故・山田辰夫さんを東武特急スペーシアCM動画で偲ぶ。20年前の写真も登場。
映画「おくりびと」でも感動をくれた俳優の山田辰夫さんが、26日午前10時15分、東京・西多摩郡の病院で亡くなった-53歳、あまりにも早すぎる死だった。
数多くの映画やドラマに出演し、名脇役として活躍していた山田さんは、4年前、胃がんで胃の全摘出手術を受けた。その後、仕事に復帰し、今春、米アカデミー賞外国語作品賞に輝いた映画「おくりびと」では、妻に先立たれた夫で迫真の演技を魅せてくれた。復帰後は、CM東武特急スペーシアのCM(2008年)にも出演している。山田さんの登場するCMは“あの日のあなたへ、走ります”をテーマにした「家族篇」で、今も同社CMサイトで視聴できる。
「家族篇」では、山田さん扮する父親が、妻と娘の三人で久々の家族旅行に出るという物語。何気ない家族のひと時を描いたCMは、まるで本当の山田さんの人生を見ているような気にさせる。華厳の滝を眺める妻と娘を、一歩引いたところで見つめる山田さんの目が温かい。娘の「お父さん、昔ここで写真を撮ったよね」の声に促されて娘とツーショットの写真撮影。ちょっぴり照れている山田さんの顔がいい…と、その時、画面が20年前の父と娘の写真に切り替わった、
まさか、60秒のCMで涙するとは思わなかった。CMのバックで静かに流れる楽曲「私を連れて帰ろう」(作詞:大貫妙子、作曲・歌:村上ゆき)が、さらに感動を揺さぶる。こんなに感動するCMに出合えるとはおもわなかった。人情の機微をみごとに演じてきたバイプレーヤーだからこそ、完成できたCMなのだろう。こんな素晴らしいCMを残してくれた山田さんと東武特急に感謝したい!
10月24日、山田さんの遺作となった「沈まぬ太陽」(若松節朗監督)が公開される。山田さんは、最大規模の航空機墜落事故を起こした国民航空の遺族係に扮する。彼が魅せた最後の演技を堪能したい。
山田さんの葬儀・告別式は27日に近親者だけで済ませ、お別れの会は後日開く予定とのこと。
厳しい闘病生活にも耐えた山田さんは、天国へ走っていった。スペーシアのCMを見て、改めて、故人の素晴らしさを実感した。俳優、山田辰夫さんの早すぎた死を悼み、安らかなご冥福を心からお祈りします。
◆ 東武特急「スペーシア」CM