韓国ドラマ「緑豆の花」第20話あらすじと見どころ:届かない軍需物資、戦争と革命の違い

2022年08月13日21時00分 
(2023年04月03日23時56分 更新)
ドラマ
©SBS

イヒョンに弱みを握られたソン・ボンギルは…農民たちによる反乱の渦中で、運命が変わってしまった異母兄弟(チョ・ジョンソク×ユン・シユン)の過酷な運命を描く本格時代劇「緑豆の花」(全24話版)の第20話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識など紹介する。日本版予告動画はYoutubeにて視聴できる。

「緑豆の花」は1894年、世界の歴史をも揺るがした東学農民革命(甲午農民戦争)の歴史の中で農民軍と討伐隊に分かれて戦わなければならなかった異母兄弟の波乱万丈なヒューマンストーリー。【「緑豆の花」を2倍楽しむ】では時代背景や各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介していく。
※ここで紹介する内容は、あくまでもドラマを楽しむためものです。皆さんが知る歴史認識と異なる部分もあることをご理解の上お読みください。



■キャスト抑えておくべき13人
ペク・イガン役:チョ・ジョンソク
ペク・イヒョン役:ユン・シユン
ソン・ジャイン役:ハン・イェリ
チョン・ボンジュン役:チェ・ムソン
ペク・カ(マンドゥク)役:パク・ヒョックォン
ファン進士(ソクジュ):チェ・ウォニョン)
ファン・ミョンシム役:パク・ギュヨン
ボドゥリ役:ノ・ヘンハ

■第20話:曉諭文と届かない軍需物資 ※豆知識
ソン・ジャイン客主が義兵に物資を流そうとしていたことをつかんだイヒョンは、チョン・ボンジュンを裏切り、物資を元に戻せばソン客主のことを伏せるとボンギルを脅す。ボンギルはちょうど訪ねてきたイガンを引き止め、明日開港場の物心を参禮に運んでほしいと用件をイヒョンに訊かれてしまい、ますます申し開きできない。イガンが帰るとすぐにイヒョンの提案をのむ。

翌朝、開港場から軍需物資と弾丸を積み込んだジャインはチェ行首と別れて参禮に向かう。大都所からもチョン・ボンジュン率いる東学軍が出発する。古阜でも村人が次々と手を上げ義兵になり、ミョンシムも執綱所を手伝う。ファン進士も両班たちを集め王を護衛する近衛兵を結成する。

その頃、王宮には東匪が再結成したという噂を聞いた日本側が国王、高宗に、参禮の暴徒たちをなだめる曉諭文(ヒョユムン)を送るよう詰め寄る。黙り込む高宗に、武田は彼らが本当の国を思う義賊なら国王に従うはず、従わなければ逆賊だとも。高宗は、長く内政に関わっていないから、東匪の件は軍国機務処に相談せよと答えるが、協力しなければ高宗が暴徒の黒幕と疑うと井上馨が恫喝する。
※軍国機務処:日本の圧力で、急進的な近代化改革(甲午改革)を推進するために1894年7月27日に設置された朝鮮の官庁。

軍国機務処では、朝鮮の官軍を日本軍に組み入れ朝日連合軍を結成すると発表。イ・ギュテたちはこれに反対を唱え、国王の命令がなければ動けないと撤回を求める。ところが、高宗が参禮の義兵たちに曉諭文を出すと聞き愕然とする。

その頃、開港場に出向いたイヒョンは、武田宛に『東匪に対する有益な情報が多いので、憂慮が喜びになるはず』と電信で報告してもらう。
一方、村々には早々と国王からの『降伏せぬ者は全員誅滅し、断じて許さない』で締めた曉諭文が掲示される。国王の裏切りを知ったチョン・ボンジュンは、これが日本側の反撃の始まりと笑い飛ばすしかなかった。そして、東匪を止めることができなかった全羅監察使キム・ハクジンは罷免に処される。

古阜では、曉諭文を読んだ両班たちの多くが心変わりをし、東匪と行動を共にはできないと言い出す。ファン進士からこの報告を受けたパク郡守は、意気地なしの両班たちに呆れる。それでもファン進士はもはや近衛兵とも名乗れないわずか10名ほどの同志と参禮に向かう決心を固める。なぜと聞くミョンシムに、真の両班になるためにと答え、弟子を戦場に送り、掟に縛られ勒婚された妹の苦しみさえ無視した獣にも劣る両班と戦うため。ファン・ソクジュの良心、ミョンシムを守るため。生きて帰ったらいい兄として生きると、約束する。

緑豆の花©SBS / パク・ウォンミン(キム・ハギュン)パク郡守から近衛兵の副官になる気はないかと問われたオクセは、両班たちの使いッ走りはまっぴらと、休職届を出す。そしてイガンと一緒に戦うとユウォルに報告する。それを聞いたナム・ソバンもまた参禮に行く決心を固め、執綱所を守るユウォルに別れを告げる。

その頃、チョン・ボンジュンはイガンに何のために戦うのかと問い、イガンは、自分の家族、自分の村、そして新しい人生をくれた執綱所を守るためと答える。そして国王がなんと言おうとも参禮に集まった人たちこそが、将軍(チョン・ボンジュン)が言った本物の義兵田知ですと。そんなイガンにチョン・ボンジュンは、“戦争”は憎悪が生み出すが、義兵たちの戦いは愛が生み出す“革命”だと教える。そして国王がその機会をくれた、これからは振り返らずに走るだけだとも。

翌朝、両湖都巡撫営の指揮がイ・ドゥファンとイ・ギュテが任される。軍は日本軍と連合し朝日連合軍として参禮に向かって出征する。
※両湖都巡撫営(ヤンホトスンムヨン):1894年9月22日~12月27日までの95日間、東学農民軍鎮圧のために運用した特別指揮部。

全州では、ジャインと合流するチェ行首が、各道任房の行首たちを集めてそれぞれ集めた軍需米と物資を参禮に運ぶよう指示し、今後は行商人も義兵だと鼓舞するが、行首たちは視線を逸らす。そこにボンギルがやってきて、東学に協力する計画はつぶしたと話す。その頃、チェ行首を待つジャインたち一行の前に、イヒョンが現れる。そしてチェ行首が手配した軍糧米は元の主に返すという。

その頃、別動隊の面々は回旋砲を前にジャインが弾薬を持ってくるのを待っていた。そこにトンノッケの2人甥っ子たち、イ・ソンゲとイ・バンウォンたちも続々と義兵に参加するためにやってくる。イガンはオクセやナム・ソバンと再会する。そしてその中にはファン進士率いる両班たちの姿もあった。食糧持参でやってきたというファン進士たちは、儒林部隊へ合流することに。チョン・ボンジュンはファン進士に謝意を伝える。チョン・ボンジュたちも忠清道の北接と合流しなくてはならないが、ジャインが運ぶ弾薬が届かず身動きできない。
※儒林(ユリム):儒学者の仲間。

全州旅閣では、ボンギルがジャインの命を守るためとチェ行首を引き留めていた。チェ行首は10年前自棄になっていた自分を叱責してくれたボンギルが、なぜこんな男になり下がったのかと、怒号する。そんな義兄弟に自らの余命がわずかだと打ち明け、自分が死ぬのは怖くないが、お前たちに先立たれるのが怖いと、卑怯な手段の言い訳を話した。チェ行首は、ジャインの命を救い、裏切り者にしないためにチョン・ボンジュンの元へ向かう。
※壬午軍乱(イミグンラン):1882年朝鮮の旧式軍隊が起こした兵乱詳細説明。軍人だったチェ・ドッキは「同じ国民同士が戦うために軍人になったのではない」という理由で退役した。
その頃、イヒョンにより足止めされたジャインは、弾薬が朝日連合に渡ると聞き、この弾薬で義兵たちが殺されるのをイヒョンがどんな顔を見るのか、しっかり見届けると告げる。複雑な心境だと答えるイヒョンは、弾薬が義兵たちに渡ったところで何も変わらない、初戦で撒けた方が犠牲は少ない、文明国の戦争とはそんなもの。首脳陣は死亡するが、多くの善良な義兵は故郷に帰れるとも。その首脳部に兄イガンもいるのだというジャインに、自らの選択で死ぬのはいいものだと言い放つ。

しびれを切らしたイガンが全州に行こうとしたとき、チェ行首がチョン・ボンジュンにイヒョンに参禮に向かう物資を抑えられたと報告し、謝罪する。ボンギルがジャインの命と引き換えに取引したと。ジャインには罪はなく、行首である自分の責任だと処刑の覚悟を伝える。イガンは日本側に抑えられたジャインを思い、ジャインもまたイガンを思っていた。

戦略会議。朝日連合軍は、朝鮮4000名と日本2000名。東学農民軍の方が兵士の数では圧倒しているが、敵は大砲、回旋砲、洋銃で武装。こちらは大砲などあっても弾薬がないために仕えない。チョン・ボンジュンは我々には何もないが、守るべき国と民心、守り抜く闘志がある。戦争の勝敗はわからない。だが戦わなければ、文明の仮面をつけた野蛮人に支配されることだ。改めて戦う意志を確認し、イガンに続いてみんなが戦う意志を示し、チョン・ボンジュンは公州陥落を目指し全軍出征を命じ、途中でソン・ビョンヒ率いる北接・忠清道の義兵と合流する。一方、キム・ゲナムたちはチョン・ボンジュンたちが漢陽に進軍しやすくなるよう清州を抑えに出征する。

緑豆の花『東学革命軍慰霊塔』その頃、イヒョンは武田を再会し、ジャインを協力者だと話す。そして弾薬を抑えたために東学軍が大砲や回旋砲が使えないことを確認し、東学はすぐに降伏か、和約を求めると説明するが…。そこに戦況の第一報として、利仁で監営軍が劣勢との知らせが入る。
※牛禁峙(ウグムティ/ウグムチ):現在の忠清南道公州市にある峠で、公州牛禁峙戦跡には『東学革命軍慰霊塔』がある。

東学軍は牛禁峙の近くに駐屯地を設営し、チョン・ボンジュンは公州牛禁峙が勝負所になるとにらむ。

イヒョンは、降伏であれ和約であれ東匪は生き残れないと呟いた武田の言葉が気になり確かめる。日本側は東学軍を全員殺戮することを戦略に掲げていると知り愕然とする。一方、東学農民軍武器で劣勢であることを理由に全員で総攻撃する作戦に出る。



■見どころ
20話では、チョン・ボンジュンの欺瞞策をジャインが手伝ったことをイヒョンが見破ったところから、牛禁峙の戦いの幕開けまでが描かれた。近代的な日本軍に対して、ほぼ丸腰、兵の数だけの東学農民軍がどう戦うのか次回に期待が高まる。

やっと同じ道を進もうと決心したイガンとジャインが、イヒョンとジャインの父ボンギルのためにまたも違う道を歩くことに。「お嬢さんは自分が命がけで守ります」というイガンの言葉をボンギルはどう聞いたのか?一方、どこまでもジャインに寄り添い守り抜こうとするチェ・ドッキ行首が今回も素敵に描かれている。

今回は、オクセ、ナム・ソバン、そしてファン進士までが立ち上がったが、特にファン進士が、自らを恥じ入り、真の両班となるために参戦すると妹ミョンシムに話すシーン、チョン・ボンジュンに頭を下げて仲間入りするシーンに胸が熱くなる。

そんな中でも、今回一番の見どころはチョン・ボンジュンとイガンの会話。チョン・ボンジュンの言葉は毎回胸を打つ台詞を吐いているが、今回の“革命”は、チョン・ボンジュンの信念と決意がしっかり伝わる名言だ。

SBS「녹두꽃」番組サイト
 2019年4月26日~7月13日(全24話(48部作×30分))
公式サイト
 DVD-BOX1~3 発売中
予告編

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