チョン・イル「ヘチ 王座への道」第22話<勝戦>ネタバレあらすじと見どころ|豆知識:王イ・グムの大岡裁き
王イ・グム(チョン・イル)と戦地のパク・ムンス(クォン・ユル)らとの見事な連携で、一気に戦況を逆転した官軍!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第22話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあります。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの第22話のあらすじはこちら。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。また、ドラマ紹介のために不適切な言葉を使用することもあることをご理解ください。
■第22話「勝戦」(見どころ・豆知識)
イ・インジャ率いる反乱軍は、密偵の情報をもとに官軍の向かっている稷山(チクサン)を避けて安城ルートで都へ向かう。だが反乱軍の裏をかいた官軍が待ち構えていた。激しい闘いが始まる。不意打ちを受けて劣勢となったイ・インジャたちは退却しようとするが、そこにも官軍が待ち受けていた。勝利の知らせは王宮のイ・グムにも届く。実は、ミン・ジノンは、この反乱を抑えるにはイ・グムのいう没落南人たちの協力を得るしかないと、党派にとらわれない人材の登用(蕩平策)の提案を受け入れたのだった。朝廷への協力を誓う南人から官軍の中に密偵が潜んでいることを聞いたイグムは、戦地のパク・ムンスに知らせ、ムンスたちは反乱軍の裏をかく作戦を立てたのだった。
上空から降って来る矢の攻撃に慌てふためく反乱軍。エキストラの人数が少なく、少々迫力には欠けるが、狭所をうまく使った戦闘シーンは短いながらもなかなかの見どころだ。銃使いのタルムンが素敵。今回はロマンスでもタルムンの見せ場がどっさり。
王の言葉には動かなかった南人たちも老論の長であるミン・ジノンのひと言で、反乱軍の作戦を明かすとは、さすがやり手の左相。
イ・インジャとミルプン君は取り逃がしたが、タルムンがウィ・ビョンジュをとらえていた。慶尚道で城を取り戻そうと苦戦していたチョ・ビョンミョン率いる隊のもとにも官軍が駆けつけ、ついに城を取り戻す。
砂埃の中かから現れるパク・ムンスたち官軍がカッコいい。アボンにまるで死地に行くような挨拶をした50歳のチャンダルは無事だったのか?
宮殿では、イ・グムの着替えをヨジが手伝うことに。チャドンとチョホンが出て行ってしまい、2人きりになって慌てるイ・グム。ヨジは、宮女になる前、いつでもイ・グムのお手伝いできるようにと、鎧の付け方も学んだと話し、しっかり学んだからイ・グムのように途中で投げださないと、かつての思い出話をする。
今回も大妃の粋な計らいでイ・グムとヨジのツーショットが実現。イ・グムが投げ出したこととは、7話で両班に変装するヨジのカッ(両班の笠)の紐を結ぶのを途中でやめ、8話では、怪我をしたヨジの傷の手当てを途中でやめた時のこと。もちろんヨジに胸がときめいたからだが、恋に疎いヨジの勘違いトークに、久々にイ・グムに顔がほころぶ。果たしてその理由をヨジに話すことはできるのか?
その夜、都城に官軍が凱旋し、出迎える王と重臣たちにイ・グァンジャが勝利の報告をする。イ・グムは、無事に帰って来てくれたことに感謝し、兵士たちの輪の中に入り一人一人の顔を見回して、彼らが命懸けで朝廷と国を守ったことを讃え、「そなたたちが流した血と汗、戦場で失われた命を忘れはしない」と約束する。そして「今日の勝利は朝鮮の勝利。私がこれより大臣たちと共に新しい朝鮮を作る!」と叫び、兵士たちからの喝さいを浴びる。
目を潤ませて兵士たちを讃える俳優チョン・イルに、王の風格がにじみ出ている。
一方、山中の基地に戻ったイ・インジャは、反乱軍が各地で敗戦し残ったのは数百名に過ぎない、と報告を受けて愕然とするが、立て直しのために各地に援軍を求めるよう部下に指示する。一方、全て終わったと泣き崩れるユニョンを抱きしめるミルプン君は、まだ終わっていない。王になってくれと泣いてすがった民たちが動くはずと、慰める。それが妄想で悪あがきに過ぎないと知るユニョンは基地から立ち去る。残った兵士の数を確認するミルプン君に、まだ他にも十分兵士がいる、と嘘をつくイ・インジャ。
さすがのユニョンも愛想をつかしたのか?
朝廷。イ・イグムは「直接反乱に加担したものは捕えるが、むやみに拷問をして罪人を死に至らしめることや、その家族や同調した民に厳罰を下すことを厳禁する」と、重臣たちに発表する。ミン・ジノンは、厳罰を科して見せしめにするのが妥当だと進言するが、イ・グムは、「厳罰がいつも正しいとは限らない。これが残党を壊滅させるにも功を奏するはず」と説明する。お触書が各所に貼りだされ、民たちは王に感謝し、民心は安定する。またしてもイ・グムに一本取られたミン・ジノンに、チョ・テグは「南人の登用や反乱軍の同調者を許すことも、頭で考える政治的判断ではなく心から願っているのではないか。だから頭で考える者の度肝を抜くのではないか」と話す。
もはやイ・グムに全幅の信頼を寄せる右相チョ・テグは、イ・グムの判断に何も口を挟まない。
拷問を受けるウィ・ビョンジュは命を助けてくれれば、ミルプン君とイ・インジャの居場所を教えるとパク・ムンスに頼み込む。一度はビョンジュの身の上に同情したムンスだったが、自分の命を救うために仲間を売ろうとする姿に呆れ、「憐憫も理解もそれを受ける資格が必要。お前は斬首どころではなく、八つ裂きにすべきだ」と言い捨てる。
ムンスのいう八つ裂きとは、両手両脚を牛に括り付けられ四方別々に牛を勧める八つ裂きにする“車裂(コヨル)”刑のこと。詳しくは「イニョプの道」3話「■豆知識:残酷な拷問」で解説。
山中の反乱軍の基地。援軍を集めに行っていた部下から、イ・グムが反乱軍の同調者を許し味方に付けたため、名乗り出る者がいなかったと報告を受けたイ・インジャは、ミルプン君を囮にして逃走する計略を巡らせる。何も知らないミルプン君に、「恐怖から今は遠ざかっている民たちも、殿下(ミルプン君)が励ませばまた立ち上がる。頼りにしているので、山を下りて民たちを連れてきてほしい」と説得し、数人の護衛を付けて下山させる。
その頃、基地から姿を消したユニョンはタルムンの前に姿を見せ「死ぬならあなたの手で死にたい。それくらいの手柄なら私にもさせてあげられる」と、いう。タルムンはアジトに来たイ・グムに、自分がユニョンを匿っていて、彼女がミルプン君たちの居場所を教えてくれた、と話す。そして、内禁衛に引き渡せというならそうするが、命だけは助けてほしいと、跪いてイ・グムにユニョンの助命嘆願する。宮殿に戻ったイ・グムを案じるヨジ。そんなヨジンを見つめ、タルムンの心情が自分と同じだと理解したイ・グムは、「何があろうとただ一人の人を助けたいという気持ち、私がお前を想うように…」とヨジに想いを告げる。
タルムンの恋は終わっていなかったのか。許されないとは知りつつ、重罪を犯したユニョンの命乞いをどんな言葉でするのか。タルムン役のパク・フンの唇を震わせる切ない演技と泣かせる台詞をお聴き逃しなく。
イ・グムはパク・ムンスにミルプン君とイ・インジャの居場所を教え、捕えるように命じる。彼らを生け捕りにするためにパク・ムンスが出発する。その頃、タルムンは家一軒買える大金をユニョンに渡し、護衛をつけて逃がしてやる。ところが船着き場についたユニョンは、変装して村を歩くミルプン君を見かける。そして戻って来た護衛から、官軍がミルプン君を逮捕するために来ていると聞き、イ・インジャがミルプン君を囮にしていると気づく。一方、脱出を図ろうとするイ・インジャをパク・ムンス率いる官軍が取り囲み…。
■豆知識:イ・グムの大岡裁き
イ・グムは、反乱軍の家族や同調者たちへの連座を禁じた。なんとも人情味のある裁定を下したイ・グムだが、モデルとなった実在の英祖も李麟佐の乱では、首謀者だけを処刑して連座を禁じ、党派に偏らない人材登用もした。罪人に対しても惨い圧膝刑を廃止し、死刑執行に関しても慎重を期すなど、罪人の人権に対しても新しい考え方を持っていた。民衆が自身の無実を王に直接訴えられる申聞鼓制度を復活させたのも英祖だ。(「朝鮮王朝第21代王・英祖」紹介「▼評価と業績▼」より)。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14-08.29 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】