副題に込められた意味は?NHK「アンという名の少女」第7回あらすじと見どころ:後悔は人生の毒!
アンの失敗でダイアナと絶交させられて1か月後、二人は再び親友に戻ることができる!一方、ギルバートの家では…NHKBSプレミアムで放送の「アンという名の少女」(全8回)次週5月15日(月)放送の第7回のあらすじと見どころ、豆知識では副題についても紹介、Youtube「NHKエンタープライズ ファミリー倶楽部」チャンネルにてシーズン1のPR映像が公開中だ。
※2020年NHK総合で放送したときに紹介したあらすじです。
「アンという名の少女」は、カナダの小説家ルーシー・モード・モンゴメリによる小説『赤毛のアン』をカナダCBCとNetflixにより共同製作したテレビドラマシリーズ。全3シーズン制作され、NHKでは1シーズン(全7話)を8回で放送。
※【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】では、各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介している。
前回(6回)、マシューから袖が大きく膨らんだパフスリーブの素敵な洋服をプレゼントされ、おしゃれして家族3人で教会へ向かい幸せ気分を満喫したアンだが、ダイアナとの絶交は続いたまま…。ところが、第7回でアンの機転で親友に戻れる。果たしてアンはどんな機転を利かすのか?6回のマシューの淡い初恋に続いて、7回ではマリラの切ない恋も明らかに。家族愛や友情、教師と生徒のスキャンダラスな愛など描かれてきた本作で、今回は同性愛についても描かれる。
※以下、詳しいあらすじを知りたくない方は、「みどころ」をご覧になって、「あらすじ」は確認用にどうぞ。
第7回:後悔は人生の毒
多くの大人たちが首相の演説を聞くために街へ行った夜、取り乱したダイアナが「妹のミニー・メイが死にそうだ」とアンの元へ駆けつける。ミニー・メイがクループ症状を発症していると察したアンは、マシューに医者を呼びに行ってもらい、ダイアナと一緒にバリー家へ。ダイアナの家には大おばのジョセフィンがいたが、子育ての経験のない彼女には対処法が分からず、子守の経験があるというアンに従うしかない。アンの適切な処置のお陰でミニー・メイの症状が治まる。駆けつけた医師は適切な処置に驚き、ジョセフィンも子供と思えない冷静な対応だったとアンの聡明さを医師に伝える。翌朝、マシューから昨夜の顛末を聞いていたマリラはアンを褒め、バリー夫人がアンに謝罪に来て、またダイアナと仲良くしてほしいと言ってきたと伝える。こうしてアンとダイアナはまた親友に戻れる。
一方、ギルバートの病床の父・ジョンが息を引き取る。葬儀に参列したマリラはお互い好意を抱いていた娘時代のことを思いだす。涙をこらえるギルバートの手のひらの雪が涙のように流れ落ちる。アンはそんな彼を慰めようと、「孤児だった自分より運がいい」と言ってしまい怒らせてしまう。
後悔とギルバートの態度に苛立つアンは、森の空き家で一人悪態をつく。散歩中のジョセフィンが通りがかり、アンの心の底の恋の芽生えを言葉にし、「自分の望みに素直に従うべき。時間をかけて何をしたいのかを探すように」と言う。「他の女の子が考えるような“妻”にはなりたくない」と答えるアンに、「人はみな自分らしい道を見つけるべき」と助言する。
帰宅したアンは、「自立しているジョセフィンを人生のお手本にしたい」と興奮してマシューに話す。マリラは一人部屋に戻ってかつてのジョンからの手紙を見て涙を流す。
バリー家でギルバートを元気づけるためのパイ作りをするアンたち。ダイアナとルビーと3人で届けに行くが、礼をいうギルバートにぎこちない言葉を残して飛び出すアン。恋愛はしないと決めながらも、ギルバートへの気持ちを持て余すアンは、マリラに結婚したかったかどうかを尋ねる。マリラは、兄が死んだ後、落ち込む母の傍で家を支えるために自らの恋を諦めたと打ち明ける。
一方、町に買い物に出たマシューは、店で見かけたギルバートに声を掛け、彼に農家を継ぐつもりがないと知る。そして、ダル・マリー号が沈没したと店主から聞く。その船にはマシューが出荷した作物が積み込まれており、保険に加入していないため損害は補償されないらしい。驚くマシューは・・・。
ある決心をしたギルバートは、出くわしたビリーと喧嘩し、今後二度とアンをいじめるなと忠告する。そして、父ジョンの墓前に佇んでいたマリラと父を語り合い、父がマリラと一緒になりたがっていたことを知る。
葬儀の日の失言を後悔するアンは謝罪の手紙を書こうとするもペンが走らず、ジョセフィンに会いに行く。「涙は愛の代償」とアンの前でも泣き親友を偲び涙ぐむジョセフィン。ジョセフィンのように「知性を最大限に生かして恋愛などしない」と尊敬の念を口にするアンに、女性である親友と自分なりの結婚をしたと話し、「後悔のない人生を送るように」と諭す。その言葉に背中を押されたアンはギルバートに謝ろうとブライス家に向かうが…。
見どころ
ダイアナの気難し屋の大おばのジョセフィンはアンの聡明さに驚くが、それはアンの辛い過去の産物。一方、父の死に悲しむギルバートへの無神経なアンの言葉は、愛されることも労わられることもなく、過酷な経験と書物で仕入れた知識で育ったため。このアンバランスさが彼女の辛い人生を物語っているようで、どうにもやりきれない。
ちなみに、アンが看立てた「クループ症状」とは、のどの奥(喉頭)が狭くなり、空気が十分に吸い込めなくなったり、特有の咳が出たりする病気の総称。犬やオットセイの吠え声に形容されるため、「犬吠様咳嗽」(けんばいようがいそう)とも呼ばれている。また、ギルバートに届けたシェパードパイは、ミートソースにマッシュポテトを乗せて焼いたイギリスの家庭料理。
お互い好意を持っているようなアンとギルバート。かつてジョンがマリラの髪に結んでやったブルーのリボンは、今はアンの髪に結ばれているが、どうも今のところ子世代は歯車があわないようだ。
そして気になるのが、船の沈没の話を聞いたマシューの行動。このマシューの行動が最終回だけでなく、シーズン2にまで影響を及ぼすことになる。
豆知識:副題に込められたジェーン・エア愛
パイを焼いて大騒ぎするアンたちに苦情を言うジョセフィンに、アンが「耐えられないというのは弱く愚かな人です」と、なんとも失礼な言いぐさ。これはジョセフィンが手にしていた小説『ジェーン・エア』(シャーロット・ブロンテ著)を見て発した第6章の一節。第1話でもアンが『ジェーン・エア』の名言を口にすると紹介したが、実は、各回に付けられた副題も、『ジェーン・エア』に登場する人物のセリフなのだ。ひと足早く全副題を以下に紹介すると…。
第1・2回「運命は自分で決める」(前・後編)、第3回「私は罠(わな)にはかからない」、第4回「若さとは強情なもの」、第5回「宝物は私の中に」、第6回「固く結ばれた糸」、第7回「後悔は人生の毒」、第8回「あなたがいてこそ我が家」
これらの言葉が、小説の第何章にでてくる誰のセリフかが知りたい方は、NHK海外ドラマ「スタッフブログ」で、原語と一緒に紹介しているので参考にされたい。
■キャスト(声のキャスト)
アン・シャーリー:エイミーベス・マクナルティ(上田真紗子)
マリラ・カスバート:ジェラルディン・ジェームズ(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン(浦山迅)
ダイアナ・バリー:ダリラ・ベラ(米倉希代子)
ギルバート・ブライス:ルーカス・ジェイド・ズマン(金本涼輔)
レイチェル・リンド:コリーン・コスロ(堀越真己)
ジェリー・ベイナード:エイメリック・ジェット・モンタズ(霧生晃司)
■原作・制作
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
◇NHK番組サイト
2023年4月3日-5月22日 月22:00-22:45 NHKBSプレミアム
2020年9月6日-10月25日 日23:00-23:45 NHK総合
◇NHK|どーがレージ「アンという名の少女」予告動画
【シーズン1作品紹介】【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】