「大岡越前8」第6話、“おとぎ話”では終わらせない…忠相(高橋克典)が下した情の裁き

07月13日20時59分ドラマ
画像:NHKBS時代劇「大岡越前8」より

7月13日(日)に放送されたNHK BS時代劇「大岡越前8」(第6話「情けの十手」)では、中越典子をゲストに迎え、家族を守るために罪を犯した男と、その家族を支える岡っ引きの姿が描かれた。大岡忠相(高橋克典)が下した裁きは、正義と人情の間で揺れる“情け”に満ちたものだった。この回のあらすじと見どころを紹介する。次回第7話の予告はHPで公開される。(ネタバレ)



「大岡越前8」とは

江戸の町を舞台に、南町奉行・大岡忠相(高橋克典)が仲間たちとともに事件や人情に向き合い、“大岡裁き”を繰り広げる時代劇シリーズ。2024年の第7シリーズに続き、高橋克典が2期連続で忠相役を務める。

美村里江、勝村政信、寺脇康文らおなじみのキャストに加え、今作では嶋田久作、山崎一輝らが新たに参加。各話に登場する豪華ゲストも見どころのひとつだ。⇒【高橋克典×風間杜夫ほか豪華各回ゲスト紹介】

■第6話「情けの十手」

2年前、左官職人の善吉(阿部亮平)は、長患いの妻の薬代を工面するため、裏稼業を営む住職を殺害し、金を奪って逃亡した。善吉の妻・お種(中越典子)と幼い息子・梅吉(宇治本竜ノ助)は、心無い噂に耐えながら長屋で暮らし続けていた。善吉が江戸に戻ったことを知った南町奉行・大岡忠相(高橋克典)は、岡っ引きの勘太(柄本時生)らに長屋を見張らせる。勘太は母子の健気な姿に心を動かされ、次第に情が移っていく。

お種は苦しさのあまり、息子と心中を図ろうとするが、勘太が必死に止める。勘太は自らの過去や家族への思いと向き合いながら、母子を守ろうと寄り添う。そんな中、梅吉のもとに善吉から手紙が届き、勘太は善吉が戻った際には母子に会わせてやりたいと願い出る。しかし、忠相は「十手持ちとしての覚悟」を問う。勘太は葛藤しながらも、善吉が今夜戻ることを打ち明け、善吉は捕らえられる。

裁きの日、善吉は自ら罪を認める。忠相は、奪った金が汚れた金であることを知っていたかと問い、善吉はうなずく。忠相の命で調査していた神山(嶋田久作)が、1人の少年を呼び入れる。少年は、2年前に住職に売られそうになったところを善吉に救われたと証言する。忠相は「善吉は罪を犯したが、多くの子を救った。しかし命を奪い金を盗んだ罪は裁かれるべき」として、善吉に三宅島への遠島を命じる。続けて忠相は「お種は養生所で快方に向かい、梅吉には褒美が与えられる」と教え、「島で真っ当に暮らし、赦免を得て家族に会いに来い」と善吉を励ます。



この回では、「大岡裁きなどおとぎ話だ」と苦悩する。そんな忠相に、妻・雪絵(美村里江)が「あなたは江戸の人々の父親」と声をかけ、忠相は救われる。法と情、正義と赦しの狭間で揺れる人々の姿を通して、「人を裁くとは何か」「信じるとは何か」を静かに問いかけるエピソードとなった。

ちなみに、忠相は報奨金のことを「はあおざしごかんもん(青緡五貫文)を与える」と告げたが、この「青緡五貫文」とは、江戸時代に特に親孝行や忠義などで目立った人物に幕府から与えられた褒賞金のこと。

次回(第7話「天一坊現る」)は加藤雅也をゲストに迎えて、将軍の落とし胤を名乗る天一坊(藤枝喜輝)を巡る一大事件が幕を開ける。陰で糸を引くのは、謎多き浪人・山内伊賀亮(加藤雅也)である。忠相の眼力が、この前代未聞の詐欺事件にどう立ち向かうのか注目される。


■放送・制作情報

放送日時:6月8日(日)より毎週日曜 18:45~19:28(全8回)
放送局:NHK BS、NHK BSP4K
脚本:尾西兼一(2・3・7・8話)、いずみ玲(1・5話)、森脇京子(4・6話)
音楽:山下毅雄、小笠原肇
主題歌:由紀さおり
出演:高橋克典、勝村政信、寺脇康文、美村里江、近藤芳正、高橋光臣、嶋田久作(新キャスト)、柄本時生、石井正則、金山一彦、山崎裕太、加藤頼、黒川英二、財木琢磨、由夏、亜呂奈、中村加弥乃、山﨑一輝(新キャスト)、高橋長英、徳重聡、松原智恵子、田村亮 ほか

制作統括:本木一博(NHK)、落合将(NHKエンタープライズ)、白石統一郎(C.A.L)

演出:矢田清巳(1・4・7・8話)、六車雅宣(2・3話)、濱龍也(5・6話)

NHK BS時代劇「大岡越前8」HP

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