NHKドラマ「舟を編む」第4話:池田エライザ、紙作り担当としての新たな挑戦と“こだわり”(ネタバレあり)

07月09日07時30分ドラマ
画像:NHK「舟を編む」より

7月8日(火)、NHK総合で放送された「舟を編む~私、辞書つくります~」では、岸辺みどり(池田エライザ)が辞書『大渡海』の紙作り担当を任されることになり、宮本(矢本悠馬)とともに“究極の紙”を目指して試行錯誤を重ねる。第4話はNHK+にて7月8日(火) 22:44 まで見逃し配信中。この回のあらすじと見どころを紹介する(ネタバレあり)。



「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」は、2012年に本屋大賞を受賞した『舟を編む』を原作とし、2013年には松田龍平主演で映画化、2016年にはテレビアニメ化もされた人気作品。原作や映画では、辞書編集に情熱を注ぐ馬締光也(まじめ・みつや)が主人公だったが、本ドラマでは、ファッション誌から辞書編集部に異動してきた新入社員・岸辺みどりの視点から物語が描かれる。⇒【キャスト紹介はこちら】

岸辺みどり(池田エライザ)は、辞書「大渡海」の紙作り担当を任されることになる。宮本(矢本悠馬)とともに、辞書に最適な“究極の紙”を目指して試行錯誤を重ねる。辞書は単なる言葉の集まりではなく、「用がなくても開きたくなるような辞書」を作ろうという思いが強調される。

図版の再検討と新たな出会い
『大渡海』編纂作業では、図版(イラスト)の見直しが進む。アルパカや河童が徳利を持っているイラスト、赤ちゃんの天然パーマ、グリーンイグアナのしっぽの長さ、丑の刻参りの頭のロウソクの数問題など、細部にこだわる編集部の姿勢が描かれる。しかし、図版担当のイラストレーター夏川実(肥後克広)がすでに亡くなっていたことが判明し、みどりと馬締(野田洋次郎)は、イラストレーターの息子・夏川颯太(戸塚純貴)に仕事の引き継ぎを依頼する。

父と息子、こだわりの継承
父の仕事を引き受けた颯太は、絵にこだわりを持たない父の仕事のやり方を軽んじていた。しかし馬締に「こだわらないことにこだわっていたのでは?」と言い続けて「辞書の図案はこだわりがあってはいけない」と話す。これに颯太ははっとする。さらに父親が赤ちゃんの挿絵に天然パーマを描いていた理由が、自分がモデルだったことを知る。父親は「何のこだわりもない」と思われていたが、実は息子への愛情という“こだわり”が込められていたことが明らかになる。このエピソードを通じて、辞書作りの現場に生まれる感動や、言葉や図版に込められた思いが描かれる。

みどりの成長と今後への布石
みどりは紙作りや図版の調整を通じて、辞書編集の仕事にますますのめり込んでいく。自分の成長や、仕事へのやりがいを実感し始める姿が印象的だった。また、次回以降、みどりの母親との関係が物語の焦点となることが予告されている。

第4話は、辞書作りの裏側にある“こだわり”や、世代を超えて受け継がれる思い、人と人とのつながりが丁寧に描かれた回となっている



映画版で描かれた名シーン
“こだわり”と共に“継承”することの大切さも描かれた。それは回想シーンで。荒木公平(岩松了)の定年退職残念がる辞書監修者の松本先生(柴田恭兵)に、「私の代わりの編集者を必ず見つけて、『大渡海』を必ず完成させます」と約束した。そして西岡(向井理)が引き入れたのが馬締。「辞書の申し子」誕生となった。まさに、「継承」の大切さと難しさを映画版では小林薫(荒木役)と加藤剛(松本役)が魅せてくれた。はたして、「未知数」のみどりは馬締の後を継ぐ人材に育つのか?

ちなみに「申し子」の語釈①は「神仏に祈り、授かった子」。

次回(第4話)
第4話は7月8日ほかで放送される。第4話では、辞書の紙づくりを任されたみどり(池田エライザ)は、宮本(矢本悠馬)と共に“究極の紙”の完成を目指す。一方、辞書「大渡海」の図版見直し作業では、イラストの描き直しが必要になるが、担当のイラストレーターはすでに他界。みどりと馬締(野田洋次郎)は、後を継いだ息子・夏川颯太(戸塚純貴)に協力を依頼するが、簡単にはいかず…。

【放送】2025年6月17日(火)スタート<全10話>
 総合:毎週火曜22:00~22:45
 再放送(総合)毎週木曜24:35〜25:20 (※金曜0:35~1:20)
【原作】三浦しをん 『舟を編む』
【脚本】蛭田直美
【音楽】Face 2 fake
【演出】塚本連平 麻生学 ほか
【出演】池田エライザ 野田洋次郎 矢本悠馬 美村里江 渡辺真起子 前田旺志郎/岩松了 柴田恭兵 ほか

NHK「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」HP

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