日本でもNetflixで独占配信され、人気を集めた韓国ドラマ「シスターズ」。9月3日に放送を開始し、第1話の視聴率はニールセンコリア6.395%、首都圏6.931％とまずまずの滑り出しとなった。その後も7～8％台という安定した視聴率を記録し、最終話にはなんと全国11.105%、首都圏11.968%という高視聴率を叩き出した！今回は、人々を魅了させたドラマ「シスターズ」の魅力について紹介していこう。



「シスターズ」 は、貧しい家庭に生まれながらも仲睦まじく生きてきた仲の良い3人の姉妹が巨大な事件に巻きこまれ、韓国で最も裕福で有力な一族に各々の方法で立ち向かっていくドラマだ。【「シスターズ」を2倍楽しむ】では、各話のネタバレあらすじや見どころ、豆知識などまとめて紹介している。

■個性豊かな三姉妹が、それぞれのやり方で成功を目指す！
ドラマの主人公となる三姉妹を演じたのは、「トッケビ～君がくれた愛しい日々～」「ザ・キング：永遠の君主」のキム・ゴウン、「100日の郎君様」のナム・ジヒョン、そしてNetflixオリジナルドラマ「今、私たちの学校は…」のパク・ジフだ。3人はそれぞれまったく違った魅力を持つ長女インジュ、次女インギョン、三女イネを演じた。

キム・ゴウン演じる長女のインジュは、漢江（ハンガン）が見渡せる高層マンションを手に入れるのが夢だと語るOL。妹想いでやさしい姉だが、どこかちょっと抜けているところも彼女の魅力だ。会社では女性社員らからのけ者にされていて、玉の輿を狙って結婚詐欺に引っかかった過去もある。ドラマの中盤で突然留学に行くと言い出した三女イネに向かって、「야!（日本語で、「おい」や「ちょっと」の意味）」と声をかけるシーンがあるが、これを見た韓国の視聴者からは、「一瞬うちのお姉ちゃんかと思った」「声のトーンがリアル過ぎて、思わず鳥肌が…」などのコメントが相次いだ。三姉妹の中でもっともリアルなキャラクターともいえるだろう。さらにキム・ゴウンといえば、第8話のエンディングで見せた渾身の演技に高い評価が集まっている。

次女のインギョンは正義感あふれる記者で、三姉妹の中でもっとも現実主義なキャラクターだ。長女のインジュが出処不明な金に手を出そうとした時も、真っ先に反対したのはインギョンだった。その一方で、平常心を保つためにアルコールに依存するという一面も。インギョンの机の引き出しからウォッカの大瓶が何本も見つかったときは、思わずハッと息を飲んでしまった。そんなインギョンを演じたのは、「100日の郎君様」でヒロインを演じたナム・ジヒョン。本作では、幼なじみのジョンホ（カン・フン）とのロマンスにも注目が集まった。一度は報道局をクビになってしまうインギョンだったが、転んでもめげずに何度も立ち上がるインギョンの姿に心を打たれた。

最後に、しっかり者であまり感情を表に出さない三女イネ。幼い頃からお金のせいで苦労ばかり強いられた上2人は、末っ子のイネには他の子と同じような生活を送らせたいと考える。しかし、そんな姉たちの気遣いがいつしか負担に感じてしまうイネ…。友人ヒョリンの母サンアから、ヒョリンと一緒に絵を描く代わりにお金をあげると言われた時、「純粋に自分の力でお金を稼げてうれしかった」と語るイネの姿が印象的だった。次第に実の姉たちよりもヒョリンとその一家に引き込まれて行くイネが心配にもなったが、最終的に三姉妹の未来を救ったのは他でもないイネだった。イネを演じたパク・ジフは、「20歳になって初めての作品ということもあって、ずっと記憶に残る作品になるだろう」と本作に懸けた想いを語っている。

こうしてまったく違った性格を持つ三姉妹が、ドラマを引っ張っていく。とくにはぶつかり、ときには心配し合いながら、ともに成長していく三姉妹の姿に思わずエールを送りたくなる作品だ。

■ファヨンの死。そして復活…
職場でのけ者にされるインジュの心の友として登場したファヨン（チュ・ジャヒョン）。そんなファヨンの突然の死から、物語はスタートする。唯一の救いだったファヨンの死を受け、悲しみに暮れるインジュ。そんなインジュの目の前に、ファヨンが横領したと思われる20億ウォン（約2億円）が姿をあらわす！

ほんの数日前まで、三女イネの修学旅行費120万ウォン（約12万円）の工面に追われていたインジュ。そんなインジュの前に突然20億という大金が姿をあらわし、彼女の人生は一転する。大金を手にしたインジュがどんな行動に出るのか。知らぬ間に巨大な闇に飲みこまれそうになってしまうインジュ、そして三姉妹の運命とは？

様々な憶測が飛び交うなか、11話のエンディングで衝撃の復活をみせたファヨン。法廷に現れたファヨンを見て、思わず絶句したのはいうまでもない。前作「グリーン・マザーズ・クラブ」でセレブな教育ママを演じたチュ・ジャヒョンが、本作では“省かれ者”のファヨンを演じる。すべての発端ともいえるファヨンを演じたチュ・ジャヒョンは、まさにシーンスティラーと言えるだろう。

■青い蘭の謎、ウォンリョン家に隠された秘密とは？
ドラマのカギを握るのは、オープニングのアニメーションにも登場する“青い蘭”だ。クローゼットで首を吊った状態で発見されたファヨン、その傍らには青い蘭の花が添えられていた。事件が起こる度に現場に登場する青い蘭は、別名「幽霊ラン」と呼ばれる蘭の一種で、実際にも非常に貴重な品種だという。ドラマを盛り上げた要素の1つとして本作の映像美が挙げられるが、その中でもひときわ存在感を放った青い蘭。ドラマの要所要所でこの青い蘭が登場し、視聴者の関心を引き付けた。

劇中でそんな青い蘭を韓国に持ち込み、独自に栽培していたのがウォンリョン家だ。ウォンリョン家の長であるウォン・ギソンは、ベトナム戦争の英雄と呼ばれた人物。そして、その娘サンア（オム・ジウォン）と夫ジェサン（オム・ギジュン）が最大の悪として登場する。ジェサンを演じたオム・ギジュンは、大ヒットドラマ「ペントハウス」シリーズで韓国ドラマ史上“最悪”とも呼ばれる悪役を演じ話題を呼んだ。本作でも前作に負けず劣らずの悪役っぷりを披露し、“믿고 보는（信じて観る）”悪役俳優としてのイメージを確立させた。

一方で、オム・ギジュン演じるパク・ジェサンの妻サンアを演じたオム・ジウォンは、悪役とは程遠いハツラツとした笑顔とキュートなトーンで視聴者を翻弄する。真の悪は一体誰なのか。最後の最後まで油断を許さない展開がつづく。

■ドラマを盛り上げる2人の男たち
ミステリースリラーやブラックコメディとして分類される本作だが、実はロマンス作品としても十分楽しめるドラマとなっている。そんな本作のロマンス部門を彩るのは、ウィ・ハジュン演じるチェ・ドイルとカン・フン演じるハ・ジョンホという2人の男性キャラクターだ。

まずは「ロマンスは別冊付録」「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」、そして社会現象を巻き起こしたNetflixオリジナルドラマ「イカゲーム」にも出演するウィ・ハジュン演じるチェ・ドイル。長女のインジュが勤めるオーキッド建設会社の海外法人財務本部長として、インジュと共にファヨンが横領した700億ウォン（70億円）の行方を追うドイルだったが、その実態は金の為なら手段を選ばない冷徹な男だった。しかし、事あるごとにインジュに手を差し伸べるドイル。果たしてドイルのインジュに対する優しさは愛なのか、それとも…？
これまでどちらかというと“二番手”の役が多かったウィ・ハジュンだが、本作を通じて、本格ロマンスドラマへの出演にも期待が高まる。さらに本作で見せたウィ・ハジュンのアクション演技にも注目したい。

そして、次女インギョンと甘く切ないラブラインを披露したのは、「赤い袖先」でMBC演技大賞新人賞に輝いたカン・フン演じるハ・ジョンホだ。ジョンホはインギョンの幼なじみで、報道局をクビになったインギョンのサポート役として彼女の取材に付き添った。最初から最後まで惜しみない愛をインギョンに捧げたジョンホだったが、前作「赤い袖先」でのブラックなイメージからか、最後までジョンホを疑う視聴者の声が相次いだ。そんなジョンホも最終話では無事インギョンと結ばれ、本作ではなかなか珍しいキスシーンまで披露した。
「赤い袖先」ではジュノ演じるサンに気に入られたいがゆえに、次第に暴走していく忠臣ホン・ドクロを演じたカン・フンだが、本作では一途にヒロインを想う心優しい青年を演じ、イメージアップに成功した。

予測不能なストーリー展開とキャスト陣の高い演技力で人気を集めるドラマ「シスターズ」。一度見始めたらその魅力にどっぷりハマってしまう、そんな作品だ。ミステリー要素が多い作品なだけに、自分なりに考察しながら見ていくのもおもしろい。謎解きやサスペンス好きはもちろん、ひと味違ったロマンスを楽しみたい方にもぜひ観てもらいたいドラマだ。「シスターズ」はNetflixで独占配信中だ。

■スタッフ
演出：キム・ヒウォン
脚本：チョン・ソギョン
原題：작은 아씨들（チャグンアッシドゥル）

■キャスト
オ・インジュ役：キム・ゴウン
オ・インギョン役：ナム・ジヒョン
オ・イネ役：パク・ジフ
チェ・ドイル役：ウィ・ ハジュン
ウォン・サンア役：オム・ジウォン
パク・ジェサン役：オム・ギジュン
ハ・ジョンホ役：カン・フン
パク・ヒョリン役：ジョン・チェウン
他

■作品紹介
制作国：韓国 tvN
制作年：2022年
韓国放送：2022年9月3日～10月9日（全12話）

◇Netflix公式ページ
◇tvN「작은아씨들」番組サイト
　2022年9月3日-10月9日（予定） 土・日放送・配信

【作品詳細】【「シスターズ」を2倍楽しむ】