チョン・イル「ヘチ 王座への道」第21話<変乱>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:蕩平策(タンピョンチェク)
イ・インジャ(コ・ジュウォン)率いる反乱軍が清州城を陥落し、都城へ迫る!反乱軍に立ち向かう王・英祖イ・グム(チョン・イル)だが…韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第21話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあります。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの第21話のあらすじはこちら。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。また、ドラマ紹介のために不適切な言葉を使用することもあることをご理解ください。
■第21話「変乱」(見どころ・豆知識)
反乱軍が清州城を陥落。イ・インジャは、今の王(イ・グム)は王にふさわしくないと訴え、ミルプン君イ・タンを“新たな王とすべき”だと民を扇動し、各地で反乱が起きる。
ミルプン君を王と呼んでひれ伏す民たち。アドレナリンMAXのミルプン君(チョン・ムンソン)の目に注目。
清州陥落の知らせに驚愕するイ・グムのもとに、慶尚、全羅、咸鏡、平安でも反乱が起こっているという知らせが届く。多くの銃を所有している慶尚道にも、1万から3万人の反乱軍の軍勢が集まっている。イ・グムは慶尚道に軍隊を送り、反乱軍の本陣は3、4日で到着するだろうから残った兵で都城を防衛する計画立てるよう、イ・グァンジャに命じる。その後、両相を別室に呼んだイ・グムは、この反乱は開国以来最大、最悪で自分の責任だと、本音を吐露する。右相チョ・テグは、イ・グムへの不信感を少論の重臣たちにたきつけてきたことを謝罪し、左相ミン・ジノンもまた若き王を慰め、老論派が党派を超えて最善を尽くすと励ます。その頃、ヨジは怯える女官たちに共に戦おうと叱咤していた。
強敵の前に若き王イ・グムと頼もしい老臣たちとが一つになった、はずだが…。
反乱軍のいる清州城にたどり着いたユニョンは、王様と祭り上げられているミルプン君を見つける。再会を喜び、持って来た全財産を渡す。ところがイ・グム暗殺に失敗したことでウィ・ビョンジュとイ・インジャが仲間割れしているのを目撃したミルプン君は、二人の間に割って入り、これで民心を得て王宮への道を開こうとユニョンが持ってきた全財産を渡してしまう。
民に施しをし、ビョンジュの首元に突きつけたインジャの刀を素手で握り、「王命だ」と二人の諍いを止めるミルプン君。完全に名君になり切っている。
勢力を増し都に近づいてくる反乱軍に立ち向かう王、イ・グム。パク・ムンスたちも兵に志願し、タルムンも仲間たちと共に立ち上がる。出陣式、「ここにいる皆の者は全てわが友、我が兵、我が民だ。王として守るべき我が民を戦場へ送ることをどうか許してほしい。だが我々はこの悲惨な変乱に必ず打ち勝つ!…みんな生きて戻るよう。王命だ!誰一人死んではならない」と兵士たちを送りだすイ・グム。
50歳のチャンダルまでが志願!一致団結とはまさにこのこと。これまでにも感動の言葉を多く口にしたイ・グムが、出陣式でまた泣かせてくれる。この後の両相の憂いと悔恨の会話もお聴き逃しなく。
多くの民を戦地に送りだした罪悪感に苛まれるイ・グムを奮い立たせるのはチャドン。変乱の原因をよく知るイ・グムが王としてできることを見つけるべきと、助言する。この言葉にイ・グムは動き出す。現在都城に残っている没落した南人派の子孫たちに会わせてほしいと、チョ・テグに頼む。イ・グムは、彼らに朝廷への登用を約束することで、反乱軍を内部から揺るがそうと考えたのだ。だがこれを実現するためには、長年要職を独占してきた老論派の譲歩が必要。
イ・インジャ率いる反乱軍の多くが、党争の犠牲になった南人派。南人の登用は戦略としてだけではない。イ・グムはこれこそがこの国の腐敗を正す方法と考えていた。
ミン・ジノンを呼び出したイ・グムは、南人派の登用について話す。党争の末にどれだけ多くの血を流し、悲劇をくりかえしてきたかを思いださせて説得に当たるが、ミン・ジホンは「権力の前に、人は譲歩と和合などありえない」と、頑として譲らない。イ・グムは、出陣式の後にミン・ジノンが「我々が血を流すことはない。血を流すのはいつも非力な民だ。民の為にも二度とこのようなことが起きないように、政事でできることがある」と憂いていた言葉も口にするが、老論の長ミン・ジノンを翻意させることはできない。
反乱軍はミルプン君の財産を使って庶民を懐柔、無血開城してすぐ近くの天安にまで進軍していた。この知らせが王宮に届くと、都城の民たちだけでなく、両班や役人、重臣たちまでが我先にと都城を捨てて避難し始める。そんな中、ヨジが宮殿を出て戦うつもりだとチョホンがイ・グムに知らせる。駆けつけたイ・グムは、ヨジを引き止め「ここにいてくれ。お前まで守れなかったら…」と強く抱きしめる。
全く情けない重臣たちだ。そんな中、一番信用のおけないチュ・ヨンハンが司憲府に残っている。なぜ?根性を入れ替えたのか?
ミン・ジノンの同意を得られないまま南人を訪ねたイ・グムは、朝廷への登用を約束する見返りに支持して欲しいと頼む。そしてこれは政治的取引ではあるが、これこそがこの国の腐敗を正す方法だと考えていると訴える。南人はイ・グムの意気に感動すると言うも、老論が譲歩するはずがないからと協力を断る。その頃、ミン・ジノンは廃墟となった都城にいた。農具を担いだ農夫に出会い、逃げないのかと声を掛ける。行く当てもない、どうせ死ぬなら畑を耕している方がいいという農夫は、身分の高い人は我先に都城を捨てたのに、あなたのような人が逃げないことに驚くともいう。立ち去る農夫を見送るミン・ジノンは…。
王であっても老論の協力がなければ政事はできないと思い知ったイ・グム。一方、要職に就く老論派たちの不甲斐なさを痛感するミン・ジノン。
戦地。イ・グァンジャたちの戦略会議。都城への進軍を急ぐ反乱軍は楽なルートである稷山(チクサン)を選ぶはずだから、全軍上げて稷山に防御線を張ろうと提案するパク・ムンス。ところが密偵によってこの作戦はイ・インジャに筒抜けになってしまう。
戦況有利を信じるミルプン君は今度はすっかり覇王気分。一方ウィ・ビョンジュンは早くも子孫代々のことにまで想いを馳せる。
官軍の作戦の裏をかいて安城宮を目指して進む反乱軍。一方、パク・ムンスたちは山中で反乱軍を待ち伏せする。ところが反乱軍は一向に姿を見せない。それでもムンスは、必ずこの道を通るはずと、矢を構えて待ち続け…。イ・グムもまた作戦成功の知らせを待つ。
パク・ムンスの読みは外れたのか?
■豆知識:蕩平策(タンピョンチェク)
蕩平策とは党派に偏らなずに優秀な人材を登用する政策。劇中のイ・グムは、老論派が要職を独占したことによる朝廷の腐敗を正すためだとしているが、実在の21代王・英祖はこれによって王権の強化をも狙っていた。だが自分を王に推戴するため尽力した老論派に遠慮があり、徹底することはできなかったが、孫である22代王・正祖はもっと積極的にこの策を進めた。詳しくは「正祖のやった偉業」で解説。英祖の偉業については「英祖紹介」で解説している。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】