「蒼穹の昴」豆知識:梁文秀が受験した科挙って?麻雀の役の由来!
BS日テレで放送中の日中合作ドラマ「蒼穹の昴」で、梁文秀が受験した科挙について紹介!ドラマ予告動画はYoutubeにて公開中だ。
(※この記事は、【「蒼穹の昴」を2倍楽しむ】の「コラム」より一部抜粋、リライトしたものです)
■科挙って?
科挙に合格した事で運命が開ける文秀だがその科挙とは、現代の日本で例えると国家公務員試験のようなものと考えるといいだろう。エリートが集まるわけだが、この頃の人口で既に4億以上いたとされるのでその倍率はただごとではない。
科挙には段階があって、大まかにいうと第一段階から順に「郷試→会試→殿試」とステップを踏む。第2話の文秀は第2段階の会試合格の状態。ゆくゆくはこの殿試で文秀が状元(首席合格者)となるわけだから、中国全土からの応募者のトップという事でどれほど文秀が優秀なのかおわかるはず。
ちなみに、科挙の三段階の各試験において全て状元だった人物の事を「三元」と呼ぶ。この言葉を聞いて、麻雀好きならハタと気づくはず。そう、これが麻雀の役満の一つ「大三元」の由来とされている。こうして考えると、科挙にも親しみが湧いて来るのでは?
■科挙を知るこの一冊
科挙を知るのに最適な書に宮崎市定著「科挙-中国の試験地獄」(Amazonでチェック)がある。著書の宮崎先生は中国史を本格的に学ぼうとする方なら必ずその著書や論文にお世話になるいわば大家。宮崎先生の論文を一般書向けに記したのがこの一冊。難解な文章は無く読みやすい。
科挙の試験段階についてはもちろん、当時の男子が科挙を受けるためにどんな環境にいたのかをその母親の胎教から説明するなど、こと細かく受験生の背景がわかる。他にもドラマで文秀が見た不思議な夢のエピソードのような、科挙にまつわる幽霊話や受験生の不思議な体験談といった説話も数多く紹介されており、読み物としても十分楽しめる。
挙人(郷試合格者)に騙されて捨てられた女の霊が試験会場で恨みを晴らそうとする話や試験会場で起こる悲喜こもごものドラマも紹介されている。
ある箇所では当時の受験生たちが苦肉の策を講じて作ったカンニングアイテムのあれこれなども紹介されており、試験を前に今も昔も変わらない人間の様子を知る事が出来る。これを読めば、文秀がどんな舞台を経て物語の登場人物となったのかをより詳しく理解出来るだろう。
◇BS日テレ「蒼穹の昴」番組公式サイト
2019.05.10スタート 月~金10:00-11:00
◇Youtube「蒼穹の昴」予告動画
※2019年5月10日~2019年6月13日(予定)放送!
ドラマをもっと楽しむためのコーナー 【「蒼穹の昴」を2倍楽しむ】