監督が語る!答えは観客自ら決める『高速道路家族』撮影秘話「この映画は主体的な映画なのだ」WEB限定予告も到着
第27回釜山国際映画祭で、『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ大傑作と称された、チョン・イルとラ・ミランのW主演作、映画『高速道路家族』がいよいよ今週末21日(金)公開)公開。WEB限定予告映像が解禁、併せてイ・サンムン監督のオフィシャルインタビューが到着した。
本作は、ホームレスの一家と裕福な夫婦、2つの家族が偶然出会い、予期せぬ事件が起こることを描いたパラサイティック・スリラー映画だ。第27回釜山国際映画祭では、「『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ大傑作」「ユーモア、サスペンス、アクション...映画のすべてが詰まった衝撃作」と称され、韓国国内でも観客や批評家からの熱狂的な支持を受け、話題作としてスマッシュヒットを記録した。
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この度解禁されたWEB限定予告映像は、高速道路のサービスエリアでお金を借りて生活しているギウ一家が、以前お金を借りたことがあるヨンソンと別のサービスエリアで再会し、詐欺容疑で警察に通報される場面から始まる。ギウは逮捕され、残された妻と幼い子供2人を見捨てることができず、ヨンソンは家族と打ち解け、その生活に満足していく。一方、家族から引き離されたギウは警察から逃げ出す。有名人からは、「『パラサイト』以来の傑作」と言われるほどの評価が寄せられ、「子供たちの真っ直ぐなセリフが心に残る」とか、「胸が痛くなる」、「心をかき乱す傑作!」、「胸が締め付けられる」、「怒涛の展開で目が離せない」といったコメントも映像中に挟まれ、その後の展開が気になる予告編に仕上がっている。
さらに、釜山国際映画祭が注目した新人監督、イ・サンムン監督のオフィシャルインタビューが到着した。イ・サンムン監督の長編デビュー作である本作は、彼がソウル駅周辺でお金がない人々に出会い、彼らの生活について調べ始めたことがきっかけ。その人たちがどうやって生きてきたのか、どんな気持ちでいるのか気になり、ソウル駅にたまったホームレス家族へのインタビューなどの事例を探し始めた。調査を続けるうちに高速道路のサービスエリアは人が暮らすのにかなりいい環境だということに気が付き、「とある家族が設備の整ったサービスエリアで遊ぶように暮らしたらどうなるのか」と考え、本作の内容が決まった。
さらに「サービスエリアで高速道路家族と会う人物であるヨンソンは、実際に中古家具店を営む自分の義両親をモチーフにした。捨てられた家具を直しきれいにした後、別の人の元で新しい命を得るということが、とあるタイミングでは不思議でもあった。もしかすると人もそうなのかもという考えに希望が芽生えた」と個人的な経験も加えることで、より一層豊かなストーリーを生み出している。主人公のギウ役を演じたチョン・イルについては「チョン・イルさんは役が決まった後、髪も切らずひげも剃らなかった。話し合いながらギウという人物を作っていったので、彼のアイデアがたくさん反映されている。感情をコントロールできず暴走するシーンや警察との追撃戦やアクションシーンなどひと際肉体的に苦しいシーンが多かったが、その全てのシーンを自ら演じ全身全霊を注いだ」と明かし、「優しそうな顔立ちのチョン・イルさんがギウを演じれば、大きな影響力を与えられるだろう」と確信したという。また、観る人によって受け取り方の変わる結末については、「台本作りから編集段階までで最も悩んだ部分はエンディングだった。これは『高速道路家族』が何を伝えるのかという悩みでもあった。このエンディングは監督として観客に質問を投げかけている。私たちはこんな家族や子供たちを抱きしめられるか?個人の善良な意志が全ての状況を解決できるか?その答えは観客自ら決めるという点で、この映画は主体的な映画なのだ」と、最後に観客へのメッセージを送った。
映画『高速道路家族』は4月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。
■作品情報
『高速道路家族』
監督・脚本:イ・サンムン
音楽:イ・ミンフィ 『ひと夏のファンタジア』『最善の人生』
美術:ソン・ソイル 『ポエトリー アグネスの詩』『バーニング 劇場版』
出演:チョン・イル、ラ・ミラン、キム・スルギ、ペク・ヒョンジン、ソ・イス、パク・ダオン
2022年/韓国/韓国語5.1ch/128分/英題:Highway Family/字幕翻訳:具美佳/G指定
配給:AMGエンタテインメント
2023年4月21日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
◇公式サイト
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