チョン・イル主演、全く新しい英祖を描いた「ヘチ 王座への道」韓国での評判をレビュー!

2019年10月24日21時00分ドラマ
©SBS

チョン・イル除隊後初主演作として話題となったSBS月火ドラマ「ヘチ 王座への道」(原題:獬豸(ヘチ))の韓国での評判をご紹介!なお本作品は11月10日(日)からNHKBSプレミアムで放送されることが発表され、日本でも早くから話題となっており、現在Youtubeにて予告動画が視聴できる(但し、日本語字幕なし)。
関連記事:11/10よりNHKBSプレミアムで放送開始!

【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、英祖(ヨンジョ)や朴文秀(パク・ムンス)といった実在の人物紹介などまとめている。また、インタビュー動画も日本語解説入りで紹介しているので、ドラマ視聴の参考にどうぞ。



「ヘチ 王座への道」は、韓国SBSにて今年2〜4月に全24話で放送された作品。「イ・サン」「トンイ-同伊-」「馬医」等の人気時代劇を書いてきたキム・イヨン作家が手がけた野心作で、「イルジメ(一枝梅)」「アチアラの秘密」等で優れた演出力を認められたイ・ヨンソク監督とタッグを組んだ作品として、韓国では放送開始前から期待の声が高かった作品だ。

主人公は後に朝鮮21代王英祖となる延礽君(ヨニングン)李昑(イ・グム)。俳優チョン・イルが除隊後、2年半ぶりに復帰したことでも話題となったが、彼はこれまでにも「美賊イルジメ伝」「太陽を抱く月」「夜警日誌」などの時代劇に多く出演し、視聴者も馴染みがあるからか安心して観れるという声が多かった。またチョン・イル自身も、2年半の沈黙を破って久々のドラマ復帰であったが「時代劇なので負担感も大きくすぎずスムーズに演技できた」と語っている。
ヒロインは「花郎(ファラン)」「ハンムラビ法廷」「ブラック~恋する死神~」のAraが演じた。彼女は「応答せよ1994」などのコミカルな演技が印象的で世間に浸透しているのか、視聴者の中にはそのようなオーバーな演技が本作品に合うのだろうかと不安な声、辛辣な評価もあったが、実際に放送がスタートすると「役柄が彼女に似合っていてびっくりした」「Araの新しい姿が見られた」など、役柄を完全に自分のものにしたAraへの評価の声が多かった。

なお、本作品を視聴するにあたり注意して頂きたいのは、本作品は歴史的事実を基盤としているが、あくまでフィクションだということ。特に歴史ドラマが好きな視聴者はそれを理解した上で視聴した方が良いようだ。これまで英祖を扱った作品は多く存在するが(「イ・サン」で晩年の英祖を名優イ・スンジェが渋く演じ、「テバク~運命の瞬間」ではヨ・ジングが若々しく演じている。)、キム・イヨン作家は本作で既存の英祖とは異なる全く新しい英祖を創造し、従来作品との差別化を図った。
しかしながら韓国では一部の視聴者から、歴史的事実と異なる(実在する登場人物が多く出ているのにキャラクター設定やストーリーが異なる)ため「混乱する」といった声も聞かれ、否定的な意見もちらほら見られた。おそらく歴史が好きで、史劇を好んで見ている視聴者たちの声であろう。中には「このキャラクターの性格は違う!」などとキム・イヨン作家との解釈の違いをネット上で熱く語る視聴者も。このように賛否両論あるストーリーであるが、それだけ本作品が多くの視聴者から注目を浴びていたという事実の裏返しであろう。実際に韓国での視聴率は平均して6〜7%を堅調に推移し、最高視聴率は8.4%を記録。月火ドラマ同時間帯1位をキープしし好成績を残した。



またチョン・イル自身もインタビューにて、本作品での役作りに関し「本作品が歴史的事実を基盤としたフィクションであるため、おかげで自分だけの英祖を新しく作り出す楽しみがあった」「英祖は徹底して冷静な王で知られているが、私が描こうとした英祖は感性的で他人を理解できる人物だ」と語っている。更に「今回は無表情での演技を心がけた。」と意外な発言も飛び出した。その理由としては「デビュー作がコメディだったからか、無意識にオーバーな表情の演技となってしまうことがあったので、今回ばかりは心で演技をしたかった」と心の内を明かした。その努力の甲斐あり、実際に放送が開始されると、英祖の鋭い眼差しや立ち振る舞いなどチョン・イルの演技は多くの視聴者を魅了し、彼の新しい'人生キャラクター’だとお茶の間から注目を浴びた(韓国では「人生+(名詞)」の組み合わせで「人生で一番の、歴代最高の」といった意味で使われる。今回の'人生キャラクター’は彼の代表作、代表する配役といった意味だ。)。久々の復帰作であるが、更に演技の幅が広がったと軒並み高評価であったチョン・イル。韓国では彼の今後の活躍が益々期待されている。

これまで描かれた英祖とはまた違った姿が見られる本作品。キム・イヨン作家がどのような英祖を描いたのか、またその英祖をチョン・イルがどのように表現したのか?その点に特に注目すると、より一層作品の魅力を味わえるだろう。

■あらすじ
後に朝鮮21代王英祖となる延礽君李昑(チョン・イル)は、朝鮮19代王粛宗の息子であり、王の血縁でありながらも、母親である淑嬪崔氏(スクピン・チェシ)が賎民であるために認められない人物だ。アウトサイダーとされた彼が、後に暗行御史(秘密裏に地方官を監察する役目)で名を知らす熱血青年パク・ムンス(クォン・ユル)、武術の達人である町の暴れ者ダルムン(パク・フン)、司憲府の茶母(タモ、捜査官や警察のような職業)のヨジ(Ara/コ・アラ)らと朝鮮の司憲府を改革して正義を正していく。



■キャスト
延礽君・李昑/朝鮮21代王英祖役:チョン・イル「太陽を抱く月」「夜警日誌」
ヨジ役:Ara(コ・アラ)「花郎(ファラン)」
パク・ムンス役:クォン・ユル「ゴハン行こうよ2」「耳打ち~愛の言葉~」


NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2019.11.10スタート 毎・日21:00~22:00
Youtube|SBS NOW予告動画(日本語字幕なし)

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】