ソン・ジュンギ主演『ボゴタ:彷徨いの地』Netflix配信開始 レビュー&ネタバレなし
ソン・ジュンギ主演の韓国映画『보고타: 마지막 기회의 땅』(監督キム・ソンジェ)が、邦題『ボゴタ:最後の機会の地』で、2月3日よりNetflixにて配信開始した。メイン予告も公開中だ。
『ボゴタ:最後の機会の地』はIMF直後、新しい希望を抱いて地球の反対側コロンビアのボゴタに向かったグッキ(ソン・ジュンギ)がボゴタ韓人社会の実力者スヨン(イ・ヒジュン)、パク兵長(クォン・ヘヒョ)と共に繰り広げる出来事を描いた映画だ。
◇ボゴタ: 彷徨いの地 | 予告編 | Netflix
デビュー作「少数意見」(2015)でディレクターズカット新人監督賞、青龍映画賞と釜日映画賞の脚本賞を席巻し好評を得たキム・ソンジェ監督の最新作。韓国映画初のコロンビア・ボゴタで繰り広げられる韓国人の波乱万丈な生存期を描いた作品として期待を集めている。
ソン・ジュンギは、底辺である第1区域から、最上位の第6区域を夢見る青年グッキ役を演じ、新たな姿を披露する。グッキはIMF以後、家族と逃げるようにコロンビアのボゴタに移り、韓国人社会の権力者であり密輸市場の大手であるパク兵長の下で働くことになる人物で、韓国に戻るために強い生存力を見せつけ、ボゴタ韓国人社会で次第に定着していく。
韓国の激動の20世紀末~21世紀にかけてと言えば、ソン・ジュンギ主演のドラマ「財閥家の末息子〜Reborn Rich〜」と同時代の物語。どちらも10代から青年までを演じるのも同じ。ソン・ジュンギは同じ時代を国内と国外とで演じて魅せた。
映画は、1997年のIMF事態以後、希望を求めてコロンビアに来たグッキの家族の姿から始まる。タクシーに乗り込み期待に胸を膨らませていたのもつかの間、その直後にグッキの父親グンテ(キム・ジョンス)が強盗に全財産が入ったカバンを奪われてしまう。全力疾走するグッキの姿はまるで今後待ち受ける波乱万丈な人生を暗示するかのようだ。
その後、ボゴタ韓人社会の最高権力者であるパク兵長(クォン・ヘヒョ)に見初められ、密輸の仕事を始めて次第に信頼を得ていくグッキだったが、ボゴタ韓人社会の実力者スヨン(イ・ヒジュン)もグッキに目をつける。パク兵長はグッキに対し、密輸時にスヨンが紛れ込ませる物品を自身に届けろと指示し、一方でスヨンは「ヒョン(兄)がお前に提案を一つしてみようか?」と何やら危しげな雰囲気を漂わせる。このように二人の間に挟まれたグッキは、誰も信じられない状況下で、一体どのような選択をするのだろうか?と期待が高まる。
その他にもパク兵長の甥(パク・ジファン)、スヨンの忠実な後輩ジェウン(チョ・ヒョンチョル)など、ボゴタ韓人社会と密輸市場をめぐる多様な人物の激しい利権争いが描かれ、映画の緊張感を高めている。
ソン・ジュンギは、遠いボゴタで19歳の少年グッキが荒波に揉まれながら青年に成長していく、10代から30代までの姿を全て自ら演じた。10代の姿も全く違和感を感じないのはさすがソン・ジュンギと言えるだろう。
映画公開当時、韓国で行われた制作発表会でソン・ジュンギは、グッキというキャラクターについて「欲望の塊だ。欲望というのは単純だ、生き残らなければならないから。良く言えば責任感と言えるだろう。最初のうちは熱くないが、溶岩のように熱くなる人物」と語っていた。また「(自分自身は)普段は体に何かをつけるのが好きでなく、自分でアクセサリーなど買ったことはない。しかし今回は、イヤリングをしてみたり髪を短く切ったりと、初めての試みが多かった」と語った。劇中のソン・ジュンギの左耳に注目を!
実は本作品は2020年1月にコロンビアで撮影を始めたものの、コロナによって暗礁に乗り上げてしまった経緯がある。その後紆余曲折の末、ついに2024年12月、約5年の歳月を経て映画公開にまでたどり着いたのだ。ソン・ジュンギは「与えられた任務の中でこの映画を観客によく紹介しなければならないという気持ちで臨んだ」として「いよいよ観客の皆様に会えると思うと、過ぎ去った日が感慨無量だ。 感謝し、謙虚な気持ちでご挨拶したい」と胸いっぱいの感想を伝えたことも記憶に新しい。
IMFを避けコロンビアに向かった彼が目の当たりにしたのは果たして「機会」なのか!?ソン・ジュンギ主演の『ボゴタ:最後の機会の地』は、Netflixにて配信中だ。
※本記事は、韓国で公開当時naviconで紹介したレビューをリライトしました。
■作品紹介
制作国:韓国
制作年:2024年
監督:キム・ソンジェ
原題:『보고타: 마지막 기회의 땅’』
韓国公開日:2024年12月31日〜
出演者:ソン・ジュンギ、イ・ヒジュン、クォン・ヘヒョ、パク・ジファン、チョ・ヒョンチョル、キム・ジョンス 他