「捜査班長1958」第9-10話(最終回):警察も絡む凶悪事件を解決に導き伝説の捜査班長誕生の瞬間を描く(ネタバレ)

05月20日23時10分ドラマ
『捜査班長1958』ディズニープラス スター独占配信中
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ディズニープラススターで独占配信中のMBC韓国ドラマ「捜査班長 1958」(全10話)。

1970年代から18年間放送された超大作ドラマの前日譚を描いた本作の第9話と第10話(最終回)では女工の相次ぐ失踪が警察や権力者も巻き込む事件に発展し、警察署の不正の排除と、後に伝説となるパク・ヨンハン班長の誕生が描かれ、2集続いて二けたの死闘率を記録した。⇒「捜査班長1958」2回連続二けたで有終の美…

またオリジナル版の「その後」が描かれ長年のファンにも印象的なクライマックスを飾った。気になるあらすじと見どころをチェックしてみよう。

【「Disney Plus」で独占配信の韓国ドラマ】

「捜査班長1958」は、韓国で1971年から1989年まで18年間に渡って放送され記録的大ヒットとなった、犯罪捜査をテーマにした伝説的ドラマ「捜査班長」の前日譚(プリクエル)を描いた作品だ。⇒【関連・各話のあらすじ】



■キャスト
パク・ヨンハン役:イ・ジェフン
キム・サンスン役:イ・ドンフィ
チョ・ギョンファン役:チェ・ウソン
ソ・ホジョン役:ユン・ヒョンス
イ・ヘジュ役:ソ・ウンス
 ほか

■第9話「消えた女工たち」あらすじ
捜査班長© 2024MBC. All Rights reserved.ナンシル巡査(チョン・スビン)の友人が働く工場で女工が毎月一人ずつ失踪する事件を再捜査する捜査1班。工場長は事件性はないと主張するが、女工から話を聞いたヨンハン(イ・ジェフン)は、毎月行われる朝礼で社長のヒョングン(キム・テジュン)が失踪した女工を指名していたことを知り、その場で逮捕。しかしヒョングンはペク署長(キム・ミンジェ)が保身のために媚を売っていた鐘南(ジョンナム)四天王と呼ばれる高官や実業家の御曹司の一人だった。すぐさま釈放を命じた署長に対して、捜査続行を宣言した捜査1班。直後に失踪していたうちの一人が山中で遺体で発見されるが、遺体は凌辱された上に奇妙な化粧が施されていた。再び現れた捜査1班に対して四天王は小馬鹿にした態度を見せ、ヨンハンらは4人が全員事件に関わっている可能性にたどり着く。

ヨンハンとサンスン(イ・ドンフィ)は彼らが入り浸っていた酒楼に聞き込みを行うが、オーナー(キム・ジョンファ)は顧客の情報を語ろうとはせず。しかし少し前に酒楼で働く女性が捜査1班に助けられていたことを知ると彼女の心境に変化が訪れた。ヘジュ(ソ・ウンス)の書店を訪れたオーナーは四天王が連れてきた女工にアヘンを注射したのちに凌辱し、暴行や悪質な化粧を施して弄んでいた事実を打ち明けた。証拠の写真を手に入れて逮捕に急ぐ捜査1班。その頃、四天王は仲間割れを起こし、国家再建最高会議の高官の息子ヒソン(イ・ボンジュン)を除く3人はヒソンからもらった貴重な酒に浮かれて酒場に向かう途中でトラックに衝突され交通事故に遭ってしまう。事故現場を通りがかった捜査1班はアヘンを発見。

唯一生き残った中央情報部高官の息子ジョンギル(キム・ミン)を狙って訪れたヒソンにアヘンを見せて煽るヨンハン。激昂したヒソンはペク署長に後処理を命じるが、父親のスキャンダルを聞きつけたペク署長は、手のひらを返したように親子を脅迫することを思いつき強い態度でヒソンを牽制する。交通事故の加害者が自首し、アヘン発見も隠蔽されたことからペク署長が裏で事件に関与していることを確信した捜査1班は、意識が戻ったジョンギルを殺そうとするヒソンを逮捕するために病院へ向かうが、厳重な警備で病室に近づけず、思い切った作戦に出ることに…。

■第10話(最終回)「最後の証人」あらすじ
捜査班長© 2024MBC. All Rights reserved.ヒソンがジョンギルを殺そうとしていたその時、ギョンファン(チェ・ウソン)の怪力に助けられ、ヨンハンが窓から病室に飛び込みヒソンを現行犯逮捕。ペク署長は父親であるビョンピル(ミン・ウンシク)を脅迫し、ハワイに高跳びするために多額の金を支払わせようとする。一方、命を救われたジョンギルはヨンハンらの説得に応じて婦女暴行の事実や、そのうちの一人をヒソンが殺害したこと、ペク署長が遺体遺棄に関与していたことを供述するが、自身の家族のために証言台に立つことは拒否。証拠が足りず暗礁に乗り上げた捜査1班だが、ナンシルは他の失踪者の行方を突き止め呼び寄せることに成功した。彼女たちは四天王に暴行を受けた事実を認め、被害届を出しに行った先で署長に脅迫されたことを供述しつつ法廷での証言は拒否するものの、ヘジュの行動が彼女たちの心を動かし、証言をする決意を固めた。

1億の大金を要求されたビョンギルは、聖堂で会う予定だったペク署長の始末を命じる。そんな中、病室を監視していたナム巡査(ドウ)からジョンギルが拉致されたとの知らせが入り、彼がペク署長によって聖堂に連れ込まれたことが判明する。ビョンピルが大金の代わりに殺し屋を送り込んだことに気付いたペク署長は発砲し聖歌隊の指揮者を人質に取って籠城。追い詰めたヨンハンとホジュン(ユン・ヒョンス)は隙を突こうとするが、ヨンハンが撃たれてしまう。サンスンとギョンファンもジョンギルを救出し、署長サイドについたカン刑事(ムン・ジンスン)を逮捕。ギョンファンを刺されたことに激昂したサンスンはカン刑事の耳に噛みついた。

傷を負いながらも銃を拾ったヨンハンが現場を掌握し、ペク署長ら事件の関係者は法の裁きを受けることになった。ペク署長は絞首刑になり、知らせを受けた鐘南署は歓喜のムードに包まれるが、ヨンハンはビョンピルが何事もなかったかのように政治に関わっているのを見て自身の無力さを感じてしまう。生まれてくる子供のためにプレゼントを買い込んで現れたヨンハンを見てすぐさま悩みに気づいたヘジュは、彼の無力さではなく、これまでに無念を晴らしてきた犠牲者の代弁して夫を勇気づけた。

一向に減らない犯罪にめげることなく、改心した受刑者へのケアも怠らない捜査1班のもとにユ班長(チェ・ドクムン)が署長に任命されたという知らせが届き、署内はお祝いムードに包まれる中、後任を任されたのはヨンハン。後に伝説となる捜査班長誕生の瞬間だった。

そして現代。かつて罪を犯しながらも改心して真面目に暮らすことができたギョンチョル(ソン・ギョンチョル/特別出演)とゲイン(イ・ゲイン/特別出演)に呼び出されたヨンハン(チェ・ブラム/特別出演)。彼らはヨンハンのおかげで人として再起できたお礼を述べるが、他の刑事の名前が話題にのぼるとヨンハンは寂しげな表情を見せた。翌日、ヨンハンが向かったのは警察墓地。先にこの世を去ってしまったサンスン、ギョンファン、ホジュン、ナム巡査、ユ班長の墓前に花をたむけると寂しそうに涙ぐみ、かつて一緒に正義を追いかけていた日々を懐かしむと、仲間への感謝の気持ちを伝えて去っていった…。



■見どころ
1971年から1989年まで絶大な人気を誇った刑事ドラマ「捜査班長」のリブート作品として、主人公パク班長ら伝説の刑事の出会いと若かりし頃を描いた作品が最終回を迎えた。1958年から1962年までの朝鮮戦争休戦後の復興期、社会や政治も混乱し、警察や政府も不正が騒がれていた激動の時代に生きながらも、正義に誇りを持ち、それでいてどこかチャーミングな刑事たちの生き様を描いた物語だ。

これまでも幾度となく、理不尽な政治的圧力で事件がもみ消されたり妨害されたりを繰り返してきた捜査1班だが、最後に退治した悪は最終回にふさわしい巨大な権力が生み出した化け物だった。謎の女工失踪事件から端を発した事件は、国家再建最高会議や中央情報部など当時の韓国を動かしていた重要な機関の高官の息子たちの犯行で、そこにペク署長の関与も明らかになって、いつどんな高官に捜査を中断させられるかわからない中で、最後は暴走したペク署長との死闘の末、事件を解決に導き勧善懲悪を果たした。

最終回終盤では、相変わらず社会からは犯罪がなくならないものの、鐘南警察署の雰囲気はガラッと変わり、署が本来の警察としての姿を取り戻し、ユ班長が署長に昇格したことで、ヨンハンが班長になり、オリジナル版でチェ・ブラムが演じたパク班長の誕生の瞬間が描かれた。オリジナル作品を観ていた中年層には懐かしさ、若い世代にはレトロな目新しさがウケて全体的に10%前後の視聴率をマークし、第9話では10.0%、第10話では10.6%(ニールセンコリア調べ)と安定した全国視聴率を記録し幕を閉じた。

最終回はオリジナル版の視聴者世代に対する演出の配慮も行き届いていた。クライマックスでの現代場面では、オリジナル版で犯人役で出演していたソン・ギョンチョルとイ・ゲインが改心して人生をやり直せたという設定でヨンハン役を演じていたチェ・ブラムとともに特別出演。更にすでにこの世を去ってしまったオリジナル版のキャストについても墓参りのシーンで言及され、本作が「捜査班長」の前日譚であり、結末を描いた後日譚の役割を果たし、懐かしさと寂しさ、人生の儚さを感じさせるノスタルジックなクライマックスとなった。

そして早速ではあるが、嬉しい話題も舞い込んできた。MBCドラマスタジオ代表がマスコミインタビューで、「捜査班長」シリーズ続編を考えていて、現時点で描かれていない本作とオリジナルの間(1962年〜1971年)や、オリジナル版が終了した1989年以降の出来事をシーズン化して継続していいく計画だと明かしたというのだ。もし計画が実現すれば、各時代の刑事たちをどんな役者がどのように演じ、どんな事件が描かれるのか期待せずにはいられない。続報に期待したい。

『捜査班長1958』ディズニープラス スターで4月19日(金)より独占配信開始。第3話は26日(金)21時50分に放送されDisney Plusで全話独占配信中だ。

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