「ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え」パート2、原作ファンも新規ファンも魅了するワケは?最終考察

2022年12月13日23時20分ドラマ
Netflix『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』
独占配信中

スペインの世界的ヒットドラマ「ペーパー・ハウス」を大胆にリメイクした韓国版「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」。6月に配信開始したシーズン1の後半となるパート2がいよいよ12月9日より配信開始した。パート2のネタバレあらすじと見どころを含めた最終考察をご紹介する。

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「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」は、天才的な戦略家と彼が率いる腕の立つ泥棒を集めた強盗団が、新しく準備された朝鮮半島の統一通貨の強奪を実行していく中で、予期せぬ問題に直面し、波乱を巻き起こしていく様子を描いたドラマで、スペインで制作された「ペーパー・ハウス」の韓国版リメイク。オリジナルは第46回国際エミー賞では最優秀ドラマ・シリーズを受賞した人気作品だ。



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また、パート1から間が空いている為、最初からもう一度観る事をオススメしたいが、時間が無い方はパート1のあらすじをまとめたこちらの記事も参照していただくとスムーズに話の流れを掴めるはずだ→原作ファンも韓ドラファンも魅了する話題の犯罪劇「ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え」シーズン1のネタバレと中間考察

■シーズン1(パート2)あらすじ(ネタバレ)
トーキョー(チョン・ジョンソ)が新たなリーダーとなり、造幣局内部では紙幣の増刷と脱出の準備が行われる一方で、犯行メンバーに潜り込む「裏切り者」によりアン(イ・シウ)が殺されかけるが、内部に忍び込み人質となっていた警察パク・チョル(キル・ウンソン)の暗躍で人質達は密かに脱出計画を立て始める。

その頃、外部では交渉役を務めていたウジン(キム・ユンジン)が強盗団が紙幣を印刷している事実に気づく。たとえ逃走しても紙幣番号から犯人の足取りが掴めるはずだが、南北朝鮮の会談に合わせて、急遽紙幣番号なしの紙幣が刷られる予定だった事を知り、その背景には別れた夫サンマン(チャン・ヒョンソン)の政治的な策略が絡んでいた事を知る。そして、「教授」ことパク・ソノ(ユ・ジテ)の正体に迫っていたチャ大尉(キム・ソンオ)は監禁されるが、ソノは致命的な足跡をウジンに残してしまう。

強盗団の狙いを知ったウジンが造幣局への電力供給を止めたのを引き金に、内部では誰も想像していなかった事態が発生し、強盗団は大半の人質と共に大事な仲間を失ってしまう。そんな中、ベルリン(パク・ヘス)の過去や「教授」との関係が明かされ、強盗団の内部でお互いが疑心暗鬼になり「裏切り者」を探し始める。また、外部との連絡を断たれ、ベルリンは平和統一委員長の座に収まったヒョンス(イム・ヒョングク)の、強制収容所での残虐な悪行を暴露しようと立ち回り、強盗計画は彼の復讐計画に変貌してしまう。

人質が持ち帰ったベルリンの病気の鎮静剤の流通ルートから秘密のアジトを見つけたウジン。一方で内部ではトーキョーが「裏切り者」にされ局から追放、警察に逮捕されるが、これは強盗団の策略の一部だった。護送車を襲撃してトーキョーを奪還したのはベルリンに想いを寄せるソウル(イム・ジヨン)。二人は本当の「裏切り者」であるナイロビ(チャン・ユンジュ)がサンマンに人質にされていた息子を奪還。

造幣局では人質が一人30億ウォンで仲間になるか解放されるかの間で揺れ動いていた。そして人質解放当日、サンマンが現場の指揮を執り始めた事で計画が狂いながらもトーキョーがバイクで造幣局に突入しメンバーとの合流を果たす。そんな中、禁断の愛を抱いてしまったデンバー(キム・ジフン)はミソン(イ・ジュビン)を解放する為に冷たく当たるが、ミソンは解放の途中で造幣局に引き返し、銃撃から守ろうとしたモスクワ(イ・ウォンジョン)が重傷を負ってしまう。トーキョーの帰還で南北会談が前倒しになると知り、脱出を早めなければならなくなり、父モスクワを救う為に必死にトンネルを掘るデンバー。初めは「危険な環境で出会ったから特別に思えるだけ(=ストックホルム症候群)」と二人の関係を反対していたモスクワも最後はミソンに息子を託し、感謝を告げながらこの世を去った。脱出トンネルが開通し教授との再会を喜ぶメンバーに混ざったミソン。彼女が自身をストックホルムと名乗った瞬間だった。

愛するソノの正体に気づいたウジンは彼を止めようとするが捕らわれ、サンマンは造幣局への突入と全員射殺を命じる。新たなメンバーを迎えた強盗団は抵抗を続けながらも脱出を急ぐが…。

■最終考察
「南北統一」「強制収容所」「脱北」など朝鮮半島が抱える政治問題を盛り込む事で、朝鮮半島らしさを盛り込み話題を呼んだ本作。世界設定のみならず、登場人物の出身を大きく南北に分ける事で、彼ら(特にベルリンら北出身の人々)が強いられてきた統一前の過酷な生活や、実際に統一直後に想定される南北の出身の違いによる差別や格差など、登場人物それぞれのビハインドストーリーもよりディティールまで感じ取れ、脚本の奥深さは原作を上回ったと言ってもいいだろう。

こうした原作ファンと新規ファンをどちらも魅了する要素は、脚本だけでなく登場人物にも現れている。韓国版オリジナルキャラクターとしてソウルが登場。ベルリンの古くからの仕事仲間でベルリンに想いを寄せているハードボイルドな女性の役を、映画『情愛中毒』で主演のソン・スンホンと激しいベッドシーンを披露して話題を呼んだイム・ジヨンが演じている。

パート2では、前半に描かれなかったナイロビやヘルシンキ、オスロ、そして教授の過去についても触れられたほか、原作と同様に登場人物の「愛」が描かれた。トーキョーとリオ、デンバーとミソン(ストックホルム)、教授とウジン、ベルリンとソウルの恋愛関係のほか、オスロとヘルシンキの友情、ナイロビの子供への愛情、モスクワとデンバーの親子愛、教授とベルリンの兄弟愛など、「愛」がひとつのキーワードになっている事は間違いない。

今回配信されたパート2は原作におけるシーズン2に該当するのだが、原作ではシーズン5まで制作されたほか、ベルリンを主人公にしたスピンオフ作品までも登場予定なので気になるのは続編の有無だ。シーズン2についての言及は今のところ無いが、パート2のクライマックスでは物語がまだ続いていく事を期待させる終わり方なので期待が持てる。原作ではフィリピンが重要なロケーションになるのだが、韓国版ではウクライナの美しい港町ヘルソンに差し替えられた。ロシアとの戦争で長く占領地域となっていた場所なので、実際の撮影は代替地で行われたと思われるが、これが戦争へのメッセージなのか、独自の世界観で原作とは異なるベクトルに向かうシーズン2への布石なのかが気になるところだ。

大ヒット作品のリメイクとして、制作決定から世界が心待ちにし、予想以上に韓国らしさが盛り込まれた「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」シーズン1(パート2)は、12月9日よりNetflixで独占配信中だ。

■作品情報
作品名:「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」
オリジナルシリーズ:「ペーパー・ハウス」
監督: キム・ホンソン
脚本: リュ・ヨンジェ、キム・ファンチェ、チェ・ソンジュン
キャスト: ユ・ジテ (教授)、キム・ユンジン (ソン・ウジン)、パク・ヘス (ベルリン)、チョン・ジョンソ (トーキョー)、イ・ウォンジョン (モスクワ)、パク・ミョンフン (チョ・ヨンミン)、キム・ソンオ (チャ・ムヒョク)、キム・ジフン (デンバー)、チャン・ユンジュ (ナイロビ)、イ・ジュビン (ユン・ミソン)、イ・ヒョヌ (リオ)、キム・ジフン (ヘルシンキ)、イ・ギュホ (オスロ) 、ソウル(イム・ジヨン)ほか

製作: BH Entertainment、Zium Content
配信: Netflix
原題:종이의 집: 공동경제구역

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