「セレブリティ」第11−12話（最終回）：パク・ギュヨンを待ち受けていた事件の結末と謎のフォロワーの正体

6月30日よりNetflixで独占配信開始したパク・ギュヨン主演の新シリーズ韓国ドラマ「セレブリティ」。第11−12話（最終回）では事件をもみ消そうとするテジョンやセレブたちに立ち向かうアリの姿や、死んたと思われた彼女が再び世間に姿を現した経緯、謎のフォロワーとの対峙が描かれた。気になるあらすじと見どころをチェックしてみよう。

●【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】



「セレブリティ」は、裕福な家庭から没落したアリが人気セレブとなった同級生と再会したことから自らもSNSセレブに上り詰め、セレブたちの華やかで熾烈な姿を描く。⇒【各話のネタバレあらすじ】

■第11話「＃だけど_ソ・アリは＃死んだ_はずでしょ？」あらすじ
現代。死んだと思われていたアリ（パク・ギュヨン）の告発は世間からの注目を集め、法務法人テガンと癒着している警察ではなく、検察が調査を始める。テガンではテジョンが証拠を処分するのに必死になっていた。

知らない人からの悪口には耐えてこられたアリも親友ジョンソン（パク・イェニ）の裏切りに言葉を失い、涙で謝るジョンソンの謝罪にも返すことばが見つからなかった。同じ頃、病院に搬送されたジュンギョン（カン・ミンヒョク）は意識が戻らず生死の境を彷徨っていた。知らせを受けたアリはこれまでそっけなく相手をしてきたジュンギョンに対する本当の気持ちに気づいて涙する。更に会社の倉庫では、騒動で大量の返品在庫を抱えたギョンべ（オム・ヒョソプ）が欲張ったことを後悔する遺書を残して自ら命を絶ってしまった。

「アリが常務を殺した」という噂は瞬く間に世間に広がり、バッシングの勢いは加速していくが、アリも「自分に出会っていなければ」と否定することができず、自ら命を絶とうかという考えが頭をよぎる。

アリの名声が地に墜ちている中、大喜びではしゃぐ「佳賓会」。シヒョン（イ・チョンア）は離婚を切り出し、テジョン（イ・ドンゴン）は猛反対。政治家であるシヒョンの父の不正をもみ消すために結婚したことをネタにシヒョンを脅すが、シヒョンはアリを守る決意をしていた。

意識の戻らないジュンギョンに本当の気持ちを伝えて、病院の屋上から飛び降りようとするアリを止めるシヒョン。

再び現代。麻薬事件への捜査はようやく本格化し、関係者が逮捕され始める。そんな矢先にアリが配信を行っているIPアドレスや位置情報がようやく判明し、アリを始末したいテジョンの手下、警察、そしてジュンギョンが彼女のもとへ急ぐ。テジョンの手下は駆けつけた警察に逮捕され、ジュンギョンが廃工場に突入し配信中のアリと対面するが、アリの正体は親友ジョンソンだった…。

3ヶ月前、アリはテジョンらに罪を償わせるために犠牲を払ってもう一度有名になるとシヒョンに告げ、暗い夜の海に車ごと沈んでいった…。

Netflix シリーズ「セレブリティ」独占配信中■第12話（最終回「＃どこにも_いなくて ＃どこにでも_いる＃私たち」あらすじ
清楚な装いに身を包んだ女性ウンチェ（キム・ノジン）。久々に訪れた教会で知人から聞いてソ・アリがどうなったのかを気にかける。タクシーで高級住宅街に降りた彼女が帰ってきたのは再開発地域にあるゴミ屋敷…彼女こそが_bbbfamousだった。彼女は「佳賓会」が通うマッサージ店で働きながら彼女らに関する裏情報を世間に流していた。

世間を騒がせたアリの正体は親友ジョンソン（パク・イェニ）だった。弟ドゥソン（イ・ジョンジュン）のスキルでAIを使って巧妙にアリになりすまして動画を配信し続けていた。二人は重要参考人として警察に連行されるが、ふたりは本物のアリの生死については知らないと主張。

アリの配信が発端となり、「佳賓会」のセレブたちも売春や麻薬、偽物販売などが明るみになり、逮捕・謝罪会見・仲間割れが起き、世間では事件を隠蔽した法務法人テガンへの批判や_bbbfamousへの処罰に関心が高まっていた。警察に呼ばれたテジョンは最後まで無関係を主張するが、自身が高圧的に扱き使ってきた部下がジュンギョン側に寝返ったことで形成は逆転していた。

突然現れたジュンギョンに驚くテジョンだが、彼が部下と取引をしたと知って言葉を失う。

_bbbfamousとして騒動を招いたウンチェは正体がバレるのではないかと怯えていた。シヒョンからのマッサージ依頼が入ったと聞いて喜ぶが、その正体はアリだった。ライブ配信は_bbbfamousの正体をあぶり出し罪を償わせるための罠で、シヒョンもジュンギョンもアリの作戦を知っていた。追い詰められたウンチェはマッサージ院のガラスを割ると世間に自慢を続け豪勢な生活をする「佳賓会」への憎悪を口にして飛び降りてしまう。誤りを正したかっただけのアリは動揺するが、ウンチェは一命を取り留めていた。

シヒョンはアリに会わせるために密かにジュンギョンに連絡していた。意識が戻ったことを初めて知って安堵するアリを抱きしめたジュンギョン。

アリの失踪後、脱税で収監されていた母は執行猶予がついて釈放された。アリはというと、ウンチェが住んでいたゴミ屋敷を訪れていた。ジュンギョンから居場所を聞いたシヒョンもやってきて、世間がアリの復帰を望んでいると言ってSNSを見せる。

心が揺れるアリだったが、彼女に復帰する意志はなかった。応援してくれる人もいずれは容易にアンチになりうるという現実をよく知っていたからだ。

ウンチェの部屋にやってきた清掃業者（ジュノ/2PM）はテーブルに置かれたタブレットを開くと、アリの応援アカウントを見てそっと微笑む…。

■見どころ
主人公アリが死んだと思われている現代と、彼女がセレブに上り詰めていく一部始終の回想から好奇心を刺激するミステリーとして描かれた本作ラストとなる第11−12話では、これまで視聴者が気になっていたアリの生死に関する真相や_bbbfamousの正体がすべて明かされた。

第11話では親友ジョンソンの裏切りや、恋人ジュンギョンの重体、会社の常務を務めていたギョンべの自殺などショッキングな展開から始まり、一度は耐えきれずに自殺を考えたアリが、自分なりに正義を貫くために大胆な作戦に出ていく様子が描かれた。

第4話ではアリが「尽くしてくれた人を殺した」と自白するシーンが登場し、彼女がジュンギョンを殺したのではないかという疑念を抱かせた。第11話でもしきりにジュンギョンが死んでしまったかのようなミスリードを誘う場面転換が続くが、結論としてはジュンギョンではなく会社のために尽くしてくれたギョンべが（アリと出会ってしまったせいで）自殺を選んでしまった、ということだった。当のジュンギョンは第11話後半時点ですでに回復してアリを探している描写があり、視聴者を安心させた。

しかし、残りもわずかとなった第11話ラストではライブ配信をしていたのが親友ジョンソンだったという衝撃的すぎる展開に息を呑んだ視聴者も多いはず。そして迎えた最終話では冒頭からいきなり_bbbfamousの正体が明かされ、とにかく展開の予測ができない本作の脚本の完成度を再認識させられた（_bbbfamousのシーンではたびたびゴキブリが登場するので苦手な方は心して視聴したほうがよさそうだ）。

アリの計画に協力している点を考えると親友ジョンソンとは和解したと考えることができ、事件に関連するあらすじは新たな犠牲者を出すことなく、勧善懲悪の形で解決するのだが、作中では終始、嫉妬が生み出すSNSの闇や、顔が見えない環境で攻撃的になるSNSユーザーの道徳観の欠如、応援とバッシングが容易にスイッチする人間の心理的な弱さなど現代社会が抱えるインターネットの問題に一石を投じた。

ネットユーザーのモラルや相次ぐ芸能人の自殺が世界中で報道される中、被害者と加害者がそれぞれどういった心理を抱いているのか、というのが本作の真のテーマだったに違いない。もし仮に一度でもネット上で面識のない有名人を批判したことがある人は是非考えながら観てほしい作品だ。

果たして本作を全部観た後でもまだSNSセレブになりたいと思えるだろうか？イッキ見必至の「セレブリティ」は6月30日からNetflixで独占配信を開始した。

■スタッフ
監督：キム・チョルギュ
脚本：キム・イヨン
原題：셀러브리티

■キャスト
ソ・アリ役：パク・ギュヨン
ハン・ジュンギョン役：カン・ミンヒョク
チン・テジョン役：イ・ドンゴン
ユン・シヒョン役：イ・チョンア
オ・ミネ役：チョン・ヒョソン
★カメオ：ジュノ/2PM

【作品詳細】【関連・各話のあらすじ】