「イニョプの道」感動の最終回おさらいと豆知識:カヒアって実在の人物?紹介動画!

2016年08月28日10時03分ドラマ
©JTBC Co., Ltd.

朝鮮王朝初期の動乱期、王権をめぐる陰謀に巻き込まれ、両班の令嬢から下女の身分に落とされた女性イニョプの愛と闘いの物語をドラマチックに描いた「イニョプの道」最終回は感動の結末で幕を下ろした!NHK「どーがステーション」にはメインキャストのチョン・ユミ、オ・ジホ、キム・ドンウクの紹介動画や見どころ動画などがまとめて公開されている。(この記事は2016年NHKで放送時に紹介したものです)

【「イニョプの道」を2倍楽しむ】では、各話の詳しいあらすじとみどころ、時代背景やキャスト、実在の人物の紹介など、ドラマを楽しむための豆知識などをまとめて紹介している。また、主人公チョン・ユミの来日記者会見の再現レポもある。

「イニョプの道」は、朝鮮王朝第2代王・太宗の治世が舞台。JTBCで「下女たち」というタイトルで2014年12月12日~2015年3月28日まで全20話で放送され、平均3.11%、最高4.67%の視聴率を記録。ケーブルテレビでのこの数字は、地上波の15%~18%相当のヒットだ。

劇的なスタートを切ったドラマだが、放送早々2週にわたって放送が中止となる事態に陥った。
2014年12月12日、京畿道(キョンギド)に位置したドラマ「下女たち」の撮影現場で、原因不明の火災が発生し女性スタッフ1名が避難できずに死亡。セットが全焼したため新たに組み直して撮影を再開。痛ましい事故で犠牲となった故人の冥福を祈るスタッフたちとキャストたちの熱意で再開したドラマは、視聴者のハートを離さなかった。

■好演が光った3人のメインキャスト
ドラマヒットの要因は、ストーリーの面白さ、これまで描かれることの少なかった下男・下女の普段の暮らしぶりなどが視聴者の興味を引いたが、なんといってもメインキャストたちの好演に尽きる。

★1人の男の高麗復興の信念のために運命を狂わされたイニョプ
ヒロインのイニョプを演じたチョン・ユミは、「屋根部屋のプリンス」で悪女ファヨン役を演じた女優。両班の高慢ちきなお嬢さまと、父の無念を晴らそうとする健気な下女という両極端の女性を演じたが、時代劇特有の所作や言い回しが美しかった。「大王世宗(テワンセジョン)」「トンイ」などの大ヒット時代劇で、その演技に高い評価を得たのも納得だ。
極寒の中で水中に飛び込むという体当たり演技、自分のために堕ちていく元恋人のウンギとすべてを捨てて愛してくれるムミョンとの間で揺れる細かい心の襞、ウンギとの最期の別れの号泣のシーンなど、彼女の渾身の演技に多くの視聴者も涙腺決壊となったはず。

★イニョプを愛しすぎたために人生を狂わせてしまったウンギ
ヒロインの元恋人のウンギを演じたキム・ドンウク。2007年の「コーヒープリンス1号店」でイケメンカフェの店員ハリム役を好演した俳優だ。このドラマは彼にとって除隊後初の作品。もともと演技巧者と言われてきたが、このドラマで演じたウンギ役は絶品。心優しい御曹司が愛するイニョプをなんとか助けようとするのだが、やることなすことがすべて裏目に出てしまう。もがけばもがくほど、イニョプが窮地に立たされ、ついにはイニョプの心も離れていく。通常ならここで「かわいさ余って憎さ百倍」となるところが、そうなれないのがウンギの優しさ。ついには、イニョプの代わりに命を落としてしまう。デビュー12年、キム・ドンウクはこのウンギを大いに楽しんで演じたようだ。

★イニョプを愛したことで狂った運命を正すことができたムミョン
ムミョン役のオ・ジホは、「ファンタスティック・カップル」「僕の妻はスーパーウーマン」などでラブコメキングとして人気を博したが、「チュノ~推奴~」で時代劇デビュー。「チュノ」では多少硬さも感じたオ・ジホだったが、本作では、撮影中チョン・ユミにいろいろ下女の心得も伝授する余裕もあったようだ。彼もまた、ムミョン役を大いに楽しんた様子が画面から伝わってきた。2作続いての“奴婢(下男下女)”ドラマ。オ・ジホは、今や韓国時代劇の奴婢の第一人者といってもいいかも。【「イニョプの道」を2倍楽しむ】(5)にあるチョン・ユミの来日記者会見では、そのあたりも詳しく紹介している。

■豆知識:カヒアって実在の人物?
最終回、せっかく結ばれようとしたイニョプとムミョンに王命を伝え水を差したのは、芸妓のカヒア。ドラマ中盤では太宗の誘いを一度は断わり、計画失敗の際に太宗を殺害するようにと毒薬も預かった彼女だったが、最後には太宗に寝返った。
このカヒアは史書に“可喜児”と記されている実在の人物。ドラマのカヒア同様、芸事に秀でた人気の芸妓で男たちを虜にした。最後は太宗を選んだが、史実に残る可喜児も1414年に入宮し、太宗の側室となり“惠善翁主”の称号を与えられた。

■第20話見逃した方のためにおさらい
<キム・チグォン>
最期まで太宗とムミョンの中を割こうとしたチグォンも、最愛の息子の死の知らせに号泣。賜薬というある意味名誉の処刑を拒み、高麗の祠堂で首をつって自死。
<ウンギ最後の願い>
ウンギは、謀反計画が失敗してもイニョプを助けたいと、事前に太祖からクク・ユの身分回復の証書を受け取っていた。「生まれ変わったら別れたりしないでずっと一緒にいたい。平凡な家に生まれて一生添い遂げよう」最後の願いを話し、証書を渡して苦しめたことを謝りながら息を引き取った。
<ホ・ウンチャムとホ家の人びと>
ウンチャムは流刑、妻カン氏とユノクは官婢に。カン氏は性懲りもなく、引き取られた屋敷でうまく取り入ろうと主人に近づいた。逆賊とは知らずに嫁いだということで嫁のカン氏は離縁して実家へ。下女のタンジと母、ケトン、トクセは身分を回復したイニョプの屋敷に引き取られた。その他の下男と下女はそれぞれ別々の家に引き取られた。
<イニョプとムミョン>
イニョプの父クク・ユの墓前で、イニョプへの変わらぬ想いと生涯かけてイニョプを守ると約束し、母の形見の髪飾りをイニョプに託した。
「王子であるの結婚は許さない。イニョプにはそれなりの婚家を探してやる」という王命をカヒアから聞いたイニョプは、ムミョンに最後の食事を用意し、感謝の手紙を残して一人姿を消した。
<1年後>
ケトンとトクセは恋人同士に、タンジは無事男児を出産。ユンソは流刑地から戻って春画の画家とし自立し、たくましくなってタンジの元に戻って来た。カン氏は実家に戻っても賭け事三昧。腕は上がったようだ。
1年の間イニョプを探し続けたムミョンは、サウォルの墓参りするイニョプをやっと見つけた。

kandoratop【作品詳細】【「イニョプの道」を2倍楽しむ】

※9月4日からは、ジョン・ヨンファ主演の時代劇「三銃士」を放送する。

NHK「イニョプの道」番組公式サイト
 2016.4.3~8.21 毎・日21:00-22:00
どーがステーション「イニョプの道」