【韓ドラコラム】「風と雲と雨」歴史:哲宗(チョルジョン)、朝鮮最後の王位争奪戦を解説
パク・シフが「王女の男」以来9年ぶりに時代劇の主演を務めた「風と雲と雨」は19世紀後半の朝鮮末期が舞台!当時がどんな時代だったのかを知っておくとドラマが2倍楽しめる。そこで今回はドラマと照らし合わせて歴史を解説しよう。
Youtubeにて第1回(約32分)が特別公開されている。
■「風と雲と雨」ってどんなドラマ?
「風と雲と雨」は朝鮮最高の観相師(パク・シフ)と神力を持つ王女(コ・ソンヒ)との運命に翻弄される愛の行方と王位争奪戦を描くアクション・ロマンス時代劇。壮大な歴史ドラマに四柱推命・サイコメトリーを絡め、パク・シフとコ・ソンヒとの切ないロマンスも見どころ。
時代背景は「カンテク~運命の愛~」の後に続く時代で、「哲仁王后 俺がクイーン!?」や「客主」と同時代。
・同じ時代のドラマを確認するなら⇒【ドラマの年表:朝鮮王朝】
・朝鮮王朝歴代の王を知るなら⇒【朝鮮王朝系図】
@navicon■安東金氏による勢道政治
19世紀後半、朝鮮王朝第25代王・哲宗(チョンジョン)が統治した時代は、世界中で帝国主義が渦巻き、鎖国を続ける朝鮮を列強が狙っていた。そんな中、朝鮮国内では外戚・安東金氏が「勢道政治(国王の信認を得た特定の人物や集団、国王の外戚が仕切る政治)」で王朝を支配していた。一族を統率していたのは第23代王・純祖(スンジョ)の正室だった純元(スンウォン)王后だ。外戚がのさばる中、成人した純祖は豊壌(プンヤン)趙(チョ)氏を重用して安東金氏に対抗させようと、趙氏一族の娘を息子の孝明世子の妃に迎えて政治を任せるが、1830年頼みの孝明世子(ヒョミョン)が亡くなり計画は水の泡。純祖自身も4年後に45歳でこの世を去る。勝ち気な性格の純元王后は純祖の亡き後も権力を放さず、孫・憲宗(ホンジョン)を操って政治の主導権を握り続けた。
※ドラマでは安東金氏を壮洞(チャンドン)キム氏として描いている。
画像:Youtubeより
© 2020 TV Chosun 哲宗(チョン・ウク)ところが、1849年に憲宗が22歳で後継ぎを残さず急死し次期国王の候補者がいない。そこで純元王后が政権維持のために目をつけたのが元範(ウォンボム)という青年。彼は王族とは名ばかりで江華島(カンファド)で農業をしており、漢字すらも読めず無学だった…それが哲宗だった。
© 2020 TV Chosun イ・ボンリョン(コ・ソンヒ)※ドラマでチョン・ウクが演じる哲宗は病弱で意志が弱い王として登場する。哲宗には故郷の江華島で暮らしていた時代に愛した女性(ワン・ビンナ)がおり、それがイ・ポンリョン(コ・ソンヒ)の母という設定。つまりボンリョンは王の娘で、側室が産んだ娘と同等の翁主(オンジュ)の身分。ボンリョンには予知能力があり、金氏一族はそれを利用しようと彼女を急ごしらえの翁主とする。これによりボンリョンの運命が激変していく。哲宗はそんな娘と母親を必死に守り抜こうとする。
© 2020 TV Chosun イ・ハウン(チョン・グァンリョル)■朝鮮最後の王位争奪戦
1857年に純元王后が亡くなると、故・孝明世子の妃で神貞王后(シンジョンワンフ)趙(チョ)氏が大王大妃として政治の世界に返り咲く。大きな権力を手にした彼女は安東金氏を押さえて王権を強めるために言いなりにできる次期国王捜しに奔走する。そんな神貞王后が目をつけたのが興宣君(フンソングン)李昰応(イ・ハウン)だった。興宣君の家門は没落しており王族から蔑まれ底辺の暮らしをしていたが、彼には3人の息子がいた(最初の子は庶子)。
画像:Youtubeより
© 2020 TV Chosun シンジョン王后(キム・ボヨン)※ドラマの中でキム・ボヨンが演じるシンジョン王后が豊壌趙氏の一族の神貞王后。そして朝鮮の命運を握る“表の英雄”がチョン・グァンリョルが演じるイ・ハウン(興宣君)で、パク・シフ扮するチェ・チョンジュンが“影の英雄”として登場する。ちなみに主役カップルのチョンジュンとボンリョンは架空の人物。
© 2020 TV Chosun チェ・チョンジュン(パク・シフ)こうした時代背景で、チェ・チョンジュンは易術の知識を生かして父を殺害したキム一族への復讐心と愛するポンリョンを取り戻すために立ち上がる。やがて復讐心から始まったチョンジュンの行動が世の中を正すための真の王擁立のためのものと変わっていき、多くの仲間が行動を共にする。果たしてチョンジョンは誰と手を組むのか?
キングメーカーたちの王位争奪戦を圧倒的な映像美で描く本格時代劇「風と雲と雨」のDVD-SET1~3は好評発売中。2022年5月3日よりテレビ東京にて地上波放送する。
「風と雲と雨」
DVD-SET1~3発売中
各14,740 円(税抜13,400 円)
※DVD 好評レンタル中
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
© 2020 TV Chosun
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【「風と雲と雨」を2倍楽しむ】では、2020年オンラインで開催された制作記者会見のレポートや見どころ、インタビュー、メイキング動画など共に、ドラマ視聴に役立つ年表や図表を用意している。また放送にあわせてあらすじと見どころ、実在人物・事象も詳しく紹介していくので視聴の参考にどうぞ。
◇「風と雲と雨」公式サイト
◇Youtube「風と雲と雨」第1回特別公開
◇テレビ東京「風と雲と雨」番組公式サイト
2022年5月3日スタート 月~金8:15-9:11
◇U-NEXT
【作品詳細】【「風と雲と雨」を2倍楽しむ】