Kゾンビ|ユ・アイン主演『#生きている(原題:#Alive)』2020年最も新鮮なサバイバルスリラー!鑑賞レポ&韓国での評判をご紹介!

2020年09月10日09時30分 
(2020年09月10日09時53分 更新)
映画
Netflix映画『#生きている』9月8日独占配信開始

【韓国映画】『ベテラン』『バーニング 劇場版』のユ・アインと『7番房の奇跡』『沈黙、愛』のパク・シネと共演する映画『#Alive(英題)』(邦題『#生きている』)。9月8日(火)からNetflixで独占配信されることが決定!今回は一足お先に鑑賞レポ、そして韓国での評判などをご紹介したい!

なお、現在9月8日(火)からNetflixで独占配信に伴いYoutubeにて4分超の本編映像が公開されている(関連記事)。

『#生きている』はデジタルネイティブ世代の若者がゾンビと対峙するサバイバル・スリラー。『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後の世界を舞台にした「ペニンシュラ(原題)」、“時代劇×ゾンビ”が話題となったドラマ「キングダム」など、新たなムーブメントを起こしている、韓国ゾンビ・ムービー。本作品は韓国で6月24日に公開されたが、 これまでに見られなかった「独創的なゾンビ・ムービー」と話題になり公開から僅か5日間で累積観客数100万人突破(コロナ流行後で初と言われている)、21日連続興行1位を記録!低迷した映画界が再び活気を取り戻すきっかけの作品だと言われている。

主演を務めるのは、映画『王の運命 -歴史を変えた八日間-』でソン・ガンホ(『パラサイト半地下の家族』)とともにダブル主演を務め、『ベテラン』、『バーニング劇場版』などのヒット作で一躍注目を集めたユ・アイン。『王の運命~』では、韓国で最も権威ある賞のひとつ、青龍映画賞で主演男優賞を受賞し、ドラマ「六龍が飛ぶ」では、“韓国のゴールデングローブ賞”こと百想芸術大賞で男性最優秀演技賞を受賞するなど、人気だけでなく演技力も兼ね備えた実力派俳優だ。
そして共演は、ドラマ「相続者たち」アルハンブラ宮殿の思い出」をはじめ、映画『7番房の奇跡』、『沈黙、愛』などの人気作品に引っ張りだこの人気女優パク・シネ。

主人公であるゲームオタクのオ・ジュヌ(ユ・アイン)が冒頭から見せる姿は正に「ザ・韓国男子」と言っても過言ではないほどリアルな若者の姿だ(日本以上にネットゲームが浸透している韓国では、特に若者の男子達はゲーム大好きな人が多い)。いつものように友人たちとオンラインゲームを楽しんでいたところ、突然「凶暴化した人々が人間に襲いかかっている」という驚きのニュースが。外を見ると、近隣マンション一帯は既にパニック状態、恐怖と混乱で逃げ惑う人々で溢れかえっていた…。

このように序盤からかなりスピーディな展開を見せ、なぜこんなことになったのか?原因やウィルスに関する説明などは一切ない。そのため視聴者も何も分からずモヤモヤとするかもしれないが、それが寧ろ主人公と同様の恐怖感を味わうことになり、一気に映画の世界観にのめり込むことになる(実際にパク・シネもインタビューにて、余計なものがないスピーディな展開を本映画のポイントだと明かしている)。
そしてあっという間に事態はどんどん悪化していき、緊迫感は最高潮に!状況が分からずテレビのニュースやSNSの情報に惑わされつつも、生きるために外に逃げるか、家で耐え忍ぶか?家族や友人の安否は?食料は?…このような生死をかけた究極の選択を迫られ極限に追い込まれた主人公が、孤立した生存者として細やかに描かれている。この前半部分は、正にこれまでのゾンビ映画とは一線を画した、斬新なストーリー展開と言えるだろう。更にユ・アインの演技がまた秀逸で、彼にしか出せない独特の雰囲気がよりこの映画を魅力溢れるものにしている。また主人公がデジタルネイティブ世代ということでVR機器やドローン、SNSを使いこなすシーンが登場するのも、正に2020年の今だからこそ見れる映画だろう。

正直に打ち明けると、韓国で話題にはなっていたものの「またゾンビ映画か…」と高を括って視聴開始したため、冒頭から予想外の展開に驚き「これまでとは違う!」と一気に引き込まれた。食料が底を尽きていくも改善の兆しすら見えない不安や恐怖感、突然家族を失い一人になった絶望感や喪失感…。実際に謎のウィルスが蔓延したら、自分ならどのように行動するだろうか?特に2020年現在、コロナによって我々の生活は大きく変わり自粛生活が長く続いたこともあり、この映画を見て何かと考えさせられることも多いだろう。ゾンビ映画にもかかわらず共感してしまう、そんなリアルさを持ち合わせた不思議な作品だ。

このように序盤はジュヌが一人奮闘する姿が描かれるが、中盤にようやくヒロインのキム・ユビン(パク・シネ)が登場。ぞれぞれ孤独なサバイバル生活を送ってきた対照的な二人の交流は、これまでの緊迫ムードからは一転、笑えるシーンも多い。貴重な食事シーンでは、思わずインスタントラーメンが食べたくなるはず!そして後半はついに二人がゾンビと対峙し、いわゆる誰もが想像する「ゾンビ・ムービー」といえる展開が待ち受ける!パク・シネがワイヤーを使ってマンションのベランダから飛び降りるシーンなど、アクション部分も注目だ。

しかしながら韓国においての評判は、前半に比べると、後半は緊迫感はありながらもリアルさが欠けているとの指摘も多く見受けられた。勿論ゾンビ・ムービーという時点でリアルさを求めるのもおかしいが、本映画に関しては特に前半部分で共感するリアルなシーンが多かったからこそ、なぜこの段階でそんな行動に出るのか!?など余計に気になってしまったようだ。そしてそのままラストシーンまでノンストップで駆け抜けるため、その感情が強いまま終わってしまったのではないかと推測される。このように、前半部分はかなり斬新で面白いが、やはり後半〜終盤のイメージが多く残ってしまうからか、韓国での総評は厳しめ(実際に鑑賞した立場から見ると、前半の面白さからもう少し良い評価でも…と思ってしまうほど)。勿論ゾンビと戦うアクションシーンとしては迫力もあるのでご心配なく。単純にゾンビと体当たりで闘う!というこれまでの映画とは一線を画した内容であり、従来のイメージを覆したことだけでも、十分見る価値はあるだろう。

このように前半と後半で全く異なる魅力を持った本作品は、ハラハラしながら楽しく鑑賞することも、極限に追い込まれた人間のリアルな姿をじっくりと鑑賞することも出来、楽しみ方は人それぞれだ。主演のユ・アインはインタビューにて「2020年最も新鮮なサバイバルスリラー」と宣言し、またパク・シネも「単純な感染者スリラーではない」と魅力を熱く語っている通り、 今注目される“ゾンビ・ムービー”の新たな楽しみ方ができる本作品、是非ともチェックしていただきたい。

『#生きている』は、9月8日からNetflixで独占配信される。

長尺本編映像

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