田中邦衛さん追悼特番『北の国から’87初恋』4月3日(土)フジで放送

2021年04月03日00時04分ドラマ
画像:フジテレビより

俳優の田中邦衛さんが3月24日(水)、88歳で逝去したことを受け、フジテレビでは予定を変更して明日4月3日(土)に、追悼番組『北の国から’87初恋』(21:00~23:10)を急きょ放送する。Youtube「KODANSHAcojp」チャンネルでは、「北の国から」シリーズのダイジェスト映像が視聴できる。

映画『若大将』シリーズ、テレビドラマ「北の国から」などで活躍した俳優の田中邦衛さんが3月24日午前11時24分、老衰のため死去した。88歳だった。(以下、敬称略)

1932年(昭和7年)生まれの田中は、短大卒業後、中学での教員生活を経て55年に俳優座養成所に入所。1961年に映画『大学の若大将』で加山雄三演じる若大将のライバル・青大将役のコミカルな演技で人気に。一方で故高倉健や故菅原文太主演の任侠映画にも多数出演した。

「北の国から」は1981年フジテレビでスタート。北海道の富良野を舞台に、情けなく、みっともなく、しかし同時に逞しくも生き続けていく黒板家とその周囲の人々の人生を描く。田中は、妻と別れ2人の子どもと北海道・富良野で生活する、黒板五郎役を熱演した。原作・脚本を手掛けた倉本聰は、「主人公の黒板五郎役には、情けなさそうな人物の父親像ということで田中邦衛を抜擢した」と、愛情深く語っていた。ドラマは大ヒットとなり、田中邦衛の特徴ある演技は、さだまさしの作曲・スキャットの主題歌「北の国から〜遥かなる大地より〜」と共に、ものまねされるなど人気を博した。

異例の1年2か月間に及ぶ長期ロケを敢行し、しり上がりに視聴率を上げて最終回には20%を超え、平均視聴率も14.8%を記録した。全24話の連続ドラマの好評を受け、10年単位で子役の成長を追う大河ドラマというコンセプトで、スペシャルドラマ8編が放送され、常時視聴率20%超えを記録した。全ての作品がビデオ化されている。

明日急遽放送されることになった『北の国から’87初恋』は、スぺシャルドラマの第3弾。メインとなるエピソードは、吉岡秀隆扮する息子・純の初恋。少女・れい(横山めぐみ)との出会いを通して大きく成長していく。また、連続ドラマ時代のエピソードである草太(岩城滉一)とつらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)のドラマにも決着がつき、代わって2人の共通の友人であったアイコ(美保純)が初登場する。本作を通じて、子はいつか親を乗り越え、旅立っていくということをしっかりと描いており、シリーズ代表作のひとつとしてファンからの人気も高い。また、「いい子」蛍(中嶋朋子)は本作で見納めとなる。

本作では国民的とも言える名曲「I LOVE YOU」をはじめ、故・尾崎豊の楽曲も多様されているが、これは倉本が、本作の中心人物となる吉岡が強く勧められたからと知られている。

本作の演出を担当した杉田成道(日本映画放送 代表取締役社長)は、訃報の連絡を受け、フジテレビを通じて「邦さんという人はまさに五郎さんそのもので、むしろ五郎さんの方が邦さんに近寄って、その身体にすっぽり入り込んだような気がします。すべてにこだわらなくて、なんでも包み込むまさに日本の父でした」とコメントした。

幅広い世代に愛された日本の父、田中邦衛さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

■あらすじ
中学3年の純(吉岡秀隆)のニックネームはペンチ。電気製品に熱中して常にペンチを携帯、手当たり次第に分解しては物議をかもしている。そんな純が、大里という農家の裏に捨ててある奇妙な風力発電の風車を見に行く。車輪に鍋を組み合わせた風車に興味をそそられるが、それよりも大里家の娘れい(横山めぐみ)と出会ってその美しさに一目惚れしてしまう。れいは富良野の町の中学に通っているので、これまで知らなかったのだ。二人はほのかに好意を寄せ合い、付き合うようになるが、れいが中学を卒業したら東京の高校へ行くと聞いて、純もその気になる。しかし父の五郎(田中邦衛)には言い出せず、ひそかに東京の叔母雪子(竹下景子)に手紙を書く。一方純は、五郎の誕生祝いに自分で風力発電を完成させようと懸命になる。やがて、卒業も近づいてくる・・・。

■作品概要
プロデュース: 山田良明
監督:杉田成道
原作・脚本:倉本聰
撮影:竹越由幸
美術:根本研二
照明:本間利明
音楽:さだまさし
出演:田中邦衛/吉岡秀隆/中嶋朋子/地井武男/美保純/レオナルド熊/横山めぐみ/布施博/坂本長利/古尾谷雅人/岩城滉一/竹下景子 ほか

フジテレビュ‼!
Youtube「KODANSHAcojp」チャンネル|「北の国から」ダイジェスト映像