イ・ドンウク×イ・ソンギョンの新ドラマ「優しい男の物語」、“ダサさが新しい”を武器に挑む感性ノワール【制作発表会まとめ・動画】

7月18日に放送がスタートするJTBC新金曜ドラマ「優しい男の物語」(原題:착한 사나이)の制作発表会が14日午後、ソウル・九老区のザ・リンクホテルで行われ、主演のイ・ドンウク、イ・ソンギョンをはじめ、パク・フン、オ・ナラ、リュ・ヘヨン、そしてソン・ヘソン監督が登壇した。YouTubeにて発表会動画が多数公開されているので、登壇者コメントともの紹介しよう。
●【「Disney Plus」で独占配信の韓国ドラマはこちら】
「優しい男の物語」は、三代続くヤクザ一家に生まれたが、心根が優しく文学を愛する主人公パク・ソクチョル(イ・ドンウク)が、初恋の人カン・ミヨン(イ・ソンギョン)との再会をきっかけに人生に光を取り戻すため、自身の宿命に立ち向かう純愛ラブロマンスだ。金曜夜に毎週2話連続で放送され、JTBCの新たな“金曜シリーズ”の幕開けとなる。

「あえて古臭く」――演出家が狙ったのは“平壌冷麺のような淡白さ”
演出を手がけたソン・ヘソン監督は、「誰もが避けようとする人生の岐路に立つ人々の物語。どちらの道を選ぶかによって人生が大きく変わる。その後悔や希望を描いていく作品」と語った。そして、「タイトルやヤクザという素材が“古い”印象を与えるかもしれないが、むしろそれを武器にしたかった」と明かす。あえて“平壌冷麺のような淡白さ”を目指したというその言葉には、現代ドラマにはない静かな余韻を届けたいという思いが込められている。
イ・ドンウク、「生活感ある男」を演じる理由
主演のイ・ドンウクが演じるのは、もともとは詩人や小説家を夢見ていたが、望まずして組織の道を歩むことになったパク・ソクチョル。再会した初恋の人ミヨンとの再接続が、彼の人生に再び波紋を広げていく。
ここ数年、ジャンルものやファンタジーに出演してきたイ・ドンウクにとって、本作は「新しい世界観を構築することに疲れていた」中で出会った“地に足のついた物語”だった。「準備は最小限にして、生活感のある演技を心がけた」と語る彼は、「この作品にはイ・ドンウク自身も投影されている」とも話す。
また、ヤクザという題材については「決して美化するものではなく、むしろ冴えない姿をリアルに見せたかった」と強調。華やかさとは一線を画す地に足のついた人間描写が、彼にとっての挑戦でもあった。
イ・ソンギョンが語る“懐かしさ”と“新しさ”
一方、カン・ミヨンを演じるイ・ソンギョンは、舞台恐怖症という弱点を抱えながらも歌手を夢見る女性を演じる。「今はレトロやヴィンテージが人気だが、それはその時代の感性に惹かれているからだと思う。本作はそんな懐かしさと現代的な要素を融合させた作品」と語り、自信をのぞかせた。
JTBCドラマ初主演となる彼女は、2話連続放送という形式にも期待を寄せ、「余韻をたっぷり味わってほしい」とコメント。イ・ドンウクとの初共演に関しても、メロドラマとしての相性の良さを感じさせた。
脇を固める豪華キャストと“レトロな”魅力
敵対する組織のボス・カン・テフン役にはパク・フン。彼は「疑似家族や義理など、古き良き人間関係をテーマにした感性を表現している」と話し、「現代の冷めた人間関係に一石を投じる作品」と位置づけた。
また、パク・ソクチョルの姉・ソッキョン役のオ・ナラは「華やかな作品が多い中で、このような人間味あふれるドラマに出演できて嬉しい。古臭さの中にある人情が、逆に新鮮に感じられるはず」と語った。
妹役を演じるリュ・ヘヨンは、「初めて台本を読んだとき“ダサい”と思った」と率直な感想を述べつつも、「そのダサさを堂々と押し出している点が逆に魅力」と力を込めた。現在「瑞草洞<ソチョドン>」(原題:서초동)にも出演中の彼女は、週末3日連続で視聴者の前に登場することになる。
“古臭さ”は通用するのか?――新感性で蘇る“ノスタルジー”
本作の見どころは、どこか懐かしくも温かな世界観と、それを現代的な視点で再構築した点にある。「ヤクザ」「初恋」「家族」「音楽」など、韓国ドラマが得意とする情感豊かなモチーフを駆使しつつも、それを甘さだけで終わらせない硬派な視点が込められている。

キャスト陣の熱量と、あえて“今風”にしすぎない演出。ノスタルジーを武器にした本作は、古臭いどころかむしろ新しい。そんな逆説的な魅力が、視聴者の心にどこまで届くのか、初回放送への期待が高まっている。
「優しい男の物語」はJTBC新金曜ドラマとして7月18日から2話連続で放送され、その後、Disney+(ディズニープラス)で独占配信される。
◇YouTube「@tongtongculture」제작발표회(制作発表会フォトタイム+発表会)
◇YouTube「착한 사나이」제작발표회(制作発表会動画一覧)
