「あきない世傳 金と銀2」第6話:小芝風花、町人のための新しい小紋で江戸商いに挑む【ネタバレあり】

05月11日20時58分ドラマ
画像:NHK「あきない世傳 金と銀2」第6話より

5月11日(日)に放送されたNHK(BS/BSP4K)の時代劇「あきない世傳 金と銀」シーズン2・第6話では、江戸店の再建に挑む幸の奮闘が描かれた。番組ホームページにて予告動画も公開中だ。



「あきない世傳」は、髙田郁の時代小説のシリーズが原作。江戸中期、兄と父を亡くし大坂天満の呉服商に奉公に出た学者の娘・幸(さち)が商才を発揮し商人へと成長する物語。⇒【全話あらすじ・関連記事】

※シーズン1を視聴されていない方は、こちら「シーズン1」振り返りを参考にどうぞ。

■第6話「ありの目とみさごの目」あらすじ

五鈴屋江戸店は当初は賑わったものの、1か月も経たないうちに売上が急落し、幸(小芝風花)は頭を抱える。そんな時、「困ったときにはこの人を頼るがいい…」と、人形遣いの亀三(星田英利)から、歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)を紹介される。

幸は、栄次郎を訪ねるが、「中村屋には日本橋の大店が何軒も入っていて、俺の伝手で中村座に売り込む隙はない」と、塩対応。それでも弟子の吉二(齋藤潤)に動きやすい木綿の稽古着を新調してみるかと難題を持ち掛ける。半月後、幸は絹と木綿を掛け合わせた新しい稽古着を仕立てて納める。それが評判となり、五鈴屋名物、丈夫な絹「浜羽二重」が売れに売れ、江戸店に再び活気が戻る。

そんな中、賢輔(佐久間悠)はかつての五鈴屋五代目店主・惣次(加藤シゲアキ)らしき姿を街中で目撃。幸は惣次の無事に安堵するが、彼が「五鈴屋唯一の血筋」である以上、再登場すれば自分の立場が揺らぐという不安も抱える。店は軌道に乗ってきたが、幸の七代目店主は三年の期間限定で残り半年。このままではいけないと、新たな試みに挑む決意を固める。

そんなある日、常連客のお才(菜葉菜)の亭主・力造(池田努)が腕のいい染め物職人だと知る。お才の弟で指物師の和三郎(浅利陽介)から、力造が以前は武士の小紋染めをしていたことを聞く。幸はその時、栄次郎から聞いた「表木綿に裏甲斐絹」の言葉をヒントに裃小紋をアレンジした江戸の町人のための小紋を思いつく。小紋柄は身近な物を選べばいい。そこではまずは小さい鈴の小紋を作って店に並べることに。

それには型紙の業者が必要だが、佐助(葵揚)が五鈴屋と縁のある伊勢に腕のいい業者があると言う。すると賢輔(佐久間悠)が、自分を伊勢に行かせてほしいと名乗り出る。絵の上手い賢輔なら彫師と話もできる。「江戸店が初めて作る勝負の品に最初から関わりたい」という賢輔の意気込みを聞いた幸は賢輔を伊勢に派遣することに。

一方、幸が力造に小紋の型染を依頼しに行くも、「二度と型染はしない」と拒絶される。力造の過去には、彼が染めた小紋が古着屋で見つかったことで父親が冤罪をかけられ、命を落とすという悲しい事件があった。今は墨染めしか手掛けていない力造だが、妻・お才は、彼の心の奥に小紋への未練があると信じていた。

賢輔が江戸を発って三か月経った秋。江戸から妹の結(長澤樹)がやってきた。幸は約束通り結を呼び寄せたのだ。

■見どころと次回の展開

この回のエピソードのタイトルになっている「ありの目とみさごの目」は、第4話で治兵衛(舘ひろし)が江戸進出の幸に送った言葉。一方、江戸店オリジナル商品となる小紋を思いつかせた「表木綿に裏甲斐絹(おもてもめんのうらかいき)」は歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)の言葉。これは「外見は質素だが、見えないところに贅沢をすること」を意味し、見た目には控えめでも内側で贅沢を楽しむ江戸っ子の美意識や洒落心を表している。

問題の小紋だが、将軍家の御召十、紀州大納言家の極鮫、加賀前田家の菊菱、甲斐武田家の武田菱などがある。どれも門外不出。力造が橋でお武家と知れ違った時に、表情を硬くしたのは辛い過去があったから。果たして幸は力造を小紋の世界に引き出すことができるのか?

また、今回は治兵衛の息子でもある賢輔に注目。控え目な彼が無事、江戸商いの道筋を作ることができるのか?今後は賢輔の成長ぶりにも注目したい。

次回第7話「鈴の小紋」は5月18日放送。幸は鈴の小紋を作るため、賢輔を伊勢型紙の里・白子に行かせる。一方、鉄助(八嶋智人)は、天満の呉服仲間が女名前延長を勧めていると報告。それは惣次が江戸にいるおかげだという。数か月後、型紙が届き、お才の亭主・力造に型染めを依頼した幸だったがなぜか断られてしまう。そんな時、当代一の女形・歌舞伎役者の中村富五郎(片岡千之助)が五鈴屋にやってくる。

■キャスト

小芝風花(主人公・幸)
松本怜生(五鈴屋六代目店主・智蔵)
泉澤祐希(桔梗屋番頭・周助)※S2より
朝倉あき(五鈴屋元ご寮さん・菊栄)※S2より
いしのようこ(五鈴屋女衆・お竹)
内藤理沙(五鈴屋女衆・お梅)
八嶋智人(五鈴屋本店番頭・鉄助)
舘ひろし(治兵衛・元五鈴屋番頭)

【本放送】2025年4月6日(日)~5月25日(日)
18:45~19:28(毎週(日)43分×全8回)
【再放送】2025年4月10日(金)~30日(金)19:30~20:13
【原作】 髙田郁
【脚本】 山本むつみ

NHK「あきない世傳 金と銀2」HP

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