連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」制作発表会見を配信-NHK

2009年05月03日17時29分ドラマ
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NHKオンライン「コレ見て!MOVIE」は、平成22年度前期(来春)より放送予定の連続テレビ小説第82作「ゲゲゲの女房」制作発表会見の模様を映像配信中だ。

本作「ゲゲゲの女房」が描く主人公は、「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家・水木しげるさんの妻・武良布枝(むらぬのえ)さん。好きなことに命懸けで打ち込む夫を支え、おおらかに、そして朗らかに生きていくヒロインの姿を通して、古き良き男女の絆、昭和の青春物語を描く。原案は武良布枝著の自伝「ゲゲゲの女房」。

現代は「目的」ばかりが語られる時代だ。人生の目的、仕事の目的。それらを達成するための合理的な手段を提示できる人間は時代の寵児となる。彼らは力強くメッセージする。いま、なにをする“べき”なのか、と。たしかに資本主義の世界は、根本的に競争社会であり、常に具体的な目標を持っていなければ、サバイバルできまい。しかし、「成功」のイメージを追い求めるばかりに、いつしか平然と他人を押しのけるようになり、本来の人間性を見失う危険性もあるのだと指摘する人間は少ない。

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒロインは、目標に血眼になっているわけではない。楽天的で働き者のヒロインは、まだ無名の漫画家と出会い、そして家庭を築く。彼女は彼を支えていくことを選ぶが、支えることの対価に何かを要求することはない。また、とても苦しい生活の中でも夫へ発破をかけることもしない。彼女はただ静かに自分の人生の意義を、夫を愛する意義と信じる意義を、そして希望を持つ意義を見いだしている。だから、彼女の人生は貧乏期でも豊かだ。底なしの貧乏暮らしを豊かな精神で乗り切り、やがて夫とともに夢を掴んでいく彼女の姿に、戦後史、つまり焼け野原の日本が希望を獲得していった変遷が映り込む。

本作の脚本を手掛けるのは山本むつみさん。金曜時代劇「御宿かわせみ」「慶次郎縁側日記」などの作品で知られる脚本家だ。今回の制作発表会見で山本さんは、本作を手掛けるにあたり水木ご夫妻に取材し、その際、お二人から奥深い情愛を感じたことなど、取材時のエピソードを語った。コメント詳細は、下記リンクよりNHKオンライン「コレ見て!MOVIE」にて。

来春より放送スタートとなる連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。人生において「目的」以外の大切なものを教えてくれる作品となりそうだ。

NHKオンライン「コレ見て!MOVIE」 「ゲゲゲの女房」制作発表会見