「不滅の恋人」大王大妃シム氏は、夫は聖君だったが涙と恨みで生涯を終えた昭憲王后・沈氏!

2019年05月25日14時45分ドラマ
@2018 TV CHOSUN

韓国ロマンチック史劇「不滅の恋人(原題:大君)」で、ヤン・ミギョンが演じた大王大妃シム氏は、王朝一の聖君と名高い第4代王・世宗の妻、昭憲王后・沈氏がモデル!今回は実在の沈氏と劇中描かれたシム氏についてご紹介!Youtubeにて予告動画が公開されている。

「不滅の恋人」は、兄イ・ガン(首陽大君=スヤン大君、後の朝鮮王朝第7代王・世祖)と弟イ・フィ(安平大君=アンピョン大君)の王座奪還戦が“実は1人の女性を巡って起きたのでは”という歴史的仮説を基に大きく脚色した、史実とフィクションを大胆に絡めた恋愛度数の高い時代劇。

■棚からぼた餅で国母になった昭憲王后・沈氏(1395-1446)
名門・沈氏の娘で14歳で当時忠寧大君(チュニャンテグン、後の第4代王・世宗大王)に嫁ぐ。正直で謙遜な人となりで早くから王家の嫁にと嘱望されていた。
世宗大王御真世宗大王ところが世子だった譲寧大君(ヤンニョンデグン)が廃位され、世子嬪、そして忠寧大君が即位すると王妃の座に就く。世宗大王とは相性も良く八男二女をもうけている。もっとも、聖君で知られる世宗だが、艶福家で他にも9人もの後宮(側室)がいた。沈氏は後宮やその子供たちにも心を砕き面倒を見る温厚で優しい王妃と伝わっている。だが、実家・沈氏一家の勢いが強くなりすぎ、これを危険視する先王・太宗に疎まれて実父は粛清、実母は奴婢の身分に落とされ、自身も廃妃の危機に遭う。しかし、多くの子を産み、世宗との相性も良かったことでかろうじて廃妃を免れた。舅の太宗死後、奴婢に落とされた実母の身分を回復したが、五男・広平大君と七男・平原大君が20歳で夭逝するのを看取るなど、波乱の人生に疲れ果て病床に就く。次男の首陽大君が私邸に母を引き取り手厚く孝行したが、世宗28年、52歳でこの世を去った。
※ちなみに譲寧大君は「不滅の恋人」のヤンアン大君のモデル。ヤンアン大君は王になりたかったのか?参照。

■ドラマの中の昭憲王后・沈氏は?
イ・ユンジ扮(C)KBS Media. All rights reserved.
「世宗大王」より
大王大妃シム氏(イ・ユンジ扮)
「大王世宗」では、史実通りに温厚で優しい人柄として登場する。キム・サンギョン扮する世宗とも序盤はおしどり夫婦として描かれているが、中盤42話辺りで上王・太宗による実父の粛清などから、夫婦の間に溝ができてしまう(「姜尚仁の獄事」)。このあたりの葛藤を「宮~Love in Palace」「キング~Two Hearts」で王女を演じたイ・ユンジが好演している。また、「根の深い木 世宗大王の誓い」第1話~2話では、父と妻の板挟みに苦しむ青年・世宗をソン・ジュンギが印象深く演じている。
不滅の恋人「不滅の恋人」より
大王大妃シム氏(ヤン・ミギョン)
この2作がほぼ史実通りに描いているシム氏を、設定やキャラクターを大胆に変えたのが「不滅の恋人」だ。「宮廷女官チャングムの誓い」でヒロインの師匠、ハン尚宮を演じた名女優ヤン・ミギョン扮するシム氏は、大妃(先代の王妃)、大王大妃(先々代の王妃)として登場する。前述のように、シム氏は世宗より早く他界している。第13話ではある事情から夫である世宗の墓前で嘆くシーンもあるが、これは史実に照らし合わせるとありえない。
登場する子供の数はすくないものの、先王・文宗がモデルのイ・ヒャン(ソン・ジェヒ扮)、首陽大君がモデルのイ・ガン(チュ・サンウク扮)、安平大君がモデルのイ・フィ(ユン・シユン扮)の母親というのは史実通りだが、「不滅の恋人」では、王位の“長子継承”を守るために、実子であるイ・ガンをけん制し、厳しく接する強い大妃として描かれている。これも大いに史実とは違う。何より彼女の晩年を看取ったのが首陽大君(イ・ガンのモデル)というところから、実際の母子の間は良好だったとうかがえる。

ますます険悪になっている母シム氏と息子イ・ガン。果たして2人に和解はあるのか?後半に突入した「不滅の恋人」からますます目が離せない。

【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】では、時代背景や実在の人物紹介、ドラマの見どころや韓国での評判、記者会見再現レポ、放送にあわせて各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などをまとめて紹介するので、視聴の参考にどうぞ。

NHKBS「不滅の恋人」番組サイト
 2019.03.03スタート 毎・日21:00~22:00
TV CHOUSUN番組サイト

kandoratop【作品詳細】【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】