阿部寛主演、NHK土曜ドラマ「水平線のうた」制作開始(あらすじ、キャスト、スタッフまとめ)

10月04日14時09分ドラマ
画像提供:NHKより

津波で行方不明となった妻子に、もう一度会いたい…NHK BSプレミアムにて2025年3月1日、8日(総合土曜夜22時~ 2週連続)2週連続で放送する「水平線のうた」の制作がスタートした。関連動画などはまだ公開されていない。

震災で家族を失ったタクシー運転手(阿部寛)。ある夜、彼の車に乗った少女(白鳥玉季)が口ずさんだメロディーは、妻子との思い出の曲だった。男はその曲を追い求め、やがて妻の想いを知る。少女や音楽仲間と共に、小さな奇跡を起こす物語。



■あらすじ
大林賢次(阿部寛)は、東日本大震災で音楽教師だった妻・早苗(松下奈緒)と10歳の娘・花苗を失い、13年間タクシー運転手として働いている。津波で亡くなった人の霊がタクシーに乗るという話を聞き、妻子に会いたい一心で続けてきたが、一度も再会できていない。

ある夜、賢次はタクシーに乗せた女子高生・りら(白鳥玉季)のハミングを聞き、その懐かしいメロディーに驚く。だが、りらに曲名を尋ねても彼女は答えず、そのまま降りてしまう。数日後、賢次はその曲が震災直前に妻と娘が一緒に演奏していたものだと気づき、りらを探し出す。りらは、片道2時間かかる場所へ連れて行ってくれれば曲名を教えると言い、二人は音楽喫茶に向かう。そこでりらがリコーダーで演奏したのは、まさに賢次の思い出の曲だった。

その楽譜の由来を知った賢次は衝撃を受け、りらや音楽仲間と共に、この曲を復活させようとする。

■原案・音楽:岩代太郎のコメント
私は「なぜこの世に音楽が必要なのか」という問いを常に自問しています。音楽の存在理由を探求し、それを具現化するために努力しているのです。音楽が真の姿を現すためには、「作曲者の想い」「演奏者の想い」「聴く人の想い」が必要です。この3つが満たされたとき、個々の想いが多くの人々と分かち合えるものに昇華されるのです。音楽は心の中にしか存在しません。そんな想いが「水平線のうた」に込められています。家族を愛していたタクシー運転手が音楽の力で絆を取り戻す物語を、ぜひご覧いただきたいです。

■脚本:港岳彦のコメント
1995年の夏、宮城県女川町で季節労働者として働いていました。現地の人々はとても親切で、私に大量のご馳走を振る舞ってくれました。このシナリオは、あの夏の記憶と、岩代さんのインスピレーションから生まれたものです。

■主演:阿部寛のコメント
このドラマは、震災から13年が経った今、過去の喪失と向き合う人々を深く描いています。主人公・大林賢次が、妻と娘を探す中で偶然出会った女子高生との交流を通じて、失われた絆や未だ癒えない心の傷に向き合います。音楽の力や、若い世代と過去に縛られた大人たちの対比がテーマとなっており、共感を呼ぶ作品です。

■制作者からのコメント
岩代太郎さんからこの企画を提案されてから3年、じっくりと準備してきました。震災から13年が経ち、風景は復興しましたが、被災者の心の傷はまだ癒えていません。この物語が多くの人に届き、少しでも心が明るくなることを願っています。

■放送予定
2025年3月1日、8日(総合土曜夜22時~ 2週連続)
BSプレミアム 4K 午前9時25分~

■出演
阿部寛、白鳥玉季、中川翼、キタキマユ、山中崇、宇野祥平、松岡依都美、山本浩司、菅原大吉、前原滉、松下奈緒、加藤登紀子 ほか

■スタッフ
脚本:港岳彦
原案・音楽:岩代太郎
制作統括:杉田浩光(テレビマンユニオン)、高橋練(NHKエンタープライズ)、磯智明(NHK)
演出:岸善幸