【歴史コラム】「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」で光海君が怯えたイ・イチョムは実在した李爾瞻がモデル

2023年11月14日23時00分ドラマ
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チョン・イル×ユリ(少女時代)共演の韓国時代劇「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」で光海君を超える力を持ち、チョン・イル扮するキム・デソク=バウの仇として最終回まで登場するイ・イチョムのモデルとなった李爾瞻を紹介しよう。

「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」は、男やもめ(チョン・イル)と後家になった王女(クォン・ユリ/少女時代)との人違いから巻き起こるロマンス時代劇。【「ポッサム」を2倍楽しむ】では、ドラマの4つの見どころやキャストの紹介、時代背景、各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめているので視聴の参考にどうぞ。



■実在した人物が多数登場!
バウバウ=キム・デソク本作では第15代王・光海君をはじめ、キム尚宮(金介屎)、キム・ジャジョム(金自點)、カン・ホリプ(姜弘立)ら実在の人物もたくさん登場している。イ・ジェヨンが演じたイ・イチョムもまた実在した李爾瞻がモデル。但し、実在した金悌男(キム・ジェナム)の孫としてチョン・イルが扮した主人公のバウ=キム・デソクは架空の人物。

■李爾瞻(イ・イチョム)(生没:1560年-1623年)
ポッサムイ・イチョム/李爾瞻李爾瞻は、燕山君に仕えた李克墩(イ・グクトン)の五世の孫であった為、逆臣の一族として差別を受けて過ごす。1582年(宣祖 15年)、進士に合格し光陵参奉に。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)のとき義勇軍に参加。義兵長となって光海君を助けた。1594年に科挙に合格。壬辰倭乱での功績で一等功臣なり、その後、要職を歴任。

宣祖が永昌大君を後継者にしようとしたとき。北人派が永昌大君(ヨンチャンテグン)を支持する小北派(ソプク派)と光海君を支持する大北派(テプク派)に分裂し、李爾瞻は大北派に。宣祖の病が悪化すると「光海君に王位を譲る」という教書を遺したが、教書を受けた領議政・柳永慶(ユ・ヨンギョン)がこれを隠して公布しなかった。李爾瞻ら大北派によって発覚し、仁穆王后も3歳の息子が王位を継ぐのは現実性がないと判断し、光海君が即位した。

キム尚宮キム尚宮/金介屎彼の心に宿った復讐と野望は、光海君付の女官の金介屎(キム・ゲシ)と組み、政敵であった小北派の柳永慶を斥け処刑し、闇の権力者となる。大北派の首領として大きな力を持った李爾瞻は、1613年七庶の獄(癸丑獄事)を契機に永昌大君を庶民に降格し仁穆王后も幽閉する。その後、光海君は永昌大君を殺せという臣下からの要請をずっと拒んだが、李爾瞻にそそのかされた者によって翌年殺害された。仁穆王后の父・金悌男(キム・ジェナム)は反逆罪で賜薬に処せられた。綾陽君(ヌンヤングン、後の第16代国王仁祖)の実弟の綾昌大君(ヌンチャンデグン)にも、謀反の罪を着せ配流としたのち、自決させる。

ポッサム光海君1617年には、李爾瞻は仁穆大妃の廃妃を訴え大北派は賛成するが光海君がこれに反対し、「大妃」とは呼ばず「西宮」と呼ぶことで折り合いをつける。こうして李爾瞻は光海君をしのぐ力を持つことに。

だがそうした李爾瞻の専横が対立勢力である西人派の怒りを買い1623年4月11日、宮廷クーデター(仁祖反正)によって結果的に光海君の廃位を招き、王命により斬首刑にされた。李爾瞻と共に大きな権力を握った金介屎も処刑された。

■李爾瞻を演じた俳優
ソ・インソク:「宮廷女官キム尚宮」1995年、KBS
ソン・ドンヒョク:「ホ・ギュン 朝鮮王朝を揺るがした男」2000年、KBS
イム・ヒョク:「王の女」2003年、SBS
チョン・ウンイン:「華政」2015年、MBC
イ・ジェヨン:「ポッサム〜愛と運命を盗んだ男〜」2021年、MBN

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【作品詳細】【「ポッサム‐運命を盗む」を2倍楽しむ】

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