フランソワ・オゾン監督最新作『秋が来るとき』5月公開 主演はエレーヌ・ヴァンサン

04月17日15時00分映画

フランソワ・オゾン監督の最新作『秋が来るとき』が、5月30日(金)より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開される。作品HPにて監督からのメッセージ映像が公開されている。



主演はフランスを代表するベテラン女優エレーヌ・ヴァンサン。共演には、2003年のヒット作『スイミング・プール』以来、約22年ぶりにオゾン作品に出演するリュディヴィーヌ・サニエが名を連ねる。



愛と抱擁、そして秘密――人生の秋を生きる女性の物語

舞台はフランス・ブルゴーニュ。主人公は、自然豊かな田舎でひとり静かに暮らす80歳の女性・ミシェル。孫が休暇で訪れるのを楽しみに、家庭菜園で採れたにんじんでスープを作り、手作りのケーキを焼く。秋色に染まる森の中を親友と語らいながら散歩する、そんな穏やかな日常のなか、彼女はある「秘密」と向き合う決断をする。

物語は、人生の最終章に差し掛かった女性が自分のため、家族のため、そして友人のために大切な選択をする姿を描き出す。ブルゴーニュの美しい景観を背景に、人生の秋から冬へと移ろう時間を、繊細かつドラマティックに映し出す。



秋が来るとき

エレーヌ・ヴァンサンとリュディヴィーヌ・サニエが共演

主演のエレーヌ・ヴァンサンは、『人生は長く静かな河』(1988)でセザール賞最優秀助演女優賞を受賞。オゾン監督作品にもたびたび出演しており、近年では『セラヴィ!』(2017)、『スペシャルズ!』(2019)、『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(2019)などに出演してきた。

今回は、娘役を演じるリュディヴィーヌ・サニエとの共演にも注目が集まる。彼女は「80代の女性が主役という脚本にとてもワクワクした。これは監督の精神性をよく表していると思う」と語り、作品に対する期待を寄せた。



「彼女たちの皺にこそ、美しさが宿っている」

本作のテーマについて、オゾン監督は「一定の年齢を超えた女優たちをスクリーンに映したかった」と語る。「高齢者が社会や映画から早く姿を消していく現実に疑問を感じた」としたうえで、「彼女たちの皺には、人生経験と時の流れの美しさが刻まれている」と、その思いを明かした。

エレーヌ・ヴァンサンについては、「彼女は硬質な強さと深い優しさを同時に表現できる。日常に自然に溶け込むその存在は、カメラ越しに見ていて非常に興味深い」と絶賛した。



“静かな感動”を届ける、大人のための一本

初期のオゾン作品を思わせるようなサスペンス的要素も垣間見える『秋が来るとき』は、人生の深みと向き合うすべての大人に向けた静かな感動作となっている。

人生の終盤に何を思い、どう生きるのか――。その問いに、優しく寄り添う一作が完成した。





公開情報

映画『秋が来るとき』
2025年5月30日(金)より
新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開



■あらすじ

本作の主人公は、80歳のミシェル。パリでの生活を終え、人生の秋から冬に変わる時期を自然豊かなブルゴーニュの田舎で一人暮らしをしている。秋の休暇を利用して訪れた娘と孫に彼女が振る舞ったキノコ料理が引き金で、それぞれの過去が浮き彫りになっていく。人生の最後を豊かに過ごすために、ミシェルはある秘密を守り抜く決意をするー。

■スタッフ・キャスト

監督・脚本:フランソワ・オゾン 『すべてうまくいきますように』『わたしがやりました』 共同脚本:フィリップ・ピアッツォ
出演:エレーヌ・ヴァンサン、ジョジアーヌ・バラスコ、リュディヴィーヌ・サニエ、ピエール・ロタン
2024年|フランス|フランス語|103分|ビスタ|カラー|5.1ch | 日本語字幕:丸山垂穂|原題:Quand vient l’automne
配給:ロングライド、マーチ © 2024 – FOZ – FRANCE 2 CINEMA – PLAYTIME

『秋が来るとき』作品HP