【最終回ネタバレ】NHK「老害の人」老害だけで終わらない、その先の人間ドラマの結末は?

06月03日07時00分ドラマ
画像:NHK公式Xより

6月2日(日)に放送したBSP4K・NHKBS「老害の人」最終回(第5話)では、サキ(三田佳子)と和美(高橋惠子)との間に生まれた妙な友情をきっかけにそれぞれが自分の生き方を見直した。この回のネタバレあらすじと見どころなどを紹介する。本作はNHKオンデマンドで配信中だ。



本作は、「すぐ死ぬんだから」「今度生まれたら」に続く、内館牧子原作の「老後」小説のドラマ化第3弾。埼玉県川越の近くの街を舞台に、コロナ禍に福太郎と近所の老人5名が巻き起こす老害六重奏と、家族たちの群像活劇。⇒【各話のあらすじ】

今回は、熟女パブ「とば口」にスーザン・サキ・アンダーソン(三田)だけでなく、ニューフェイスのジャクリーン・和美・シュナイダー(高橋)が登場して福太郎を仰天させた。血圧計を常備しているのはさすだ。最終回は、三田佳子と高橋惠子のお互いトゲの会話をきっかけに、老害だけでは終わらない、その先の人間ドラマを見せてくれた。

毎回気になるエンディング曲。最終回は、1974年9月25日にリリースした森山良子の(作詞・作曲:麻田浩)森山良子「あなたがいるから」をしんみり聞かせてくれた。⇒YouTube|持山涼子「あなたがいるから」

■第5話(最終回)ネタバレ
老害の人画像:NHK番組サイトより福太郎(伊東四朗)に誘われ埼玉にやってきた和美は頑なな態度で若鮎サロンで孤立していた。見かねたサキが諫めると、和美はどこまでもついて来て、サキは空腹で倒れそうな和美にラーメンをご馳走する羽目に。

和美は生活保護を受けており、福太郎がアパートの家賃も出してくれているので食べるに困ることはない。しかし、あまりにも申し訳ないと、アパートの敷金だけでも福太郎に返そうと、食事を抜いていたのだった。自分を「世の中の厄介者」と卑下する和美を「ひねくれ者」と手厳しいサキ。だらしない服装の和美を見かねたサキは、自宅アパートに連れ帰って、ほつれたズボンの裾を修繕してやる。

ビールまでご馳走になり居座る和美。サキは、定年まで中学の家庭科の教師をしていて、辞めた後は服のお直し屋でパートしたこと、その後は公民館でもパートで働いていたと話した。そして福太郎に渡した「元公民館館長」の名刺は、頑張ったサキへの選別だったとも。最近は若鮎サロンが窮屈だというサキに、「それは嘘をついているから」と他人のことは明答する和美。話ついでにサキは、離婚したこと、娘も離婚して子供を抱えて沖縄で暮していると、身の上話までした。

苦労している娘に仕送りするために熟女パブで働いているサキは、和美にもパブで働いてみないかと体験入店を勧めた。

そんな中、春子(白川和子)が娘の里枝(羽田美智子)と同じ境遇の和美に相談する。和美は「人生100年という言葉が嫌いだった。90すぎて寝たきりの母の看病に疲れ、そろそろお迎えが来ないかと何度も考えた」と正直に話した。そこに春子を迎えに来た里枝も座らせて話しを続ける。

母に認知症の症状が出たときに、母の友人から見舞いにきたいと連絡がきたが、「母は今の自分を見られたくないだろう」と相談もせずに断った。母が亡くなった後、迷子になったみたいでどう生きていいのかわからなくなったと、引きこもりになった経緯を話した。母を介護しながら共依存の関係になってしまい、母と自分の世界を狭めてしまったことに今になって気付いたと、自身を分析した。そして里枝に「お母さんと自分の人生を一緒にしてはいけない。自分のために生きてください」と伝えた。

里枝は明代(夏川結衣)に謝り、二人は半年ぶりに仲直り。自分の人生を生きる決心をした里枝は、今も気になっている佐多(宇野祥平)のレストランで食事し、そんな和美にオーナーの佐多は笑顔を向けた。

一方、純市(勝村正信)に誘われて熟女パブに出かけた福太郎は、目の前にサキと和美がホステスとして現れ仰天する。サキは元公民館館長というのは嘘だと伝え、翌日には若鮎サロンの皆に謝って誤解を解いた。和美はサキが気高い人だと褒め、娘のためにサロンで働いていると説明。そして「サキさんは、私に生き直せと教えてくれた」と告げ、「それも福太郎さんが引きこもりの自分を連れ出してくれたおかげ」と、深く感謝した。

俊(望月歩)が心配していた友人の剛(室井響)は、悪い仲間とつるんでいたが、殴られて仲間から抜けた。そして松木ファームにも顔を出し、実家のクリーニング店も手伝っている。

家族の前でたくさん醜態を見せた純市だったが、彼なりに清潔感を意識して風呂にも入った。実は明代は和美を連れ帰ったときに、純市に文句を言われると覚悟していた。ところが純市は何も言わなかった。そんな夫に惚れ直したのか、「二人の関係は自分たちにしかわからない。一度手放したら二度と手に入らない。父にも俊にもわからない」と笑顔を見せ、純市も「明代がいてくれたからやってこれたんだ」と、改めて感謝して仲直り。

和美は、福太郎が自分の初恋の人だったと告白し、秋田に帰ると伝えた。サキにも報告し、サキは和美に手作りバックをプレゼント。和美はサキに叱られたことが嬉しかったと話し、サキはいつか秋田に遊びに行くと約束した。翌日、和美は若鮎の皆に、また会いたいと挨拶して帰っていった。秋田に戻った和美は晴れやかな顔で、一度も行けなかった母の墓参りをする

戸山家では福太郎の85歳の誕生日を家族や友人たちが集まってにぎやかに祝った。老人も趣味などスローテンポで極めていた。

誕生会の後、福太郎は自分にしか見えない亡き妻・八重と語らった。自分のために尽くしてくれた八重に改めて感謝し、「色々間違いをしてきたけど、お前を選んできたことだけは正しかったと思う」と妻の遺影に話し、「生前にもっと感謝を伝えるべきだった」と呟いた。

老害だけでは終わらない福太郎が最愛の八重に会いに行くのはもう少し先になりそうだ。

NHKBSプレミアムドラマ「老害の人」(全5話)はNHKオンデマンドで全話配信中だ。

■キャスト
戸山福太郎役:伊東四朗
亡妻・八重役:田島令子
娘・明代役:夏川結衣
婿・純市役:勝村正信
孫・梨子役:木竜麻生
孫・俊役:望月歩
≪福太郎の友人たち≫
吉田武役:前田吟
妻・桃子役:日色ともゑ
竹下勇三役:小倉蒼蛙(小倉 一郎)
林春子役:白川和子
娘・里枝:羽田美智子
村井サキ役:三田佳子
≪その他≫
元部下・山本和美役:高橋惠子

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