NHKスペシャル4月20日「オンラインカジノ“人間操作”の正体」3年にわたり徹底取材

NHKスペシャル（NHK総合・NHKプラス）4月20日（日）21時から、オンラインカジノにのめり込む人々が、なぜ違法と知りながらも後を絶たないのか、それは、プレイヤーを巧妙に依存へと誘導する“仕組まれた中毒”の真実に迫る。



芸能界やスポーツ界を揺るがせた「オンラインカジノ」問題。警察庁の推計によれば、国内の利用経験者は336万人にのぼる。海外のサイトであっても、日本からアクセスして利用すれば、刑法の賭博罪に該当する。違法と知りながらも、生活が破綻するまでのめり込む人が後を絶たない。その背景には何があるのか。

NHKはこの問題に3年をかけて徹底取材を行った。見えてきたのは、スマートフォンを通じて利用者のあらゆる個人情報が収集され、運営側の巧妙な仕掛けによって依存状態へと導かれていく、まさに“人間操作”と呼べる実態である。謎に包まれてきた運営組織の正体にも迫った。

取材班は2年前、地中海に浮かぶ島国・マルタ共和国にオンラインカジノの関連企業が存在することを突き止め、現地への潜入取材を実施した。そこで目にしたのは、カジノディーラーやコールセンタースタッフとして働く日本人の若者たちの姿である。ある女性スタッフは「オンラインカジノはコントロールされている」と語った。「最初に大きく勝たせて利用者を夢中にさせ、また勝てると思い込ませる。でも実際には、勝てないように設計されている。詐欺と同じ構図だ」と明言した。

“チート”の実態を追うため、取材班は日本人利用者の個人データに注目し、海外のデータサイエンティストや弁護士と連携して、データの流れを追跡した。その結果、利用者の個人情報を収集することを目的とする組織の存在が浮かび上がった。彼らは「給料日」「位置情報」「家族構成」「サイトへのアクセス頻度」「プレー時間」など、スマホから得られるあらゆる情報をリアルタイムで収集し、利用者の行動を監視していた。そして、その情報をもとに利用者を“やめられない状態”へと追い込んでいた。

さらに取材班は、かつてオンラインカジノの設計に関わったという元開発者たちにも接触し、衝撃的な証言を得た。「オンラインカジノは、人が依存症になるように設計されている」と彼らは語った。「“ハッピー・ピル（幸せの薬）”を脳に与え、このサイトは自分にとって特別な存在だと思い込ませる。それが“人間操作”の本質である」と明かした。
スマホの画面の奥に潜む“つくられた依存症”。3年におよぶ調査報道によって、オンラインカジノの知られざる実態と、その恐るべき構造が明らかになった。

NHKスペシャル 「オンラインカジノ “人間操作”の正体」
【NHK総合・NHKプラス】4月20日（日）21時～21時49分

●関連番組をまとめて再放送！NHK プラスでも配信
・クローズアップ現代「やめたくてもやめられない 広がるオンラインカジノの闇」（2022年放送）
【NHK総合・NHKプラス】16日（水）2:00～2:27 ※15(火)深夜

・NHKスペシャル 調査報道 新世紀「オンラインカジノ 底知れぬ闇」（2024年放送）
【NHK総合・NHKプラス】18日（金）2:06～2:55 ※17(木)深夜

・きょうの健康 ニュース 「オンラインカジノが急増！依存症のこわさと対策」（2025 年3月放送）
【NHK総合・NHKプラス】18日（金）2:56～3:11 ※17(木)深夜

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