舞台にしたドラマや映画がテレビで数多く放映された。それらは戦争真っ只中の日本、または戦争末期の日本を扱ったものだが、本作「遠い約束 星になったこどもたち」は終戦後、中国・満州で過酷な運命を背負わざるを得なかった子どもたちの物語だ。
「中国残留孤児」という言葉を最近あまり聞かなくなった。戦後の混乱で両親を失った孤児、親兄弟と離ればなれになった子どもたちが、中国人に引き取られ育ててもらった。その後、日本にいる家族や親類を探すという事業が盛んに行われていた時期があった。現在は日本に戻ってきた残留孤児の2世、3世の世代になっている。
そうやって、現地の中国人に引き取られた子どもたちは、まだ幸せだったのかもしれない。難民収容所で過酷な生活を強いられ、飢えや病気でおびただしい数の子どもたちの命が失われていった。日本に帰る、という夢が叶うことなく散っていった儚い命…。
主演は松山ケンイチ、二階堂ふみ。かつて「こども店長」で一世を風靡した加藤清史郎がたくましく成長し、本作に出演。その他伊藤かずえ、柄本時生、深田恭子、前田吟、笹野高史、宝田明、椎名桔平と、豪華キャストが脇を固める。
原作は戦争の犠牲となった子どもたちを綴った、増田昭一氏の絵本。『満州の星くずと散った子供たちの遺書』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』(ともに夢工房刊⇒amazonでチェック)。増田氏は中学を卒業後、両親とともに満州へ移住。そこで衛生兵として従軍したが戦後、母とともに難民収容所で暮らしていた。帰国後は教員となり、昭和60年、定年退職後に自らの経験を後世に残すため、また彼の地で命を落とした大勢の日本人のため絵本を出版。現在も、増田氏の故郷神奈川県小田原市を中心に、子どもたちへの絵本の読み聞かせなど、戦争体験を語り継ぐ活動をされている。
■あらすじ
1945年8月9日。広島につづき長崎にも原子爆弾が落とされたその日、ソ連軍が国境を越え、満州侵攻を開始。日本から移住した開拓民たちは非難を余儀なくされた。
戸田英一(松山ケンイチ)ら日本兵はソ連軍と戦う一方、三江省にある静岡村開拓団で教師をしていた水野有希子(二階堂ふみ)は母(伊藤かずえ)、弟・勝(二宮輝生)、妹・かよ(矢崎由紗)と駅へと急いでいた。すると駅には有希子の生徒・三郎(加藤清史郎)がいたが、三郎の母はすでに亡くなっていた。1人ぼっちになった三郎は、有希子らとともに逃げることになった…。
ところが列車は駅に到着したものの、乗客を乗せることなくそのまま通過。置き去りにされた有希子たちは、満州首都・新京までの600キロを歩いて行くことになった。その道のりは大変険しく、匪賊(ひぞく)と呼ばれる現地人の盗賊に襲われたり、飢えや病気で多くの人が命を落としていった。
8月15日日本では天皇陛下の玉音放送とともに終戦を迎えた。しかし満州では依然、闘いが繰り広げられていた。なんとか生き延びた英一はやっとの思いで関東軍司令部まで辿り着いたのだが、そこはすでに蛻けの殻…。そこで英一は日本が戦争に負けたことを知った。
新京にある日本人居住地区に身を寄せ合っていた有希子や子どもたちとともに、英一は「日本へ帰ろう」と決意するのだが、そこに待ち受けていたのは過酷極まりない悲惨な運命だった…。
TBS“終戦69年”ドラマ特別企画「遠い約束 星になったこどもたち」は、8月25日夜9時放送。出演は松山ケンイチ、二階堂ふみ、加藤清史郎、山田望叶、伊藤かずえ、柄本時生、前田吟、笹野高史。特別出演、深田恭子、宝田明、椎名桔平。予告動画は番組公式サイトで視聴できる。
◇TBS“終戦69年”ドラマ特別企画「遠い約束 星になったこどもたち」番組公式サイト