「馬医」第18代王・顕宗(ヒョンジョン)紹介!礼訟論争の渦中に同姓婚も禁止?予告動画

2016年09月20日19時00分ドラマ
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イ・ビョンフン監督の「馬医」は朝鮮王朝第16代王・仁祖~19代・粛宗までをドラマの舞台としているが、劇中、ハン・サンジンが扮した第18代王・顕宗(ヒョンジョン)は、人情味のある王として描かれているが、今回は当時の時代背景と共に歴史に残る顕宗をご紹介!YouTubeで予告動画公開。

■「馬医」波乱の幕開けはどんな時代?
「馬医」の舞台は17世紀の朝鮮王朝中期で、政争と戦乱に明け暮れた時代。朝廷は主導権を握るために派閥の対立が日常化。その隙を突いた日本や清からの侵攻を受けて国土は荒廃。民たちは疲弊していた。詳しいドラマの背景は、【「馬医」を2倍楽しむ】第1話詳細あらすじや、「(2)時代背景・キャスト・監督紹介/インタビュー」、【韓流コーナー:豆知識】で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご一読いただきたい。

■顕宗(ヒョンジョン)紹介(1641年~1674年)
顕宗は、先代王・孝宗と仁宣王后・張氏との間に生まれた長男で名前は棩(ヨン)。父である鳳林大君(後の孝宗)が兄・昭顕世子と共に人質として清に滞在していた1641年に瀋陽で生まれた。6人の妹がおり、「馬医」に登場するスッキ王女は、4女・淑徽公主のこと。1645年に王世孫、1651年に世子に冊封され、孝宗の死去の後第18代王に即位。

顕宗時代(在位1659-1674年)の15年間は外からの侵略が一切なく、先代の孝宗のおかげで内政的には社会の安定を取り戻し、比較的平和な時代。ただし、先代王の孝宗の喪中に、服喪期間のことで西人と南人が“礼訟(イェソン)”を巡って熾烈な論争が起き、これがのちの取り返しのつかない政争へと拡大してしまう。

軍事面では、先代王の孝宗の推し進めた北伐計画に実効性がないとみてこれを中断。国内の経済安定を図るために光海君が京畿道に実施した大同法を湖南地方(今の全羅道)まで拡大施行。ちなみに、この法を全国まで拡大したのは粛宗。(「大同法」については朝鮮王朝豆知識の「◆大同法」参照)

文化面では金属活字を鋳造し印刷事業を育成。そして天文観測法と暦法研究のために第4代王・世宗時代につくられた天体観測機器・渾天儀(ホンチョニ)を再び制作させた。渾天儀についてはドラマ世宗時代に生きた科学者を主人公にした「チャン・ヨンシル」で詳しく描かれている。

また、礼論政争が活発化する中、社会的な礼節も強調されるようになりこれまで王族や両班の間で定められていた“同姓婚禁止”を庶民にまで広げた。これは“同本同姓婚禁止”として1999年まで続いた。(本貫=始祖の出身地が違う姓の場合は結婚できた)。
また、私的な情の介入を防ぐために親族同士で同じ部署で働くことなどを禁じる“相避法”などを制定した。

比較的平和なこの時代はドラマの背景にされることも少ないようで、当時を背景にした作品は少ない。ドラマの年表:朝鮮王朝参照。

■礼論政争って?
これは孝宗の喪中に起きた服喪期間に関する大論争のこと。
 ・一年喪:西人派は次男だから服喪期間1年を主張
 ・三年喪:南人派は王位を継いだから3年を主張

そもそも、仁祖が昭顕世子亡き後、世子の息子を世子に指名すればこうした問題がなかったが、仁祖は世子の弟の鳳林大君を世子に指名した。これにより、「馬医」第1話や同じ時代を描いた「華政」58話で描かれたように昭顕世子暗殺疑惑が深まった。おまけに、この論争が起きた時、昭顕世子の三男が配流地で生存していたことも事態をややこしくした。もし、“一年喪”の西人の主張を認めると孝宗の正当性が薄れ王権が弱まり、昭顕世子の三男を正当な後継者という声も起きかねない。そこで南人は“三年喪”でなければならないと反論した。

ひとつの“礼法”に関する考え方の違いから、両派の対立は激しくなった。結局、西人の“一年喪”が採択されたが、南人派が猛烈に反発。この問題は地方にまで波及し、国中が大騒ぎになった。顕宗は、この問題を取り上げたものは厳罰に処すと布告を下した。しかし、この礼論論争は、その後も西人と南人との間にぬぐえない確執を残してしまった。
【韓流コーナー:年表・系図】の「朝鮮王朝時代の党派の年表」に詳し解説と党派の年表がある。

※ここで紹介した史実については『朝鮮王朝実録』『韓国の歴史』の書籍を参考にしました。(タイトルクリックでamazonの商品ページに遷移します)

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