商売の神、仲間の数は20万?!「客主」チョン・ボンサム役 チャン・ヒョク インタビュー紹介!予告動画
80年代に人気だった小説を脚色してドラマ化した「客主」(商売の神)で主人公のチョン・ボンサム役を演じているカリスマ俳優、チャン・ヒョクのインタビューをご紹介!本作のDVDは大好評発売中で、ドラマの予告動画は公式サイトで公開している。
ドラマの時代背景、各話のあらすじと見どころ、豆知識などは【「客主」を2倍楽しむ】で詳しく紹介しているので参考にどうぞ。
■チョン・ボンサム
開城(ケソン)にある千家(チョンガ)客主の主の息子。濡れ衣を着せられた父が無念の死を遂げ、客主再興を願う父の遺志を継ぎ商人を志す。生き別れた姉を捜す途中で身売りされるソリンと出会う。
Q.演じたチョン・ボンサムについて教えてください。
朝鮮時代末期に実在した商人で、仲間とともに行動する大商団のリーダーをしています。リーダーというと、その強いカリスマ性で皆を率いていくタイプもいますが、チョン・ボンサムはそうしたタイプではなく、周囲の人たちを巻き込み、共に進めていこうとするようなリーダーです。周りがボンサムを押し上げ、ボンサム自身も自分が気づかないうちに人々の中心に立つようになり、自分の一言が皆を導いていく。周囲の人々に支えられ高められて、リーダーとして目覚めていったんだと思います。綿密な計画を立てて物事を進めることもあると思いますが、彼の一番の特性は、人の心を動かし、「この人と共にいたら、何かわくわくすることが起きるかもしれない」と思わせるところです。ちょっと複雑ですがそんな人物です。
Q.本作に出演を決めた理由は?
今まで、カッコイイ役、カリスマ性のある役、王様、そしてラブコメなどいろいろなジャンルでたくさんの役を演じてきましたが、本作のように人と人とがぶつかり合うような役はあまり演じたことがありませんでした。今回、この作品のあらすじを読んだときに、人々の息づかいというものを強く感じました。そして、人と人とがぶつかりながらも、その中で人々を引っ張っていくという役にとても魅力を感じました。
Q. 過去作品でも、シリアスで重厚な姿と少しコミカルでユニークな姿を見事に調和させたキャラクターを作っていらっしゃいますね。本作でもそう感じました。“チョン・ボンサム”はどのように役作りされましたか?
リーダーとして多くの民衆が共感できる人物をどうやって演じるかを考えました。それから、この時代、“客主”というのは、店を構えて商いをしている人だけでなく、行商人や、そこで商いができる場所を提供する人など、商いに関わる多くの人も “客主”と呼んでいたそうです。リーダーとしての一面と、商いに関わる人物としての一面と、その2つを両立させようとした時、シリアスな雰囲気だけでなく冗談やコミカルなセリフを織り込むことで、その人物がいきいきとしていることが伝わるのだと思い、そうした姿を表現してみようと臨みました。
Q.監督や脚本家の方から、撮影に入る前に役作りなどについてのリクエストはありましたか?
本作は英雄などではなく民衆を描いた物語であること、そして、演じるのではなく、自由に飾ることなくそのままを表現するような、そんな雰囲気を作ってほしいと言われました。
Q.チャン・ヒョクさんは普段、どちらかと言うと物静かなタイプと聞きましたが、愉快なキャラクターのチョン・ボンサムを演じるにあたって、不安はありませんでしたか?
不安は全くなかったですね。むしろ、そうした自分とは正反対のチョン・ボンサムだからこそ、彼についていろいろ想像したりして、“役を作る”という過程が面白かったです。また、そうやって作り上げたキャラクターが、違和感なく視聴者の皆さんに受け入れられたら、これほど嬉しいことはないですね。
Q.ご本人とチョン・ボンサムで似ている点、違う点は?
人々の間で連帯感を作り、共に何かを作りあげようとするところは似ていると思います。違う点は、明確に「これ!」と言えるものではないのですが、“考え方”でしょうか。当時は保守的で、何か一つを守りながら、力強く生きていくしかない時代だったと思うんです。でも、現代は、コミュニケーションによって合理的に進めようとしますよね。やはり生きている時代の影響が大きいんでしょうね。
Q. チョン・ボンサムは信念を守るため努力を続ける人物ですが、そんな彼の生き方に共感できますか?
う~ん、どうなんでしょうか。彼のような人は極端な人物に映ることがありますよね。今と時代が違いますし、彼はリーダーとして客主を守るためにそうするしかなかったんだと思います。激動の時代の生き方ですよね。でも、それが現代にも当てはまるかというと、そうじゃない面もあるのではないかと思います。
Q.作品の中で“客主”という職業は時には命をかけなければならないほど苦しい仕事もありますが、もし、チャン・ヒョクさんが実際に客主の息子として生まれたとしたら?
経済用語で言うところの“レッドオーシャン”、つまり、競争が激しく、既存市場の中でどう戦っていくかを課題とするよりも、“ブルーオーシャン”、つまり、新しい研究開発を通して新しい市場を開拓していこうとするのではないでしょうか。
Q.“ボンサム語録”という言葉が出るほど、印象的なセリフが多かったと思いますが、ご自身が記憶に残っているセリフやシーンはありますか?
監督から「難しい言葉はできるだけ簡単にするように」と言われていたので、昔の商売人たちが使う言葉を今の言葉で分かりやすく説明するにはどうしたらいいのかと、辞書などを引きながら考えたりしていました。いろんなセリフがありましたが、やはり一番よく言ったセリフ「20万の仲間たちよ。私を信じてついてきてほしい」というセリフでしょうか。こういうセリフを人々の前に出て言えるような立場になるのは簡単ではありません。人見知りする性格の僕には特に難しかったですが、ボンサムという役を通してそういう立場になったことで、僕なりの情熱を込めて伝えた言葉でした。
Q.現場の雰囲気はいかがでしたか? ムードメーカーは?
集中しなければならないシーンが多かったですし、現場全体がピンと張り詰めたような空気感を持っていたせいか、ムードメーカーは特にいなかったですね。素晴らしい役者の方々が多く出演していますので、みんなで笑い合うというよりは、何かをつかみ取ろうとすることに注力していた現場でしたね。
Q.チョ・ソリンを演じたハン・チェアさん、ケトン=メウォルを演じたキム・ミンジョンさんと三角関係に陥りますが、お二人との共演はいかがでしたか?
とても演じやすかったですよ! 2人がそれぞれ正反対の魅力を持っている俳優なので、2人のどちらと演技をしているかでリアクションも変わったと思います。ハン・チェアさんは感情表現が豊かな方でしたね。それから、キム・ミンジョンさんはとても理性的な印象を受けました。
Q.チョン・ボンサムはケトン=メウォルにとって運命の男でした。チャン・ヒョクさんはこれまでの人生で“運命”と思える相手に出会いましたか?(共演者でも、監督でも、家族、友人でも)
全ての選択、そして、過去から現在まで出会った人たちは全て“運命”と言えるのではないかと思っています。地球に住む70億人を超える人々の中で、お互いに認識できる間柄になれる人はそう多くはありませんよね。だから、こうして巡り会えた人々はすべて運命なのではないかと思います。僕が進もうとしている道に一人ずつ現れてくるような感じですね。
Q.初登場のシーンから鍛え上げられた姿を披露されていますが、体型には気を使っていますか?
体型維持のためというよりは健康管理のために運動しているという感じです。1日おきにウェイトトレーニングとボクシング、つまり、無酸素運動と有酸素運動を併せて行っています。週末には自転車に乗っていますよ。
Q.この作品は放送が延長されたので、撮影期間もかなり長かったと思います。時間があるときはどのようにリフレッシュされましたか?
時間があるとき…があまりなかったんですよね、むしろ(笑)。現場を離れてリフレッシュする時間をとることはできませんでしたが、現場で共演している俳優、先輩・後輩といろいろと話すことでリフレッシュできましたよ。
Q.最も記憶に残っているシーンは?
この作品に出演したいと思ったきっかけでもあるのですが、チョン・ボンサムが子供の頃、ボンサムの姉から「もし辛くなったら、(亡くなった)お父さんのところに行きなさい」と言われるシーンですね。心が締めつけられるような寂しさを感じました。
Q.4時間も山の中を走ったというシーンや、チョ・リサ役を演じたハン・チェアさんとの水中のシーンが話題となりましたが、一番大変だったシーンは?
雨の中を裸足でシン・ソクチュの屋敷に向かうシーンですね。放送では短いシーンでしたが、実際には、雨に打たれながら4日間くらい撮影していました。しかも、そのうちの1日が本当に寒い日で、一番寒かったと言ってもいいくらいの寒さだったんですよ! でも、いいシーンに仕上がったので、とてもよかったです。
Q.“時代劇と言えばチャン・ヒョク”というほどの好評を得ましたが、チャン・ヒョクさんにとって時代劇とは?
“時代劇”というのは歴史の中のドラマを描くものです。私たちは教科書や歴史書に記録されたものを通して、どんな事件が起きたのかを知ることができますが、時代劇はそうした歴史的な事件に感情を与え、その事件がどのようにして起きたのかを視聴者や観客に見せるものです。そうした部分は演じていても面白いですね。”どのように”という部分を自分自身も一緒に作り上げることができるからです。現代劇は、今を生きている人たちが共感できるようなものをそのまま見せるものですが、時代劇は、その時に起きた事件に焦点を当て、この事件が起きた背景を想像しながら解釈できるところが面白いですね。
Q.本作の見どころは?
この時代の商売人には、行商人、町の商店、六矣廛(ユギジョン:ある商品を独占的に扱う商人たちの店。それぞれ布、紙、魚、酒など6品目を扱っていた)などの商人がいて、当時の商人たちの中の階級制度のようなものを垣間見ることができます。今回は商売の話ということで、何を売るか、どういう戦略で売るかということも大切ですが、結局は人間一人ひとりの物語なんです。人と人との関わり合いの中で生まれる物語ですね。そうした物語が面白いのではないかと思います。
Q.日本のファンに一言
80年代に人気だった小説を脚色してドラマ化したものですが、当時の行商人をはじめとする商人たちが生き生きと描かれた作品です。チョン・ボンサムは、強烈なカリスマ性で人々を叱責したり賞罰を与えて人々を導くようなリーダーではなく、周囲の人々と一緒に言葉を交わす中で友情を育み、周りからの期待を受けていつの間にか人々の中心に立つようになる男で、そんな彼が物語を引っ張っていきます。その時代の文化的なもの、また、その時代の建築、または、その時代の衣装の色合いなど、いろんなものをひっくるめて、役者とスタッフが熱い情熱を注いだ、みんなの汗と涙が詰まった作品を、ぜひご覧ください!
【作品詳細】【「客主」を2倍楽しむ】
Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS All rights reserved【客主】
BOX1~2 各21000円
BOX3~4 各24000円(本体)+税
発売元:コンテンツセブン、ワコー
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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