Netflix映画『武道実務官』、キム・ジュファンワールド満載 3つの見どころと感想・レビュー

09月14日18時00分映画
画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

13日Netflixにてキム・ウビンとキム・ソンギュン共演の映画『武道事務官』が公開され、早くも好評を得ているようだ。制作サイドが発表した3つの見どころと、筆者が視聴した感想や見どころを紹介する。
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『武道実務官』紹介

『武道実務官』は、テコンドー、剣道、柔道の合計9段を持つ武道有段者イ・ジョンド(キム・ウビン)が、保護観察官キム・ソンミン(キム・ソンギュン)の提案で、犯罪予防のために電子足輪の対象者を24時間密着監視する「武道実務官」として共に働くことになり、展開する物語を描いたアクション映画。


制作陣が発表した3つの見どころと共に、ネタバレなしの感想と筆者お勧めの見どころなどを紹介しよう。



武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

■一つ目の見どころ

武道実務官と保護観察官というこれまで多くの作品でほとんど取り上げられてこなかった題材。これまでの作品でよく登場した刑事や警察官ではなく、事件が発生する前に予防するという新しい職業の話を扱っており、新鮮な楽しみを提供する。


武道実務官と保護観察官は、一組となって犯罪が発生する状況だけでなく、電子足輪の対象者を24時間監視・追跡・張り込みし、電子足輪の充電が30%を切ると電話をする。応答がなかったり危険を感じた際には現場に直行し、事件の発生を事前に防ぎ、市民の安全を守る役割を果たす。


武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

映画『二十歳』(2015年)やtvNドラマ「私たちのブルース」(2022年)などで、様々なキャラクターを自分ならではの魅力で演じてきた俳優キム・ウビンが、ひょんなことから武道実務官の役割を担うイ・ジョンドを演じる。


武道画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

一方、キム・ソンギュンは、保護観察官キム・ソンミン役を演じ、温かく善良な一面から使命感に満ちた姿まで幅広く見せている。彼は「保護観察対象者たちが再犯を起こさないように、彼らの話を聞いたり、叱ったりするなど多方面で努力する姿を見て多くのことを感じた」と述べ、映画でも彼らに優しく寄り添う姿を見せている。



▼感想とお勧めポイント

本作は、単なるアクションや犯罪予防にとどまらず、現実の社会問題も浮き彫りにしている。劇中、子どもに対する性犯罪者や性搾取物をコンテンツとして制作する犯罪といった、決して許されない犯罪者たちを悪役に設定し、彼らを倒す主人公たちの活躍を通じて強烈なカタルシスを提供している。また、保護観察官の人手不足や、犯罪者を更生施設に戻さなければならないという現実的な問題にも焦点を当て、我々が直面している社会問題にも警鐘を鳴らしている。


武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

筆者は「連れ戻す」という展開にNetflix「D.P.」シリーズを思い浮かべた。保護観察官キム・ソンミン役を担当するキム・ソンギュンは、「D.P.」でも脱走兵を捕まえる担当官(パク・ボング)を演じていただけに、なおさらそう感じたのかもしれない。他にも違法コンテンツ制作に関与する悪党を「D.P.」でチムジルパン社長役を務めたイ・ジュンオクが演じているのも見逃せない。



武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

■二つ目の見どころ

二つ目は武道実務官イ・ジョンドと保護観察官キム・ソンミンとして、完璧に変身したキム・ウビンとキム・ソンギュンのケミストリー(演技の相性)だ。ジョンドは何をするにも楽しさが一番大事だと考えており、趣味はスポーツとEスポーツ。偶然犯罪者の攻撃を受けていた武道実務官を助け、臨時の武道実務官代理として働くことになる。使命感を持って働く保護観察官ソンミンは、ジョンドの実力を認め、共に働くことを提案する。


2人1組で活躍する二人は、市民の安全を守るために昼夜を問わず共に動き、幻想的なチームプレイを見せる。「君がいれば、俺たちは無敵だ」というキム・ソンミンの言葉のように、二人の強烈な演技シナジーと無敵のケミストリーは、作品に活気を与える。



▼感想とお勧めポイント

男2人のケミはキム・ジュファン監督が得意とするところだ。キム監督の大ヒット作映画『ミッドナイト・ランナー』ではパク・ソジュン×カン・ハヌル、tvN「ブラッドハウンド」ではウ・ドファン×イ・サンイが同年代バディで最高のケミをみせた。『武道事務官』は、キム監督の新感覚悪魔祓いアクション『ディヴァイン・フューリー/使者』(パク・ソジュン×アン・ソンギ)と同じく歳の差バディだ。


本作ではキム・ウビンはジョンドを演じるにあたり、初めて金髪にチャレンジしている。ジョンドが本気で武道事務官になる決心をした時に黒髪で短髪に整える。これは『ミッドナイト・ランナー』の名場面でもある警察大学入学の際の『断髪式』をほうふつとさせる。保護対象者にうまく手錠をかけられなかったり、逮捕の際の決まり文句に詰まったりするシーンも、『ミッドナイト・ランナー』警官の卵の主人公たちを連想させる。



武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

三つ目の見どころ

細部にこだわって作り上げられた強力で迫力満点のリアルなアクションと、普通の青年イ・ジョンドの成長。テコンドー、剣道、柔道、合計9段の優れた武道の実力を持つジョンドは、危険な状況でも犯罪発生の恐れがある電子足輪対象者たちを一瞬で制圧する。『武道実務官』ならではのディテールが生きたリアルなアクションは、壮観な見どころを提供する。また、武道実務官として現場を経験するほどに、アクションも心も成長していくジョンドの姿も描かれている。



武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中

▼感想とお勧めポイント

本作最大の見どころであるアクションだが、キム監督作のアクションは美しい。これは主人公たちが武術の熟練者ならではだろう。『ディヴァイン・フューリー/使者』では主人公が総合格闘技の世界チャンピオン。「ブラッドハウンド」も主人公二人がボクシングの決勝戦で戦う程のボクサー。特に「ブラッドハウンド」第4話では延々と5分間以上もヤクザ相手に2人が拳を武器に、ジャブ、ストレート、フック、アッパーパンチを繰り出し、喧嘩アクションではない美しさをみせてくれた。『ミッドナイト・ランナー』でもきちんと基礎を学んだ主人公2人は驚くほど強くなっていく。
※「ブラックハウンド」については【「ブラッドハウンド」を2倍楽しむ】で各話のネタバレあらすじや見どころ、アクションについて紹介している。


ジョンドを演じたキム・ウビンは本作のために8kg増量し、武術の練習に3か月間を費やしたという。その結果、3種あわせて9段のスポーツマンアクションをリアルに具現している。
武道実務官画像提供:Netflixより:Netflix映画『武道事務官』Netflixにて独占配信中
ちなみにジョンドが自分よりさらに大柄なカン・ギジュン(イ・ヒョンゴル)と戦うシーン。食肉店内で両手に刃物を持つギジュンを見て、「ブラッドハウンド」第6話で和食職人ファン・ヤンジュンが戦うシーンを思い出した。演じたのはイ・ヘヨン。本作ではジョンドの父親役で出演している。


そして、「その日が楽しければ…」の暮らしをしていたジョンドが市民の英雄となっていく姿は、何となく警察大学に入った2人が、事件と向き合ううちに「人の役にたつこと、助けること」に情熱を燃やし、本気で警察官になりたいと心から願った『ミッドナイト・ランナー』に通じるものを感じた。



武道実務官

レビューまとめ:嬉しい既視感

いたるところで既視感を感じた本作だが、それは決して嫌なものではなく、『キム・ジュファンワールド』として、これからもこうしたサイダー(胸がスカッとする)アクションを見せてほしいものだ。



映画『武道実務官』はNetflixにて独占配信中だ。



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