映画『赦し』尚玄と松浦りょうが緊張感漂う対峙シーンの裏側を明かした!大阪アジアン映画祭舞台挨拶レポート

2023年03月13日13時07分映画

映画『赦し』の公開に先立ち、3月11日(土)に大阪アジアン映画祭 コンペティション部門で上映され、主演の尚玄、夏奈役に抜擢された松浦りょう、監督のアンシュル・チョウハンが登壇し、舞台挨拶とQ&Aを行った。オフィシャルレポートが到着したので、予告動画とともに紹介しよう。

本作は、人間は犯した罪からもう一度生き直せるのか─?を問い、魂の救いを正面から描く、アンシュル・チョウハン監督最新作。

【日時】 3月11日(土) 12:00回終了後(13:38~13:50)
【場所】 シネ・リーブル梅田(大阪市北区大淀中1丁目1−88 梅田スカイビル タワーイースト3・4階)
【登壇者】 尚玄、松浦りょう、アンシュル・チョウハン監督 ※敬称略




まずは、監督が「ご来場いただきありがとうございます。大阪アジアン映画祭で上映でき、皆さんの前で挨拶できることを嬉しく思っています。皆さんにこの映画を楽しんでいただけたのか気になっているので、Q&Aを楽しみにしています」、尚玄は「ジャパンプレミアで大阪アジアン映画祭に戻ってこられて嬉しいです」と挨拶し、Q&Aに。

赦し

最初に、「大変興味深く拝見させていただきました。観た人それぞれの視点がある作品だと思います。特に、ポスターにも使われている松浦さんの振り返りのショットが印象的でした。彼女の表情にどのような演出をされたのでしょうか」という質問に対して監督は、「これは12テイク目でした。こういうものにしたいというイメージが自分の中にあったので、テイクを重ねて彼女の肩の位置や傾き加減など細かく指示をしました」と明かし、「映画の中でも特に大事なシーンになるので、観客の皆さんを見ているのか見ていないのか絶妙なバランスを意識して、自分の目指すイメージを意識して撮影しました」と、重要なシーンをどう見せるかへのこだわりを語った。

次に、「当初の脚本から撮影時の脚本に落とし込むまでに大きく変わったことはありますか?」という質問に対して監督は、「2018年に初めて脚本を読んだ時は映画化する気持ちまで持っていけなかった」そうですが、その後、「コロナになって誰もが家に閉じこもるようになった時に読み返して、これは映画化すべきだと思いました。そこから日本で撮影できるように、少年法など日本の法律に沿って変わった部分や実際に裁判へ赴いて細かいところ調査しながら脚本を改正していきました」と時流や日本に合わせた脚本の変遷について明かした。

最後に、尚玄と松浦への「役作りの過程で一番難しかったこと」という質問について尚玄は、「全てが大変でした」と前置きし、中でも「僕は当事者ではないので、当事者じゃない人間がその人が抱えているものをリアルに表現できるのかということにすごく真摯に向き合いました」と役作りへの思いを語り、「(松浦)りょうちゃんと対峙している場面は芝居ではなかったから、監督の指示もありましたし、撮影が終わるまで一言も話さなかったです」と緊張感が漂っていた対峙シーンの裏側を明かしました。さらに、続けて「監督が早い段階で衣装を用意してくれたことがすごく幸運でした」と話し、「3週間前から衣装を着て、克として生活していました」と真摯に役に向き合い続けた日々を明かした。

そして、松浦は、「私も、殺人を犯したことも刑務所に入ったこともないので、役作りとして経験できることではないし、殺人を犯してしまった方のインタビューを見て、役に落とし込んで考えました。その上で、刑務所の生活にできるだけ近い生活をして孤独を知ることで役を作り上げていきました。その時間が一番しんどかったです」と役作りについて明かした。

観客から大きな拍手で見送られ、舞台挨拶は終了した。

監督・編集:アンシュル・チョウハン(『コントラ KONTORA』)
撮影:ピーター・モエン・ジェンセン 
音楽:香田悠真
出演:尚玄 MEGUMI 松浦りょう 生津徹 藤森慎吾 真矢ミキ
プロデューサー:山下貴裕 茂木美那 アンシュル・チョウハン/エグゼクティブ・プロデューサー:サイモン・クロウ ランカスター文江/アソシエイト・プロデューサー:前田けゑ 澤繁実 岡田真一 木川良弘/脚本:ランド・コルター 
助成:文化庁 製作プロダクション:KOWATANDA FILMS、YAMAN FILMS 配給:彩プロ
2022年/日本/日本語/カラー/2:1/5.1ch/98分/原題(英語題):DECEMBER 
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