イ・ジア、イ・サンユン、チャン・ヒジン出演のtvNドラマ「パンドラ：偽りの楽園」、Disney+（ディズニープラス）でも配信中だ。最終週となる今回の15−16話では世間から主人公ホン・テラという存在が消し去られるなど、これまで以上に視聴者の予想を遥かに超えた衝撃の展開が描かれた。気になるあらすじを見ていこう。

●【「Disney Plus」で配信中の韓国ドラマ】

「パンドラ：偽りの楽園」 は、誰もが羨む人生を生きている女性が、忘れていた過去の記憶を取り戻し、自分の運命を勝手に操作した勢力を膺懲するために繰り広げる復讐劇だ。「ペントハウス」シリーズを執筆したキム・スノクがクリエイターとして参加し、「ペントハウス」に出演していた俳優たちもこぞって出演していることから“第2のペントハウス”として放送前から注目されていた。



■キャスト
ホン・テラ役：イ・ジア
夫ピョ・ジェヒョン役：イ・サンユン
娘ピョ・ジウ役：キム・シウ
YBC記者出身メインアンカー　コ・ヘス役：チャン・ヒジン
ヘスの夫チャン・ドジン役：パク・ギウン
ヘスの息子チャン・レオ役：キム・ラオン
IT企業研究所長ク・ソンチャン役：ポン・テギュ
ほか

■第15話あらすじ
キョジン（ホン・ウジン）らを残したまま、ジェヒョン（イ・サンユン）の命令で研究施設が爆破された。時を同じくしてテレビは新たな大統領ジェヒョンの誕生を大々的に報じていた。弟ピルスン（ハン・ウンソン）は「復讐の為に命を投げ出さないでほしい」とテラ（イ・ジア）に電話で最後のメッセージを伝えた直後に爆発に巻き込まれた。再び弟を奪われ嘆き悲しむテラ。

新たな大統領となったジェヒョンはテラを伴い、爆発が起きた研究施設を視察すると犠牲者に哀悼の意を示し、国民の好感を得る。

ドジン（パク・ギウン）とグンモ会長（アン・ネサン）が逮捕された今、ミン夫人（キョン・ミリ）が会長代理として「クムジョ」の実権を握るようになり、財産と会社の為に家族を犠牲にしたミン夫人を非難するヘス（チャン・ヒジン）。グンモは彼なりの親心から隠していた証拠を提出してドジンの釈放を助け、その中で15年前の大統領暗殺もミン夫人がけしかけた事実が明らかになった。

再び弟を失い、絶望するテラのもとにジェヒョンとスンチャン（ポン・テギュ）の会話が飛び込んでくる。彼らは爆発で死んだはずのキョジンがアメリカに出国したと偽装し、爆発事故の責任をミン夫人になすりつける計画を立てていた。

ある時ヘスの報道番組を観ていたジェヒョンは爆発で施設とともに焼失したはずの研究所の映像が流出している事を知る。研究施設への資金援助が報じられ、「クムジョ」の名前に泥を塗られて激昂したミン夫人の口からドジンが釈放された事を知る。テラはミン夫人に焼け焦げたキョジンの住民登録証を見せ、キョジンが爆発に巻き込まれた事を告げる。更にソンチャンがバイク事故に見せかけてキョジンを殺そうとした映像証拠を見せ、ジェヒョンと結託したミン夫人を責めた。直後に現れたドジンもミン夫人から裏帳簿を奪い去っていく。

ピョ・ジェヒョン政権の発足式の直前、ソンチャンのもとを訪れたミン夫人は本性を現したソンチャンの首を刺し、そのまま式の会場に向かうとスピーチの練習をしていたジェヒョンにも襲いかかるが返り討ちに遭い、控室に軟禁されてしまう。入場して待ち焦がれた瞬間を迎えるジェヒョンだが、周りは静まり返っていた。ミン夫人との会話やジェヒョンの本性は映像を通じて会場に同時中継されていたのだった。

警察がジェヒョンを逮捕しに現れる中、停電の混乱に乗じてジェヒョンと逃げ出したテラ。車内で記憶を消されていなかった事実を明かすと運転するジェヒョンのハンドルを握って車を暴走させ、二人を乗せた車は橋から転落し水中に沈んでいく。

どうにかテラと共に生き延びて岸辺にたどり着いたジェヒョンはそのまま意識を失うが、目を覚ますと逮捕され、病院のベッドに横たわっていた。そして、彼が目覚めた世界ではテラや娘ジウの存在は消し去られ、誰もが口を揃えてジェヒョンが未婚だと言い始める…。

©tvN 番組公式サイトより■第16話（最終回）あらすじ
世界からテラや娘ジウの存在が消し去られ、ヘスやドジンまでもがジェヒョンは独身だったと言い出し、困惑するジェヒョン。目を覚ますと水辺にいて横たわるテラに安心するが、再び意識を失うとテラがいない世界だった。どちらが本当なのか？刑務所に収監され死刑を待つジェヒョンはある日テレビで、屋敷をキョジンが買い取った事を知るが、その横には本名ムン・ハギョンとしてキョジンと結婚したテラの姿が…。首を刺されて声帯をやられながらも生き延びたソンチャンの協力で脱獄したジェヒョンはキョジン夫婦のもとに向かい襲いかかるが、ハギョンとして暮らすテラに拒絶され、警察に狙撃される。再び水辺で目を覚ましてはテラのいない世界に落ちていくジェヒョン。

彼は水辺でドジンから薬を注入され仮死状態となり、警察では犯人死亡と処理された後に、テラによって遺体を回収され、爆発で大やけどを負いながらも一人生き残ったキョジンによって記憶を操作され、研究室で永遠に終わりのない地獄を味わっていたのだった。

ジェヒョンの犯罪に加担していた一味や医師も次々と逮捕されていき、テラはドジンの計らいでスイスに渡り、脳に埋め込まれたチップの除去手術を受ける事になっていた。旅立つテラに次に会った時は笑い合おうと全てを水に流すヘス。

一方、ミン夫人はソンチャンを襲った罪で指名手配されていたが、秘書からキョジンが生きていると聞かされ、研究室を訪ねた。母の暴走を止めようとキョジンと揉み合いになる中、薬剤のせいでジェヒョンの記憶操作装置がショートし、意識を取り戻したジェヒョンが逃亡。キョジンをかばって攻撃を受けたミン夫人はキョジンの腕の中で絶命。

ヘスを愛していながらも離婚に向かう事を悲しむドジンのもとにもジェヒョン逃走の知らせが入る。ジェヒョンが向かった先はタウンハウス。ヘスの身を案じたドジンが駆けつけるが、ヘスはジェヒョンに拉致され、ドジンは出国直前のテラを頼る他なかった。

ジェヒョンから指定された場所に向かったテラが見たのは身体に時限爆弾を巻き付けられ、顔に袋を被せられたヘスの姿だった。ジェヒョンを説得して一瞬の隙にヘス救出を試みるが、ヘスだと思っていたのはマネキンで、逆に人質になってしまう。ヘスとドジンが懇願する中、テラに銃を向けていたジェヒョンだが、最後にひと目テラに会いたかっただけだと告げると自らの頭を撃ち抜き、崖から遥か下の海に転落していった。

数年後、手術を終えて娘ジウと新たな人生を歩みだしたテラ改めハギョンはキョジンの訪問を喜ぶが、部屋で彼の背中についた傷を見ると言葉を失ってしまう…。

■見どころ
振り返ってみるとこの作品は半SF作品と呼んでもよい作品だった。序盤に登場した妙に頭でっかちな実験体のチンパンジーから始まり、落雷で背中に傷を負いながらも平然としているジェヒョン、人の記憶を操作してしまうチップの存在など、ぶっ飛んだ設定で視聴者の意表を突きに突いた作品だけあって、最終週でも、第15話終盤から第16話序盤にかけて、「ジェヒョンの妻テラ」という存在が消え去った謎の世界が描かれ、現実とも夢ともつかない世界をジェヒョンが何度も行き来するものだから視聴者はさぞ困惑した事だろう。

実際にはジェヒョンは24時間仮死状態になる薬を注入され、警察や世間からは死亡したと扱われる裏で、記憶を操作され、テラのいない世界を何度も繰り返していたというこれまたツッコミどころ満載の半SF展開で一応の解決を迎えたかと思わせてラスト20分でミン夫人とキョジンの親子の小競り合いに乗じて逃げ出してしまうから展開が読めない。時限爆弾をぐるぐる巻きにされたマネキンや、自ら拳銃自殺して転落するジェヒョンなど怒涛の展開が続き、ようやく迎えたかと思われたハッピーエンドも、ジェヒョンの生存を匂わせる不気味なシーンで幕を閉じ、後味の悪さがなんとも言えない。

果たして、このラストシーンは続編を示唆するものなのか、それともその後の展開を視聴者の想像に丸投げするものなのか今のところはっきりとした情報は発表されていないが、「ペントハウス」がシリーズ展開した事もあって、続編がある可能性は否定できない。

続編があると仮定した時に気になるのが、ジェヒョンは頭を撃ち抜いて崖から海に転落したのにどう生き残ったのか、誰が救出したのか？エンディングで登場するキョジンがジェヒョンなのであれば本当のキョジンはどうなってしまったのか？操作された記憶の中では声帯を負傷していたソンチャンは現実世界ではどうなっているのか？ラストシーンの台詞からドジンとヘスが良好な関係を継続していると推測できるが、離婚を思いとどまったのか？など疑問点も残る。更にこのドラマでは死んだはずの人間や、死んでもおかしくない大事故に遭った人物が実は生きていたという展開が多かったので弟ピルスンが実は生きているのではないかという期待すら感じさせる。

続編の有無は一度置いておいたとしても、大きな余韻を残した本作を第1話から再視聴してツッコミどころを探してみるのも面白いかもしれない。

■スタッフ
演出：チェ・ヨンフン
脚本：ヒョン・ジミン
クリエイター：キム・スノク
原題：판도라:조작된 낙원（パンドラ：操作された楽園）
tvN：2023年3月11日～4月30日予定
配信：2023年3月11日から Disney Plus にて土・日、毎週2話独占配信

tvN土・日ドラマ「パンドラ：操作された楽園」、初回は韓国で3月11日午後9時10分から放送、ディズニープラス「スター」でも同日独占配信。

◇TVING「판도라 : 조작된 낙원」番組サイト


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