故つかこうへい愛娘、宝塚雪組娘役トップ・愛原実花のさよなら公演「ロジェ」の映像を配信中。

2010年07月13日11時20分芸能
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62歳の若さで、肺がんでこの世を去った、つかこうへいさんの長女・愛原実花が、父のつかさんが亡くなった10日から3日間、自身が所属する宝塚の舞台「ロジェ」に気丈に立ち続けた。雪組娘役トップの愛原は今年9月に歌劇団を退団することが決まっており、この「ロジェ」は、共に退団する雪組トップスターの水夏希とのさよなら公演。宝塚歌劇オフィシャルサイトでは「ロジェ」の舞台映像を配信している。

「ロジェ」は、ナチスドイツに愛する家族の命を奪われた男(水夏希)の復讐の物語で、ヒロイン(愛原実花)との、タンゴ酒場での別れのダンスのラストシーンが、雪組トップコンビのさよなら公演にふさわしい名作と評判も高い。
愛原はかねてより自身の退団は、水さんの愛称で親しまれた水夏希と一緒と公言していただけに、ファンたちは彼女の退団を受け入れてはいたが、彼女の伸びのある声とダンスは他を圧倒していただけに、ファンからは今も惜しみの声が聞こえている。

そんなファンたちのためにも、父であるつかさんの最期も看取らずステージに立ち続けた愛原のステージは、7月26日(月)まで宝塚大劇場で公演される。

最愛の娘を遺してこの世を去った つかさんは、今年の元日に遺書を残していた。遺書には、「思えば恥の多い人生でございました。先に逝くものは、後に残る人を煩わせてはならないと思っています」などと記し、お別れの会など一切、固辞することを強調。「しばらくしたら、娘に日本と韓国の間、対馬海峡あたりで散骨してもらおうと思っております」とある。

9月、歌劇団を退団した愛原実花は、父つかこうへいが名づけてくれた生駒みな子に戻って、対馬海峡を父と別れの旅に出るのかもしれない。それまでは、偉大な演出家で劇作家であった父つかこうへいの娘らしく舞台で輝いてくれるだろう。

雪組「水夏希×愛原実花」さよなら公演でもある「ロジェ」の舞台映像は、宝塚歌劇オフィシャルサイトから視聴できる。

★つかこうへいさん(本名・金峰雄=キム・ボンウン)は、1948年4月24日、福岡県生まれ。慶大在学中からアングラ劇の活動を始め、1974年「熱海殺人事件」で岸田國士戯曲賞を受賞。当時25歳のつかさんは最年少の受賞となった。同年に「劇団つかこうへい事務所」を設立し、1982年には「蒲田行進曲」で戦後生まれとして初の直木賞を受賞している。本作は同年に映画化もされ、大ヒットとなった。1994年に東京・北区に、1995年には大分市と組んで劇団を設立して、2007年には、紫綬褒章を受章している。2010年7月10日午前10時55分、肺がんのため千葉県鴨川市の病院で死去。

素晴らしい作品を遺して下さった つかこうへいさんに感謝し、ご冥福を心からお祈りします。
そして、父が見守る、愛原実花さんのさよなら公演「ロジェ」が最後まで最高のステージとして輝くことを願っています。

宝塚歌劇団オフィシャルサイト