市川崑×石坂浩二「金田一耕助」シリーズ第1弾!30日BS-TBS『犬神家の一族』あらすじと予告動画

2014年12月29日21時00分映画

日本の製薬王・犬神佐兵衛(三國連太郎)が残した莫大な遺産をめぐって次々と殺人事件が起こる!名探偵・金田一耕助(石坂浩二)が謎と一族の血の系譜を解き明かす!巨匠・市川崑監督×石坂浩二主演『犬神家の一族』は30日(火)夜9時よりBS-TBSにて放送、映画予告はYouTubeにて配信されている。

若い世代には「金田一」といえば「金田一少年の事件簿」を思い出されるだろうが、主人公・金田一一の名台詞「ジッチャンの名にかけて!」の「ジッチャン」がこの物語『犬神家の一族』の主人公・金田一耕助(石坂浩二)である。
原作は横溝正史著の同名小説。これ以降、石坂浩二は金田一耕助を5作品演じている(『悪魔の手鞠唄』『獄門島』『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』)。そして2006年には市川崑監督自身によるリメイク『犬神家の一族』で石坂浩二は再び金田一耕助を演じている。

1970、80年代、ブームとなった角川映画(配給は東宝)の第1弾が市川崑監督×石坂浩二主演『犬神家の一族』(1976)。当時、角川書店社長だった角川春樹は、自社の書籍の本売り上げ向上のため、映画化するプロジェクトを発足した。その第1弾が『犬神家の一族』。それまで、忘れ去られていた存在だった横溝正史をフューチャーし横溝作品の版権を大量に取得。一気に文庫化して横溝正史ブームを仕掛けた。それと同時に、当時の世相がミステリーやオカルトブームだったこともあり、おどろおどろしい横溝ミステリーの作風と時代がマッチし、映画化された作品は大ヒットをした。映画化された横溝作品は『犬神家』のほかに『悪魔が来たり手笛を吹く』(1979)、『金田一耕助の冒険』(1979)。ちなみに『八つ墓村』(1971)は角川映画ではなく松竹である。
(これら角川映画については中川右介著『角川映画1976-1986』〈角川マガジンズ〉に詳しく書かれている。興味がある方はぜひ!)

『犬神家の一族』といえば、「佐清のマスク」や「水面から突き出た両足」のシーンなどが有名。小さなお子さんが見たら絶対夜中1人でトイレに行かれなくなること間違いない!ほど、不気味な映画である。派手なCGが使われているわけでもないしモンスターが登場するわけでもない。しかし『犬神家の一族』全体的に暗いトーンの映像、登場人物全てが怪しく(全員顔色悪し)、健康的ではつらつとした美女も出て来ない。人間の「欲」や「悪意」がリアルに描かれており、それが一層おぞましさを増している。当時の劇場用ポスターだけで十分に恐ろしい。子どもの頃見て恐ろしかったが、オトナになった今見ても、この映画は本当に恐ろしい…。
ぴあ映画生活『犬神家の一族』劇場用ポスター

■あらすじ
日本の製薬王といわれた犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛(三國連太郎)は不可解な遺言状を残して他界した。犬神家の顧問弁護士・古舘恭三(小沢栄太郎)の助手、若林(西尾啓)は莫大な遺産相続で一族が争いを起こすことを予期し、金田一耕助(石坂浩二)に助力を求めるために手紙を送った。そして金田一が舞台となる那須に到着したが、若林は何者かによって殺害されてしまった。これが恐怖の連続殺人事件の始まりとなった…。
佐兵衛には松子(高峰三枝子)、竹子(三条美紀)、梅子(草笛光子)の3人娘がおり、松子には佐清(あおい輝彦)、竹子には佐武(地井武男)と小夜子(川口晶)、梅子には佐智(川口恒)という子どもがいた。佐兵衛の遺言状は、佐清の復員を待って公開されることになったのだが、戻ってきた佐清は戦争で顔を負傷し、仮面を被って一族の前に現れた…。

【犬神家の一族】(1976)
監督:市川崑
脚本:長田紀生、日高真也、市川崑
原作:横溝正史『犬神家の一族』(角川文庫)
製作総指揮:角川春樹
出演:石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、草笛光子、三國連太郎ほか。
映画『犬神家の一族』DVD&Blu-rayは絶賛発売中。

BS-TBS 12月30日(火)夜9時より放送『犬神家の一族』。監督は市川崑、出演は石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、三國連太郎ほか。予告動画はYouTubeにて配信されている。

12月30日BS-TBSにて放送『犬神家の一族』番組公式サイト
映画『犬神家の一族』予告動画(YouTube)