【最終回ネタバレ】小芝風花「天使の耳~交通警察の夜」安田顕の叫びと悲しい伏線回収に悔涙…第4話原作との違い

04月24日07時00分ドラマ
画像:NHKより

23日(火)放送のNHK「天使の耳~交通警察の夜」第4話(最終回)では、分離帯で横転したトラック事故の結末と、路上駐車が引き起こした過去の悲しい事件が描かれた。この回のネタバレあらすじと、原作との相違点など紹介する。第4話NHK+で30日(火) 22:44 まで見逃し配信する。
【関連記事・各話のあらすじ】



「天使の耳~交通警察の夜」は、交通警察で扱う日常起こりうる交通事故を描いた東野圭吾の短編小説『天使の耳』(全6編)を、全4話でドラマ化。交通事故がもたらす人々の運命の急転を、新人交通警察官の陣内瞬(まどか)(小芝風花)と、教育係の巡査部長・金沢行彦(安田顕)のバディ捜査官を通して描く。

■原作との違いは?


全体を通した原作との相違点や見どころは第1話ネタバレで紹介している。
前回第3話から続くトラックの横転事故は『分離帯』編が原作。原作の事故担当警察官は世良一之で、事故死したトラック運転手の妻と同級生という設定。ドラマでは今回も瞬(小芝風花)と金沢(安田顕)が担当したが、金沢が問題を起こしたために原作と同じ世良(溝口 琢矢)が引き継ぐことになる。

そして金沢の問題行動に起因して明かされていく15年前の路上駐車による事故は『通りゃんせ』編が原作だ。ただし原作では子供の死亡から激しい憎悪に膨れ上がってもう一つの事故が起きるが、ドラマでは妻の死に変更されている。そしてこの事故に、第1話でドラマオリジナルと紹介した「瞬が交通警察官を目指すきっかけとなった女性警官と、彼女からもらった『正義』のお守り」が関係してくる。最終回では、全編通して抑えめの演技で通してきた安田が、激しい感情を現したり、叫び声を上げる場面がある。そして各話で描かれたブラックテイストな結末を金沢が深追いしなかったことも、そういうわけだったのかと、辛く悲しい伏線回収になっている。

原作も面白かったが、6つのバラバラの交通事故を、瞬と金沢のバディを通して1つの作品としたドラマの脚本にも感動させられた。脚本を手掛けたのは荒井修子。「パパとムスメの7日間」(2007年/2022年、TBS)や「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」(2015年、TBS)などホームドラマ、コメディドラマを中心に幅広いジャンルを執筆してきた脚本家だ。

ポイ捨てや路上駐車など軽く考えがちな交通違反から重大に事故を引き起こすこともある交通事故。加害者も被害者も人生が一変してしまう恐ろしさと、真の加害者と被害者が逆転してしまう恐ろしさをつくづく思い知らされた一作だった。



■最終回ネタバレ


トラック横転死亡事故の原因を作った主婦・石井聡子(山下容莉枝)は、歩行者だったために事故の加害者にはならず、陣内瞬(小芝風花)はやり切れない思いを抱える。金沢(安田顕)もまた怒りをあらわにする。

金沢が感情的になったことに驚く瞬。偶然、課長の斎藤(檀れい)と金沢との会話を偶然聞き、金沢が15年前に妻・絵美(星野真里)を亡くしていたと知る。絵美もまた交通課の女性警察官だった。自宅で心臓病の発作が起きて大雪のために救急車が遅れると聞き、金沢は自分で車を運転して病院に向かった。ところが普段から使っている抜け道に路上駐車があり、クラクション鳴らしても誰も出てこず、相手の車にぶつかって通り抜けようとしたが、それもかなわず、仕方なく引き返して病院に着いた。だが、間に合わなかった。後15分早ければ助かったかもと、医師から言われたのだった。その後、金沢は路上駐車した車にぶつけたことを上司に報告し、相手に謝って示談になった。

その後、瞬が調べた過去の記録には、路上駐車した佐原(高島豪志)が被害者で、金沢が加害者と記されていた。

一方、トラック運転手・向井恒夫(伊東潤)は死亡し、金沢と瞬は妻・彩子(内藤理沙)に会いに行く。「石井は飛び出しで道路交通違反ではあるが、法律上は運転手の前方不注意になる」と説明を受けた彩子は、夫が加害者になることに納得できず、「人殺しを捕まえられずに何が警察よ!」と泣き叫んだ。謝ろうとする瞬を金沢が制した。

帰路、やりきれない思いで涙する瞬の言葉から、瞬が自分の過去を知ったと気づく金沢。瞬は傷ついた人を救えず、奇跡の耳を持つ奈穂(飯沼愛)の嘘も知りながらそのままにしている自分に悩んでいた。「いい警察官って何ですかね」と金沢に訊いた。「俺に分かるはずはないだろう」…金沢の返事だった。

後日、石井はストーカー被害を出してきた。金沢は石井に電話で注意を促し、彼女がいる現場に車で駆け付けた。瞬が別の車で後を追った。到着した瞬は、石井の車の前に飛び出した彩子を助けた。彩子は石井の車に轢(ひ)かれて、夫と同じように石井を加害者にしようとしたのだった。署に戻った瞬は、先に到着した金沢に、なぜ彩子を止めなかったのかと訊ね、金沢は「俺に止められるわけがないだろう」と声を荒げた。

瞬は、15年前の路上駐車した佐原が、自過失による自動車転落事故で死亡していたことに驚く。別荘地付近の山道を利用し、自宅へ帰ろうとしていたところ、誤って禁止区域の山道に侵入。カーブを曲がるも横滑りし、崖下に転落。その衝撃で頭部を激しく損傷し死亡。大量のアルコールを摂取していたとあった。金沢の妻が死んだ2か月後だったことから、ある仮説を立てた。

瞬はそのことで金沢から話を訊こうと彼の家を訪ねた。金沢はちょうど妻の墓参りに行くところだった。一度は帰ろうとした瞬だったが、妻の墓前にいる金沢に「彩子さんを止められなかった理由が分かった」と伝えた。金沢は懐から『正義』のお守りを見た瞬は、自分を助けてくれた女性警察官が金沢の妻だと気付いた。

金沢は15年前の事故の真相を話した。
金沢は、佐原に謝り求められるままに修理代を支払った。警察官だと信用させて親しくなり、パーティーを口実に別荘に誘った。佐原の好きな酒類をたくさん用意して、友人の話だと、絵美が死に至った話をした。酒を飲みながら話を聞いていた佐原は、それが金沢自身の話で、自分の路上駐車のせいで彼の妻が死んだと気づき、怖くなって車を運転して帰ろうとした。金沢の運転する車が後を追った。細い山道に1台の車が路上駐車しており佐原の行く手を阻んだ。その車をよけて通り過ぎようとしたが、ハンドルを切り損ねて車は崖下に滑落し、死に至ったのだった。

「俺は人殺しだ」と告白した金沢は、『正義』のお守りが「理不尽な事故を未然に防ぐために一緒に頑張る」という妻との約束だったと話した。亡き妻の思いを継ぐために自首しなかったのだと理解を示す瞬に、「俺が自首したら佐原はまた被害者になる。絵美を殺した加害者なのに。許せるわけがないだろう」と、金沢。

それでも金沢が、「自分のように苦しむ人を失くすために頑張ってきた」と理解を示そうとする瞬。金沢は「忘れたくなかっただけかもしれない。絵美はもういないから」と告げ、瞬も「忘れないでください。私も、私を助けてくれた絵美さんのことをこれからもずっと忘れません」と『正義』のお守りを見せた。そして「いい警察官がなんだかわからないけど、絵美さんに近づけるよう、交通事故に傷ついた人を救えるように、このお守りに、絵美さんに恥じない警察官になります。だから、金沢さんも…」と伝えた。

手錠をはめられ連行される金沢は振り返って「お前は人の心に寄り添えるいい警察官になれるよ。ただ、距離感に気をつけろ」と瞬に最後のアドバイスをして、パトカーに乗った。走るパトカーのラジオからは「リフレインが叫んでる」が流れてきた。

「天使の耳〜交通警察の夜」は、NHK総合 2024年4月2日~23日まで、毎週火曜22時から全4回で放送。出演:小芝風花,安田顕,檀れい,飯沼愛,溝口琢矢,吉住,植木祥平,星野真里,泉里香,中村ゆりか,前川泰之,石田ニコル,中島ひろ子,山下容莉枝,東貴博,ほか。番組公式X(Twitter)アカウントは「@nhk_dramas」。

NHK「天使の耳〜交通警察の夜」番組公式サイト

【2024年春ドラマ紹介】【関連記事・各話のあらすじ】