【最終回ネタバレ】「海に眠るダイヤモンド」長い時を経て、神木隆之介の気持ちは宮本信子に届いた
12月22日に放送されたTBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」最終回・第9話で、鉄平(神木隆之介)は朝子(杉咲花)を思いながら、甥・誠のために罪を背負って逃げ続けた。端島とコスモスのシーンは絶賛の嵐。最新話はTVerにて、全話はParaviでは配信中だ。
TBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」とは
「海に眠るダイヤモンド」は昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大なヒューマンラブエンターテインメントだ。その最終回・第9話が12月22日に2時間で放送された。
■最終回・第9話ネタバレあらすじ
玲央(神木隆之介)はいづみ(宮本信子)から、鉄平(神木隆之介)はリナ(池田エライザ)と駆け落ちをしたきり消息を絶ったと告げられた。
1965年3月、端島は新区域から石炭が出たことで息を吹き返した。しかし、鉄平はリナとの仲を疑うよからぬ噂も立っていた。誠の通院のためだったのだが、リナと鉄平の間には誰にもいえない秘密もあった。リナは誠の治療のために“保険証”がいると長崎の病院で言われた時に、鉄平に、進平(斎藤工)との絶体に誰にも言えない秘密を打ち明けた。リナは本名ではなくヤクザの金を奪い追われて端島に来たこと、リナを追ってきたヤクザものの鉄を進平が殺したこと、それを全て知った上で進平がリナを受け入れてくれたこと。そして、その秘密のために婚姻届けも出せず、誠の出生届もだせなかった。鉄平は進平の前妻であり、海で消息をたったままの栄子の子として誠の出生届を出した。
後に朝子(杉咲花)と結婚することになる虎二郎から朝子のことをどう思っているのだと言われた。ある日、朝子は鉄平から「話がある」と呼び出された。しかし鉄平は来なかった。
現代。百合子(土屋太鳳)の息子である孝明(滝藤賢一)に玲央(神木隆之介/二役)たちが会いに行く。鉄平の日記は父である賢将(清水尋也)が持っていて、どうしたらいいかを考えていたのだという。賢将がなくなり、朝子に渡してほしいと書かれていたのでそうしたのだという。百合子は病気で20年程前に亡くなったが、孝明には兄弟もいて、皆、健康だという。それを聞いて玲央は安心した。鉄平の日記に百合子が子どもへの被爆を気にしていたことが書かれていたからだ。孝明は8ミリもあるので後日、データにして送ると約束した。
孝明は日記は11冊あったというが、玲央が見せてもらったのは10冊だけだ。日記を受け取りにいったのは、いづみの秘書の澤田(酒向芳)だという。澤田は自分が、荒木誠であることを告げた。日記を隠したのは自分の身が可愛かったからだと話す。そして、澤田が知ることを話し始めた。
1965年。殺された鉄の兄たちが自分を追ってきていて、荒木家の家族に脅迫をしはじめたことを知る。誠が誘拐されてしまい、リナは秘密をハル(中嶋朋子)にも打ち明けた。鉄平はリナに頼まれて、誠を連れ戻しに行くが、その日がまさに朝子を約束した日だった。誠に危害が及ばないようにと、鉄平は弟を殺したのは自分で、兄はもう死んだのだという。そして、リナと誠をつれて小舟で逃げた。小舟で逃げる様子を島の人が見ていて、“駆け落ち”だと島に噂が広まる。ハルは島から引っ越すことにした。朝子はハルに「あの日、約束していたんです」と話すが、ハルは謝ることしか出来なかった。そして、朝子は虎次郎と結婚した。
現代。いづみは澤田の話を聞いて自室にこもってしまう。家族(美保純、尾美としのり…)で父親直伝のちゃんぽんをわいわいと作っている。そこにいづみがやってきた。澤田を引き留め、自分のことを知っていて秘書になったのかを聞く。すると、リナはずっと朝子たちのことを気にしていて、IKEGAYAの社長をしていることも知っていたという。澤田は失職してしまったときに、IKEGAYAでいづみの秘書を募集していることを知り、役に立ちたいと思って応募したという。リナは自分たちが生きていけるのは鉄平と朝子のおかげなのだと生前繰り返していたという。しかし、日記をみて、11冊目に書かれていることをどうしてもいづみに知られたくないと思ってしまったとわびた。
そんな澤田にいづみはやさしく話しかける。澤田に罪はないといい、また会えてよかったとしみじみと話す。澤田はヤクザに刺されたが長崎の病院でみてもらい大事には至らなかったという。そして、鉄平はすぐに出頭したのだが、遺体があがっていないこと、鉄を殺した進平はもう亡くなっていることなどから警察にとりあってもらえなかったという。その後の消息は澤田も知らないという。澤田が差し出した11冊目の日記をいづみは受け取った。そして、玲央と一緒にまた長崎、端島にいってみようと決めた。
1965年.事件として警察に取り上げられなかったが、ヤクザの追跡は続く。鉄平はその後、逃亡しつづける人生を歩んだ。端島は黒字でありながら、廃坑とすることが決まった。大勢の炭坑夫たちの就職に賢将達は奔走する。そんなとき、賢将と鉄平はこっそりと会った。鉄平は逃げ続けていたが、リナと誠はハルと一緒にひっそりと暮せていた。荒木家の願いは誠が元気でいることだけなのだと告げる。朝子と連絡をとっているのかと聞かれるが「手紙を書く」とだけしか答えられない。そして、鉄平は端島が本当に廃坑になるのかを確認した。鉄平は年のいった人達の就職先もリストに作ってきていた。外勤の仕事を放り出したことを後悔し、最後の勤めとしたのだ。そんな鉄平に朝子が結婚して子どももいるといって賢将は写真を見せた。
賢将に逃亡はいつまで続くのかと聞かれると、追いかけてくる人が死ぬまでだという。端島のことを書き残したいという賢将に「いいものがある」といって、鉄平は自分の日記を渡した。問題がある箇所を黒塗りにしたり破ったりした。賢将はまた連絡をしてほしいといい「テッケン団は解散してないぞ」と叫んだ。
端島が終わる日、フェリ-の甲板で百合子と朝子はしみじみと話す。夫の勤務先である東京についてゆく朝子は「全部おいてきた」と告げた。
現代。11冊目の日記には鉄平が朝子のためにガラス細工を買いたがったことや、売り物ではなかったために自らの手でガラス細工をしたことが書かれている。廃坑になってから1年後、鉄平は端島を訪れていたことも書かれている。
玲央といづみは端島に向かう。観光船ではなく、一隻の船で向かう。するとその船長が10年くらい前に鉄平らしき人を島に乗せていったという。そして、上のほうの階になにかを老いたのだと教えてくれた。いづみはそれが鉄平から自分へのギヤマン細工だと察知してそこに向かおうとする。しかし、玲央や船長に止められた。
夜になって、和馬(尾美としのり)から、孝明から動画が届いたと連絡が入る。いづみと二人で見ていると、そこには若いころの皆が映っていた。鉄平もいた。いづみは玲央と比べて「全然似てないわね」という。
そんな時、船長から連絡が入った。鉄平の住所がわかったというのだ。その住所は今は長崎市のフリースクールになっている。翌日、いづみと玲央でそこを訪ねると、職員(麻生祐未)が、鉄平が各地を転々とした後、1990年にこの家を買い、亡くなった時に遺産を継ぐ人がいないのでといって市に寄付してくれたのだという。遺品は賢将に送ったのだ。ここでは老人や子どもの話し相手になっていたときき、いづみは「外勤をしていたのね」と懐かしそうに語る。庭に出ると、そこには一面のコスモス畑があり、その先に端島が見えた。鉄平と朝子は一緒にコスモスを植える約束をしていたのだった。
玲央はホストをやめ、ツアーガイドの仕事を始めていた。知らない土地でも鉄平が訪ねてきていて、そこにいる子どもに声をかけていたかもしれないと思うと誰も他人に思えなくなったといづみに話した。
リアリ視聴率には苦戦
TBS日曜劇場は常に高い視聴率をたたきだしているが、この「海に眠るダイヤモンド」は初回こそ世帯視聴率11.0%、個人視聴率6.9%(ビデオリサーチ社調べ、以降の数字も同様)と高い数字だったが、その後は野球中継や選挙特番により放送が休みになる週があったせいか、世帯で9.3%、7.0%、7.5%、7.4%、6.7%、8.8%、8.4%、個人は5.6%、4.3%、4.5%、4.4%、4.2%、5.6%、5.3%とかなり苦戦が強いられた。最終回は2時間SPでの放送となったが、裏でM-1の決勝が放送された関係か、あまり数字を伸ばすことができず8.3%で幕を閉じた。
鉄平(神木隆之介)の人生を思い“辛すぎる”の声が
大好きな朝子(杉咲花)を別れなくてはいけなくなり、その後もヤクザから逃げ続ける人生を送った鉄平の人生に思いをはせる人が多かった。第1話でリナ(池田エライザ)が島にやってきた後、島を出ようとしたとき「人生を変えてみないか?」と鉄平が止めたことからドラマは始まっていったが、それが鉄平にこんなにも大きなものをもたらしていた。
澤田(酒向芳)が誠だったことに皆、納得した
過去パートと現代パートをつなぐのは朝子の記憶と鉄平の日記だったが、進平が犯した罪などをつなぐ人が不在だった。鉄平か、リナ、誠のだれかが現代にも生きていないとおかしいとなっていて、澤田がキーパーソンではという声が考察でも上がっていた。そして、澤田というのは妻の名前で自分が荒木進平とリナの子どもだと最終回で告白した。なにがあってもいづみの味方になっていたのは自分を助けてくれた恩に報いるためだったことがわかる。
鉄平が晩年を過ごして家の映像に感激
植物好きな朝子は将来一緒になる人とコスモスを植えるのだと目を輝かせて、鉄平に話していた。それを生涯おぼえていた鉄平は端島が見える家を買い、その庭一面にコスモスを植えたのだった。ネットでもこのシーンだけでも涙がとまらないという声がでている。
出演者のクランクアップコメントが番組公式サイトに掲載
©TBSクランクアップに際し、主要出演者のコメントがでている。主演の神木隆之介は「一人二役ということで大変なこともいっぱいありましたが、現場が本当に楽しくて、毎日勉強させてもらって、今まで自分が感じたことのない芝居をしている感覚があり、役を生き抜くことができたと思います。見てくださった方々の記憶に、そして歴史に残る名作だと思っています。ありがとうございました」とコメントしている。斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、中嶋朋子、國村隼、土屋太鳳、沢村一樹、宮本信子らのコメント全文は番組公式サイトに掲載されている。
TBS 2024年10月20日スタート。毎週日曜日21時放送「海に眠るダイヤモンド」。出演:神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、土屋太鳳、國村隼、沢村一樹、中嶋朋子、山本未來、さだまさし、宮本信子、尾美としのり、美保純、酒向芳、宮崎吐夢、内藤秀一郎、西垣匠、豆原一成(JO1)、片岡凜ほか。番組公式X(Twitter)アカウントは「@umininemuru_tbs」。
◇TBS「海に眠るダイヤモンド」番組公式サイト
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