映画『聖なるイチジクの種』私の作品のほとんどは秘密裏に製作された…ラスロフ監督のインタビュー映像

11時00分映画

第77回カンヌ国際映画祭で【審査員特別賞】を受賞し、アカデミー賞でも<国際長編映画賞>にノミネートされた衝撃作『聖なるイチジクの種』2月14日に公開される。ラスロフ監督のインタビュー映像を解禁となった。



『聖なるイチジクの種』は、。2022年にイランで起きた社会問題、若い女性の不審死と市民による政府抗議運動を背景に、家庭内で消えた1丁の銃を巡り、家族すら知らない“裏の顔”が次々と暴かれていくサスペンススリラーだ。

監督・ラスロフはインタビューで「私の作品のほとんどは、秘密裏に製作されたもの」と語り、自由を求めて命がけで撮影を続けたことを明かしている。イラン政府の厳しい検閲を乗り越え、勇敢な女性たちがヒジャーブを外してカメラの前に立ったこの映画。その撮影は、命の危険を冒しながら裏ルートを使い進められ、完成すること自体が“奇跡”だったと語る。

本作では、家族を守るために支給された銃がある日突然消える事件が発端となり、次第に家庭内の疑念と闇が浮き彫りになる。父親が昇進祝いの席で娘たちに「ヒジャブは必須」「SNS投稿禁止」と厳しく言い聞かせるシーンからもわかるように、家族全員が常に監視と制限の中で生きており、自由を求める心情が痛いほど伝わる。

イランの厳しい現実を背景に、家族同士の信頼と疑念がぶつかり合う中で、誰が銃を持ち去ったのか?その真実が明かされる時、物語は想像を超えた衝撃的な結末へと突き進む――。

『聖なるイチジクの種』は、家族の絆と崩壊、自由と抑圧をテーマに、あなたを引き込むこと間違いなしだ。



■あらすじ
“ある日、家庭内で1丁の銃が消えた――。“
国家公務員として20年間勤勉に働き、愛国心から昇進したイマンは、夢にまで見た予審判事となる。しかしその業務は、反政府デモの逮捕者に不当な刑罰を課す国家の下働きだった。報復の危険から家族を守るため、イマンには護身用の銃が支給される。だがある日、家庭内からその銃が消える。最初はイマンの不始末かと思われたが、捜査が進むにつれて疑いの目は妻・ナジメ、姉・レズワン、妹・サナに向けられる。誰が、何のために銃を持ち去ったのか。家族内で交錯する疑念と暗闇が物語を予測不能な展開へと導く――。

2月14日(金)TOHOシネマズ シャンテほか 全国順次公開
監督・脚本︓モハマド・ラスロフ カンヌ国際映画祭ある視点部⾨【脚本賞】『ぶれない男』(17)、ベルリン国際映画祭【金熊賞】『悪は存在せず』(20)
出演︓ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ
2024 年/フランス・ドイツ・イラン/167分 配給︓ギャガ ©Films Boutique